オールドヨーロピアンカットとローズカット ダイヤモンドの競演
メイン石がオールドヨーロピアンカット、周りを囲うダイヤモンドはいずれもローズカット。
合計13石のダイヤモンドが用いられた、まさにダイヤモンド尽くしのリングです。
メイン石のオールドヨーロピアンカットのダイヤモンドは直径3ミリ強。
メインのこのダイヤモンドに大きさがあるのはよくあることですが、このリングは脇石であるローズカットダイヤモンドにも大きさのある石が多いです。
大きい石はやはり3ミリ程度あります。
メイン石と同じ具来の表面積の脇石。
大きなローズカットの数石は厚みも非常にあり、その多くがよりファセット面の多いダッチローズカットにされています。
面白いのはローズカットは石によってかなり大きさがことなることで、その石にあわせてぴったり台座にセットされています。
このあたりの作りをしっかり見ますと、はっきり手作業で手が掛けられていることが分かり、味わいがあります。
台座の表面はプラチナです
全体はホワイトゴールドで、ダイヤモンド周り(台座表面)のみプラチナが用いられています。
1910年頃によく見られる指輪の作りですが、
ゴールドバックのプラチナのリングはエドワーディアンの頃特に「イエローゴールドxプラチナ」で見られましたので、白い地金の組み合わせは珍しいです。
パッと見たところ分からない色調の似た地金をわざわざ手をかけて貼り合わせていることにも、波ならぬクラフトマンシップを感じます。
プラチナはゴールドに比べて少量でよく伸びる性質があります。
脇石の幾多のローズカットダイヤモンドは台座に深く埋め込まれるようにセットされていますが、爪は最小限になっているところもプラチナの特性が活かされています。
またローズカットダイヤモンドを囲うスクエアの台座の外縁にはぎっしりとミルグレインが施されていて、遠くから見ますとダイヤモンドとプラチナの細工が一体化して燦々と煌めいて見えます。
1910年頃のフランス製。
全体は18カラットホワイトゴールドで表層のみプラチナ。
18カラットゴールドの刻印の他、工房印も残っており「PS」と読めます。
また内側にはシリアル番号(24979)まで打たれており、当時の一流の宝飾店の仕事であることがここからも分かります。
指輪サイズは11.5号(有料でサイズ直し可)。
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オールドヨーロピアンカットとは、現在のブリリアンカットの原型と言われるカッティングです。
そのカッティングの特徴はアウトラインが丸く、原則的にシンメトリーでテーブルは八角形で小さめです。
オールドマインカットと同様、、ブリリアンカットに比べてテーブル(上部の平らな部分)が小さく、それに続く斜めの部分(クラウン)に厚みがあるのが特徴です。
オールドマインカットとオールドヨーロピアンカットの違いは、オールドヨーロピアンカットの方が円形でよりシンメトリーであること。
クラウンはオールドマインカットよりは浅くなり、テーブルもオールドマインカットよりは大きくなります。
しかし現代のブリリアンカットと比べますと、オールドヨーロピアンカットもクラウンが高くガードルが厚いです。
キューレットもオールドマインカット同様、大きいです。
逆に言いますと現代のブリリアンカットは、クラウンが更に浅くなりアッパーパビリオンが短くなり、テーブル面が大きくなったと言えます。
クラウンに高さがありガードル面積が大きいのでダイナミックなシンチレーションが出るのが、オールドヨーロピアンカットならではの魅力です。
下記は当店扱いのオールドヨーロピアンカットダイヤモンドのクローバーリング。
燦々と煌き、大きさ以上の迫力が出ています。
アンティークのダイヤモンドがさまざまな角度から見たときの煌きに驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ブリリアントカットは数学的に計算されたカットなので、正面から静止して見る分には美しいのですが、ジュエリーは身に着けると当然動きます。
動いたときの美しい輝きという意味でもやはり、オールドヨーロピアンカットに軍配があがります。
オールドヨーロピアンカットはオールドマインカットと同様、正面から見たときに石の中心が穴が開いているように見えます。
もちろん穴があいているわけではなく、キューレットを削り落とすカッティングであったため正面から見るとそう見えます。
オールドヨーロピアンカットより前に出てくるカッティングにオールドマインカット(クッションシェイプカット)については、アンティークダイヤモンドのカットクッションシェイプ(オールドマインカット)ダイヤモンドとはとはをご参照ください。
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