香水を入れる、ロマンチックなヴィネグレットボトル
19世紀初頭と古い時代に遡るフランスのジュエリーです。
細かくファセットのつけられたクリスタルガラス。
当時のガラスなので鉛を多分に含んでいるのでしょう、重厚感のある堅牢な厚みのあるクリスタルガラスです。
長い年月を経ているので多少の摩耗はあるものの、これだけ良い状態で残っているのはクリスタルガラスそのもに強さがあるからです。
美しく装飾されたゴールドの蓋は回して開けることができ、ボトルになっています。
この中に香水を入れて持ち歩けるように作られた、パフュームボトルペンダントです。
ヴィネグレットは香水をしみこませた布を入れるためのジュエリーですが、こちらは香水そのものを入れることが出来ます。
香水関係のジュエリーは、数が少ないのにコレクターが多いので見つけることが難しいです。
しかもこのようなボトルタイプのものはとても珍しいです。
蓋を見るといかに贅を尽くしたジュエリーかが分かります
全体がクリスタルガラスで出来ており、蓋とその上のペンダント通しのみがゴールドでできています。
おとぎ話に出てくる壺のような愛らしい形です。
小さな曲線の面積の中に、粒金やストライプ模様の金細工が施されています。
作りも素晴らしく、今でも蓋できっちり開け閉めができることに感動します。
格別古い時代の刻印が入っているのもみろく的です。
フランスのアンティークジュエリーで、18カラットゴールドに押されていることが多い「鷲の頭」より古い時代のジュエリーに押されるcoq(鶏)の刻印が入っています。
18カラットゴールド。
19世紀初頭のフランス製。
注:チェーンは付いていません。
動画も撮影しています。
アンティークパフュームボトルペンダント(クリスタルとゴールド)
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ヴィネグレットとは、中の布の部分に、ヴィネグレット(気付け薬)を入れるジュエリーです。
ヴィネグレットはフランス語で「Vinaigrette」で、日常的にこの単語は「酢(す)」を意味するのですが、ジュエリー用語においては「気付け薬入れを入れるために作られたアンティークジュエリー」を意味します。
当時はコルセットにより気を失うことが多かった女性が、意中の人の目を引く為に卒倒する仕草をして、側にいた男性がヴィネグレット(気付け薬入れ)を使って快方しました。
こうしたヴィネグレットロケットの中に気付け薬をしみこませたガーゼなどを忍ばせていました。
そして恋が育まれます(本当に具合が悪かったというより、両者とも暗黙の了解で芝居を楽しんでいます)。
19世紀の貴族ならではの遊び心から生まれたジュエリーです。
下記は当店扱いの19世紀のヴィングレットペンダントです。
下記はイギリス製の銀製のヴィネグレットです。
ヴィネグレットは19世紀初期-中期に上流階級社会でのみ流行した物なのです。
そのためアンティークジュエリーにおいてもその知名度のわりに、数はとても少ないジュエリーです。
貴族のためだけに作られたものであるため、アンティークジュエリーにおいても例外なく造りが良く、特に内蓋など透かしが魅力的なものが多いです。
下記はマザーオブパールを用いたヴィネグレット(気付け薬入れ)です。
蓋が2重に開くようになっています。
同じく香水関係で、ヴィネグレットではないボトルタイプのジュエリーも作られました。
下記は中に香水を入れて楽しむためのパフュームボトルペンダントです。
19世紀初頭のフランス製です。
こちらも香水を中に入れるパフュームボトルです。
エナメルが施されています。
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