エンジ、青、黒の3カラーエナメル
指輪のベゼル(フェイス)部分にエナメルが施された、独創的なリングです。
エナメルは横から「エンジ、青、エンジ、青、エンジ」と狭い面積の中で切り替わっています。
更に縦に黒いボーダー線、横により細い黒いボーダー線が「ブラックエナメル」で描かれています。
エナメルは多色になるほど製作作業が増え、それをこのような小さな面積の中で施すのは至難の業です。
そのため面積の制約が大きい指輪で、エナメルが用いられているケースはアンティークジュエリーでも少ないです。
色合いもシックな深い色のエナメルで、比較的明るい色の多いフランスやスイスのエナメルと異なるシックな魅力です。
高級感あるアンティークボックス付き
素晴らしいアンティークケース付きで入手しましたので、そのままお付け致します。
おそらくこのケースとリングは別々の出自です。
ケースの方の宝飾店の名は「Ratners Luton Ltd」とイギリスのマンチェスターの宝飾店が書かれています。
一方刻印は「ゴールド 18カラットゴールド、バーミンガム、HC&S」と読めます。
(残念ながらデイトレードのところだけほとんど消えてしまっていますが、その作風から19世紀後期の作品です)
マンチェスターとバーミンガムの距離、宝飾店の頭文字を考えますと一致しません。
ですがこのケース、よくあるアンティークのケースに比べてもずっしりとしていて非常に高級感がある美しいレザーケースです。
重さが通常のケースの2-3倍あり、手をかける場所に金属製のパーツがついていて、ケースだけでも貴重です。
指輪サイズは7.5号(サイズ直しは有料で可)。
動画も撮影しています。
イギリスエナメルアンティークリング(アンティークケース付き )
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アンティークジュエリーで時々登場するエナメル。
その柔らかな質感は、どんな高価な宝石を使用したジュエリーにもかえがたい魅力があります。
エナメル(七宝焼き)とはさて一体どのようにして作るのでしょう?
エナメルはゴールドや銀などの金属製の下地の上に釉薬(ガラス質、鉱物質の微粉末を水と糊でペースト状にしたもの)を乗せ、摂氏800度前後の高温で焼くことによって作られます。
融けた釉薬によるガラス質の美しい彩色を施す技術です。
クロワゾネエナメルとは
アンティークジュエリーで見られるエナメル(エマイユ)技法のひとつで、エナメルの中でも高度な技術を要するエナメルにクロワゾネエナメルがあります。
クロワゾネエナメルとはいわゆる有線七宝のことです。
土台となる金属の上に1mmにも満たない金線を貼り付けて輪郭線を描き、できた枠内をエナメルで埋める装飾技術です。
フランスのアンティークジュエリーにおいて、クロワゾネエナメルによく用いられた色は赤や青、黒、白、緑などです。
「クロワゾネ(cloisonne )」はフランス語で「仕切られた」という意味からきています。
クロワゾネエナメルは基本的に金属の上に施されますが、下記では何とクリスタルの上にクロワゾネエナメルが施されています。
宝飾史に名を刻む19世紀後半に活躍したジュリアーノ一族が得意としたのも、クロワゾエエナメルです。
ジュリアーノは、19世紀後半にルネッサンス様式に着想を得たエナメルの重ね塗りで、一世を風靡。
白・黒、ブルー・白の点描などが有名です。
カルロジュリアーノの二人の息子、カルロとアーサーが父の跡を継ぎ、ジュリアーノ一族のエナメルワークは更なる発展を見せます。
アールヌーボー時代には、透明なエナメルも好んで用いられました。
アールヌーヴォーの時代に日本の有線七宝の影響を受けて、それがフランスで進化し、鮮やかな発色のエナメルがアンティークジュエリーが生まれました。
スイスジュネーブのスイスエナメル、フランスリモージュ地方のリモージュエナメルも人気です。
リモージュエナメルもクロワゾネエナメルの作品を主としています。
下記は当店扱いのリモージュエナメルのペンダント。
多色使いが見事です。
エナメルは指輪のショルダーなど、ジュエリーに部分的に用いられることも多くありました。
下記のケースでは、ショルダーのところに黒いエナメルが入っています。
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