珍しいフローラル(蛍石)を用いたアンティークジュエリー
美しいエメラルドグリーンの透明石。
一体何の宝石だと思いますか?
フランスで馴染みのディーラーさんも仕入れたばかりで頭を抱えており、何かしらの天然宝石であることは内包物から間違いなさそうなので思い切って仕入れてきました。
「フローライト(蛍石)」という宝石です。
とても珍しい宝石です。
緑を帯びた海のような水色が幻想的です
この石を最初に見たとき「アクアマリンかな?」と思いました。
海を思わせる、エメラルドグリーン。
とろっとしながらも透明感のある、見たこともないような美しい色です。
和名で「蛍石」という名前がつけられているのも腑に落ちます。
その類まれな宝石の美しさを活かして、宝石を全方位から眺めることができるセッティングになっています。
フローライト(蛍石)の中心部に穴を貫通し芯棒を通し、上下でゴールドのビスで留めています。
堅牢な作りで、重さのあるフローライトを安心して使うことができます。
天然の宝石らしく、左右非対称のとても個性的な形状のフローライト。
左右等のバランスをとって芯棒を通すことは難しかったと思いますが、バランスよく着けることができます。
18カラットゴールド。
1900-1930年頃のフランス製。
注:チェーンは付いていません。
動画も撮影しています。
フローライト(蛍石)のペンダントトップ(ボール状)
小さな写真をクリックすると大きな写真が切り替わります。
唐突ですが、宝石の価値っていったい何でしょうか?
昔からダイヤモンドやサファイアなどの宝石は、多くの人を惹き付けてけてきた魅力があります。
その一つの基準は、宝石は「希少価値」があるから貴重といえます。
しかし多くの人間がその価値を理解して、それを手に入れる手段を手に入れ始めるのとすればするほど、上質の宝石は枯渇が進んでしまうのです。
現在ではほとんどの宝石は、天然のままではなく、加熱処理や放射線を当てるなどの人工処理が施されています。
「天然宝石」と唄っていながら、天然のままの状態の宝石はとても少ないです。
アンティークジュエリーに使われている石は、まだ上質の石が豊富にあった時代だけに、今のような高度な人工処理などする必要はありませんでした。
下記のピアスのガーネットは、カボションカットがなされていますね。
カボションカットとは宝石のカット法の一つで、紀元前からあるカット方法です。
石を丸い山形に整えて研磨し、光の反射ではなく石そのものの光沢、つやと美しさを活かすカット技法です。
多数の面をカットしたファセットカットにはない、アンティークジュエリーならではの魅力があります。
語源ははラテン語の頭(カボ)からきています、
翡翠などの半透明な宝石やトルコ石などの不透明な宝石に施すことが多いですが、透明な石に対してもスター効果、遊色効果、などの光学的効果を求めて施されることがあります。
下記は当店で販売済みの翡翠の指輪で、やはり翡翠はカボションカットにされています。
オパールは半透明の遊色効果を持つ石ですので、カボションカットが好まれる代表的な宝石のひとつです。
下記はカボションカットされたオパールの指輪です。
光の反射に頼らない分、資質の良い宝石が必要になります。
アンティークジュエリーではブルーサファイアなどの透明石でカボションカットにされたものも数は少ないですが見つけることができます。
下記のリングでは、カボションカットされたアメジストが用いられています。
下記はエメラルドのカボションカットです。
下記は珍しいローズクォーツのカボションカットです。
カボションカットされた宝石はなるべく小さな爪でセットして、全方位から宝石を見ることができるようなセッティングが施されることが多いです。
しかしカボションに出来る宝石はそれが透明石であればなお更、きわめて質の良い宝石が必要になります。
現在では人口処理なしのままではまず不可能です。
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アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。