燦々と煌めくオールドヨーロピアンカット5石
アンティークならではのカッティングの一つである、オールドヨーロピアンカットのダイヤモンドリング。
5石すべてがオールドヨーロピアンカットにされています。
キューレットの先端を切り落としたこの時代のカッティングは、正面から見るとまるで穴が開いているかのように見えるのも味わいです。
すべての石が透明度の高い美しいダイヤモンドが用いられています。
歴史の中で最も美しいダイヤモンドが採掘されたのは、19世紀後期-20世紀初頭まで。
この時代のダイヤモンドは格別美しく、それ以前のアンティークダイヤモンドに見られるような黒い内包物もなく、石そのものの照りのがる素晴らしいダイヤモンドです。
石の底から湧くようなシンチレーション、5石それぞれが別々の方向に煌めきを放っています。
5石の一文字リング
複数の石が一列に連なった「一文字リング」と呼ばれるデザインのリングです。
一文字リングは大抵の場合、同じ宝石が5つ(稀に7石などの場合もあります)並びます。
いずれのダイヤモンドも台座の高さまでに収まるよう、埋め込まれるようなセッティングになっていて凸部分がありません。
指輪にありがちな、装着時に石がどこかに当たる心配がありません。
また全体がイエローゴールドのみであるところもポイントです。
透明度の高いダイヤモンドが、イエローゴールドの色と共鳴して明るい色彩のリングです。
触れて分かる通りリングにはかなり重みがあり、ベゼル部分にかなり厚みのある重厚なしっかりとした作りのリングです。
1900年頃のイギリス製。
刻印は残念ながらほとんど消えかかっているのですが、明らかにイギリスのものと分かる形跡がフレーム内側に残っています。
18カラットゴールド。
指輪サイズは15.5号(有料でサイズ直し可)。
小さな写真をクリックすると大きな写真が切り替わります。
オールドヨーロピアンカットとは、現在のブリリアンカットの原型と言われるカッティングです。
そのカッティングの特徴はアウトラインが丸く、原則的にシンメトリーでテーブルは八角形で小さめです。
オールドマインカットと同様、、ブリリアンカットに比べてテーブル(上部の平らな部分)が小さく、それに続く斜めの部分(クラウン)に厚みがあるのが特徴です。
オールドマインカットとオールドヨーロピアンカットの違いは、オールドヨーロピアンカットの方が円形でよりシンメトリーであること。
クラウンはオールドマインカットよりは浅くなり、テーブルもオールドマインカットよりは大きくなります。
しかし現代のブリリアンカットと比べますと、オールドヨーロピアンカットもクラウンが高くガードルが厚いです。
キューレットもオールドマインカット同様、大きいです。
逆に言いますと現代のブリリアンカットは、クラウンが更に浅くなりアッパーパビリオンが短くなり、テーブル面が大きくなったと言えます。
クラウンに高さがありガードル面積が大きいのでダイナミックなシンチレーションが出るのが、オールドヨーロピアンカットならではの魅力です。
下記は当店扱いのオールドヨーロピアンカットダイヤモンドのクローバーリング。
燦々と煌き、大きさ以上の迫力が出ています。
アンティークのダイヤモンドがさまざまな角度から見たときの煌きに驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ブリリアントカットは数学的に計算されたカットなので、正面から静止して見る分には美しいのですが、ジュエリーは身に着けると当然動きます。
動いたときの美しい輝きという意味でもやはり、オールドヨーロピアンカットに軍配があがります。
オールドヨーロピアンカットはオールドマインカットと同様、正面から見たときに石の中心が穴が開いているように見えます。
もちろん穴があいているわけではなく、キューレットを削り落とすカッティングであったため正面から見るとそう見えます。
オールドヨーロピアンカットより前に出てくるカッティングにオールドマインカット(クッションシェイプカット)については、アンティークダイヤモンドのカットクッションシェイプ(オールドマインカット)ダイヤモンドとはとはをご参照ください。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。