靴がモチーフになったアンティークチャーム
個人的にこのようなユニークなアンティークチャームには目がありません。
エピソード欄に記した通り、アンティークジュエリーではちょっと驚くようなものがジュエリーのモチーフになったりします。
このペンダントは一対の靴をモチーフにしています。
デザインから判断して当時の紳士の革靴です。
素材は銀の上に金を上塗りしたシルバーギルド。
革靴のステッチやしなりが彫金で細やかに表現されています。
写真は拡大していますが実際は靴部分の縦幅が1.6センチ程度。
造形的でリアルな表現力に思わず笑みがこぼれます。
1901年3月1日?
靴の裏側には片側に「1 MARTIE」もう片側に「1901」と手描きで彫られています。
「MARTIE」はルーマニア語で3月を指すようです。
3/1はルーマニアで春を祝う伝統的なお祭りがあります。
ジュエリーやアクセサリーが女性に贈られたようで、その記念のジュエリーだと思われます。
一方で刻印がかなり薄くなっていて難しいのですが、製作されたのはおそらくフランスです。
引き輪部分に押されている刻印の形が薄いですが、フランスのものに見えます。
フランスあるいはいずれかのヨーロッパ諸国で、ルーマニアのお祭りあるいはその出身の方に贈られたジュエリーでしょう。
面白い由来のジュエリーです。
1901年頃のヨーロッパ製。
シルバーギルド。
注:チェーンは付いていません。
小さな写真をクリックすると大きな写真が切り替わります。
チャーム(charm)とは腕輪・鎖などにつけて身につける飾りものを指します。
ラテン語の「歌(carmen)」から派生した言葉でフランス語ではシャルムと言います。
チャームという英語の意味は簡単なようで分かりづらいですが、
「人を喜ばせる、魅了するものや資質」、「ネックレスやブレスレットについいている小さな飾り」、「魔法の力が宿ると信じられている物や行動」といった意味があります。
ジュエリーの用語トして使うときは、しあわせを叶えてくれそうな魔法の力を持ったお守りのような装身具、といった意味合いになります。
アンティークジュエリーでは実に様々な魅力的なチャームが作られました。
チャームはそれだけでペンダントになったり、 ブレスレットから吊り下げるてチャームブレスレットになったり、小さなチャームが指輪についた「チャームリング」と呼ばれるものも存在します。
細工に長けたアンティークジュエリーではチャームも実に凝った、多用なデザインのものが作られました。
順番に見ていくことにしましょう。
まずは動物編。
ウサギ。
猿。
定番のモチーフとしてハートのチャーム。
やはり定番の球体のボール。
花や葉もチャームのモチーフとして好まれました。
下記は薔薇のチャーム。
変わったものとしては、実用性も兼ねた笛。
金細工を駆使したものが多いですが、下記はエナメルも秀逸な「手」のチャーム。
小さすぎて履けませんが、見事にリアルな靴。
チャームをブレスレットに垂らしたスタイルも流行します。
下記は1960年代のシャネルのチャームブレスレット。
様々なチャームの連なったブレスレット。
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