360度どこから見ても楽しい、猿のペンダント
何と猿をモチーフにした珍しいモチーフのアンティークペンダントトップです。
丸みを帯びた愛らしいシルエットで横の姿や後ろの姿も何ともチャーミングです。
猿は西欧でも縁起の良い動物だそうで、イギリスやフランスで19世紀後期以降のジュエリーで時々見ることがありす。
例えばヴァン クリーフ&アーペルのようなグランメゾンでも度々、モンキーをモチーフにしたジュエリーを作っています。
造形的に美しく、毎日を楽しくさせてくれるアンティークジュエリーですね。
写真は拡大して撮影していますが、サイズは横幅1センチx縦幅1.4センチ(猿のボディのみで計測。引き輪部分を含まず)。
こうしたペンダントトップは中が空洞になっていることも多いですが、このペンダントはゴールド無垢で重量も6グラム近くと、手にするとずしりとします。
また猿の座位が描かれているため、奥行きがしっかりあり、後ろから見てもお尻さえ愛くるしいです。
ジュエリーを超えて一つの芸術と呼ぶにふさわしい、ミニチュアの彫刻を見るような楽しさがあります。
猿の目にはダイヤモンド
目の部分はゴールドを削り込み、その凹部分に左右それぞれダイヤモンドを埋め込まんでいます。
ニコリとした口はゴールドを彫りだすことで、鼻はゴールドを盛り上げて、耳はその形にゴールドを造形することで表現されています。
主にゴールドの造形だけで、表情豊かな愛嬌ある猿の顔が描かれています。
拡大した画像でこれだけ立体的な面白さがあるのは、当時のジュエラーに高度な技術と豊かな表現力があった証ですね。
猿のボディは全体に艶消しが施されいて、金無垢ですがギラギラせずに落ちついた色合いです。
1880-1890年頃のフランス製。
18カラッとゴールド。
注:チェーンは含みません。
小さな写真をクリックすると大きな写真が切り替わります。
アンティークジュエリーでは時々、そのモチーフとして動物が登場します。
こうした動物をモチーフにしたジュエリーは、センチメンタルジュエリーの一つです。
ヨーロッパでは愛する人、親しい人を「私の可愛い子猫ちゃん」「私のおてんばなお猿くん」等、動物にちなんだ呼び方をすることが昔から多くあります。
動物のジュエリーが19世紀の後期以降作られたのも、ヨーロッパでセンチメンタルジュエリーが流行した時期と重なります。
造形的に愛くるしい動物のシルエットを持つジュエリーは、ノベルティのように、愛する人への(特に男性から女性へ)プレゼント、記念品にされました。
よくモチーフとされたのは、犬、馬、猿、鹿、虎、狼,猫あたりです。
身近な動物たちが、贅沢で愛らしいジュエリーに仕上げられました。
下記は当店で販売済みの「狼」のペンダントトップ。
下記は当店扱いの「猿(モンキー)」のペンダントトップ。
猿(モンキー)」は東洋では「神聖な動物」とされており、ルネサンス時代以降にインドやエジプトからヨーロッパへ連れてこられ、当時の宮廷で珍重されていました。
イギリスやフランスで特に19世紀後期以降、猿をモチーフにした指輪やブローチ、ペンダントなどが度々作られました。
猿のボディをダイヤモンドで埋め尽くしたものなど、贅を尽くした作りのものも多いです。
下記は数年前にクリスティーズに出展された猿のブローチ。
ローズカットダイヤモンドとオールドヨーロピアンカットがパヴェセッティングされ、目にはピンクサファイヤが入っています。
1890年頃のフランス製。
(c) CHRISTIE'S 2017
下記はウサギをモチーフにしたチャームです。
下記は猫をモチーフにしたブローチです。
1950年前後は、肉厚のゴールドを用いた、旧来のアンティークジュエリーで描かれた動物とは一線を画す、とても明るいテイストのジュエリーが特にグランメゾンを中心に製作されました。
その中でもアイコン的な存在なのが、ヴァンクリーフアーペル社による猫やパンテールのジュエリーです。
下記は1950年代に製作されたヴァンクリーフアーペル社の猫のブローチで数年前にササビーズに出展されたジュエリーです。
目にはエメラルド、鼻にルビー、腹部にカボションカットされたオニキス。
この時代のこうした小動物のジュエリーは、鮮やかなイエローゴールドと宝石がしっかり使われているところがポイントです。
(c) Sotherby's
下記はまた鴨(かも)をモチーフにした指輪です。
一見蛇のように見えるのですが、鴨であるあたりがまた面白くフランスらしいです。
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