19世紀フランスで古代様式で製作されたフルエタニティーリング
アンティークのエタニティリングで市場に出てきますのはその大半が、20世紀初頭以降に作られたダイヤモンドのエタニティリングです。
トルコ石のエタニティリングは、それだけで珍しいです。
しかもこの指輪は1860年頃と、アンティークエタニティリングの中では非常に古い時代に作られた作品です。
ヨーロッパの宝飾界では、1850年以降から「エトルリア様式」が流行しはじめます。
古代色のゴールドと色が合うトルコ石は、この時代の古代様式のジュエリーで重用された宝石です。
このリングも古代色の明るい発色のイエローゴールドや、石に合わせて規則的にゴールドが掘り込まれている金細工など古代様式が色濃く出ています。
同じ指輪がなんと2つあります!
こちらの指輪は何と、まったく同じものが2つあります。
私が仕入れたディーラーさんが仕入れたときはすでにペアで、同じところから仕入れたそうです。
当時、2人の子供に同じ指輪を作ったのだと思います。
双子かと思うところですがおそらくそうではなく、当時は手袋の上から指輪をすることなども多かったため指輪のサイズは大きめに作ることが多く、おおよそのサイズでお揃いの指輪を作ったのだと思います。
現代ではもちろん1つの指輪だけ購入していただいてもかまいませんし、2つ手に入れられて写真のように重ねづけされたり、ペアルックにするなどいろいろ考えていただくと楽しそうです。
フルエタニティーリングですのでサイズ直しはできませんが、例えば恋人同士でお守りのように指輪にチェーンを通してペンダントのようにしてお使いいただくのも良さそうです。
2つあることの意味を考えると、いろいろとロマンの膨らむ指輪です。
地金は18金ゴールドです。
指輪サイズは13.5号。
表示価格は指輪1点のお値段です。
2つまとめての際はご相談ください。
小さな写真をクリックすると大きな写真が切り替わります。
現在でも「エタニティーリング」と呼ばれて愛されている指輪デザインの歴史は古く、フランスでは18世紀のジュエリーに既にエタニティリングを見つけることが出来ます。
この指輪デザインのことをフランス語では「Alliance(結婚指輪=マリッジリング)」と呼びます。
この「alliance」という言葉は元々は、「同盟」とか「協定」といった意味のフランス語で、そこから転じて「結婚」、「結婚指輪」を指します。
下記は当店で販売済みの18世紀のエタニティリング。
緑石はペーストガラスです。
アンティークのエタニティーリングはダイヤモンドだけでありません。
古くは上記のようなペーストガラスも用いられましたし、下記はマルカジットを用いたエタニティリングです。(19世紀初頭)
エタニティリングはまた、20世紀初頭にアメリカ人に愛されオーダーされた指輪デザインです。
フランスのアンティークジュエリーでもこの頃に作られたエタニティーリングが数としてはもっとも多いです。
そのため、フランスでは「Alliance Americaine(アメリカの結婚指輪)」とも呼ぶことも多いです。
半周だけ宝石が巡らさせたものは、半分と言う意味の「Demi」が前について「Demi-alliance」と呼ばれています。
フルエタニティーダイヤモンドリング(フランス、20世紀初頭)。
セミエタニティーリング(フランス、20世紀初頭)。
ダイヤモンド以外の宝石もエタニティーリング(セミエタニティーリング)に用いられました。
下記はガーネットのフルエタニティリング(フランス、1840年頃)。
そしてフランスだけでなく、下記はロシア製作のトルコ石をあしらったエタニティーリング。
下記のように2つのまったく同じサイズのエタニティリングをあらかじめ重ねづけするように作ったリングも作られました。
これは今日では別々に着けることもでき、とても重宝ですね。
アンティークのエタニティリングは当店でもよくお問い合わせを頂きますが、そもそも数が少ないのに加えて、フルエタニティリングの場合はサイズ直しができないのが難しいところです。
指にぴったりの特にフルエタニティのアンティークリングで気に入られたものを見つけられたときは、迷わずにご購入をお薦めいたします!
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
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シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。