ちょっと珍しいアンティークジュエリーです。
縞模様の入った茶色の美しい宝石は、カルセドニーです。
アゲートは鉱物的にはカルセドニーですが、「縞模様のあるものアゲート」「縞模様のない均一の色のものをカルセドニー」と呼んでいます。
この石の場合しっかり縞模様が入っていますので、アゲートになります。
明るい色でありながら落ち着きのあるブラウンカラー。
縞模様の部分は白を含んだ色であるため、落ち着きながらも明るい色彩です。
縞模様の色が段階的に変化し、美しいグラデーションを見せてくれます。
自然の産物であるだけに、このような微妙な色のグラデーションはまさに自然が生んだ奇跡です。
貴重なハートシェイプ
全体の形はハート型。
もちろんハートの形に研磨しているのでこのような形になっているのですが、ハートの丸みも含めて丁度良いアゲートの宝石を見つけるのは至難の業です。
もともと縞模様の入ったこのような美しいアゲートがあり、その素晴らしいグラデーションにふさわしいデザインを考えた結果、このようなハートシェイプに研磨したのだと思います。
自然の産物であるだけに左右対称のシンメトリーではありませんが、全体で見た時はバランスもとれています。
真ん中部分が膨らみを帯びていて、そのシェイプもフランスらしい洗練されたシェイプになっています。
ハートの上部に穴があけられていて、そこにゴールドの輪っかを通すことでペンダントにされています。
宝石の枠組み、台座などがなく貴重なアゲートが遮りなく堪能できます。
推定、1900年頃のフランス製。
18カラットゴールド。
注:チェーンは付いていません。
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アゲートもカルセドニーも同じ、玉髄類(ぎょくずいるい)のグループに属す宝石です。
アゲート(メノウ)について
アゲートは「玉髄類」のグループで縞模様のあるものを指します。
古代から愛用されてきた宝石でアンティークジュエリーの中では特にストーンカメオの素材として有名です。
日本でも古くから宝飾品に使われてきましたが、ドイツ、ブラジル、チェコのボヘミア地方などのもアゲートの産地として知られています。
日本語では瑪瑙(メノウ)とも呼ばれます。
日本語の瑪瑙という名前は、石の概観が馬の脳に似ていることからつけられたそうです。
一方英語のAgate(フランス語でもAgate)は、イタリアのシチリア島の同名の川でこの石がとられていたことに由来するそうです。
水晶と同様、「石英」と呼ばれる鉱物の一種です。
微小な水晶の結晶体であるアゲートは、水晶と違って半透明です。
アゲートのピクチャードストーン
アンティークジュエリーでは、天然のアゲートの結晶を活かしたジュエリーを見ることがあります。
結晶が風景のようにも見えることから別名「ピクチャードストーン(ピクチャーストーン)」とも言われます。
風景や植物のように見える結晶を活かしたジュエリーです。
下記は当店で過去に販売しましたモスアゲートの18世紀のピクチャードストーンの指輪。
下記もやはりアゲートの結晶を活かしたペンダントです。
カルセドニー
鉱物的にはアゲートと同じですが、
縞模様のあるもの:アゲート
縞模様のない均一の色のもの:カルセドニー
としています。
下記は当店扱いのグリーンカルセドニーが用いられたロケットペンダントです。
色のバラエティも豊富でブルー、ホワイト、グリーン、ブラックなどが存在します。
カーネリアンとは
カーネリアンという呼称を聞かれたことのある方も多いでしょう。
カーネリアン(carnelian)はカルセドニーの一種です。
カーネリアンの中で赤色や橙色をしており、網目模様がないものを指します。
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