エンジンターニング模様の入ったフレーム
面白いタイプのクロスオーバーリングです。
最大の見どころはフレーム。
フレーム全体にエンジンターニングの曲線模様が着けられています。
その両先端に真珠が配されたクロスオーバーリング。
エンジンターニングの模様はよくその上にエナメルを施ししたものが多いですが、このようにフレームにしかも全範囲に入っているのは例を見ないです。
ワ
イヤーのようなフレームはショルダー部分がなく、フレームの終わりにゴールドでスリットが入っています。
このスリットもかなり大きく入っていて、デザイン上のアクセントになっています。
フランスらしい優れたデザインのリングです。
真珠のスキン
真珠も大きさがあり艶のある美しい石が用いられています。
横からよく見ますと、真珠の上部と下部で微妙にテクスチャーが異なっていることに気づくと思います。
真珠の上部がお椀のように、皮が剥けたようになっているためです。
これは実はアンティーク真珠では時々見られることです。
天然の真珠は真珠層が重なり合ってできています。
年月とともに何かしらの理由で表層が剥けると、その下部にある真珠層が見えてきます。
内部まで真珠層が重なっている天然パールの証左であるとも言えます。
19世紀中後期のフランス製。
指輪サイズは11号。
サイズ直しは可能ですが、フレームの模様をきれいに仕上げるために大きなサイズ直しには向きません。
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1900年頃のフランスで作られた代表的な指輪デザインに「トワエモワ(toi et moi )」と呼ばれる指輪デザインがあります。
直訳しますと「あなたと私」。
特に1900年頃の英仏で作られたリングが多いです。
同じ大きさの二つの宝石が隣同士、あるいは縦や斜めに向かいあうようにセットされています。
愛を象徴するトワエモワリング
「トワエモワリング( you and me )」の象徴はロマンです。
そのデザインは、2つの魂が1つになっている様子あるいはその絆を表しています。
ナポレオン・ボナパルトはダイヤモンドとサファイヤのトワエモワリングでプロポーズをしました。
アンティークジュエリーにはなりませんがジャックリーン・ケネディはJ.F.ケネディから結婚の記念に、ダイヤモンドとエメラルドのトワエモワを受け取っています。
婚約あるいは何かしらの愛の記念に、トワエモワリングはふさわしい指輪デザインです。
トワエモワリングの宝石の組み合わせ
セットされている宝石は2石のダイヤモンドのことが多いですが、ダイヤモンドとサファイヤなど異なる組み合わせの宝石が用いられることも多いです。
下記は当店で販売済みのブルーサファイヤのトワエモワ クラスターリング。
ダイヤモンドx真珠」「ダイヤモンドx色石」のトワエモワリングもよく作られました。
新鉱山の発見で宝飾史上最も美しいダイヤモンドが手に入った時代ですので、美しいクオリティーのダイヤモンドが印象的なリングが多いです。
下記は当店で販売済みの真珠とダイヤモンドのクロスオーバーリング。
「ブルーサファイアとルビー」といった色石同士の組み合わせのリングも見られます。
下記はやはり当店で販売した「ルビーサファイアのトワエモワリング」。
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