本の形をしたヴィネグレットペンダント
アンティークジュエリーでもコレクターの多い「ヴィネグレット」と呼ばれるペンダントです。
当時、意中の人の目を引く為に女性が卒倒する仕草をして、側にいた男性がヴィネグレット(気付け薬入れ)を使って快方しました。
ヴィネグレットは細工に長けたものが多く、その珍しいコンセプトと言いコレクター垂涎のアイテムですが、数は少なくなかなか出会えないアイテムです。
そんな中、イギリス製のヴィネグレットペンダントを入手しました。
このヴィネグレットの面白い点は、本の形になっている点です。
本を見開くと、透かしの入ったヴィネグレットが開くというサプライズ。
お洒落なパーティーアイテムにとどまることなく知性も感じさせる、イギリスらしいジュエリーです。
バーミンガム製、刻印も綺麗に残っています
フランスの刻印は、貴金属の種類やカラットぐらいしか分からないものがほとんどなのですが、イギリスのアンティークジュエリーはうまくいけば年代や作られた場所まである程度特定できるところが魅力です。
このペンダントはロケットを開いた本の左手と、蓋を開けた内側の2箇所に刻印が入っています。
バーミンガム製、工房T&P、1844年の製作であることが分かります。
ヴィネグレットという滅多に出会わない珍しいアイテムと、透かし、刻印、本のデザインと魅力が詰まったペンダント。
蓋部分の閉まりもよいのでロケットペンダントのようにして大事なものを収納していただくのにも向きます。
4ミリ程のものが入りそうですのでロケットとしては厚みもあります。
注:チェーンは付いていません。
動画も撮影しています。
イギリス製アンティークヴィネグレット(本、1844年 バーミンガム)
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ヴィネグレットとは、中の布の部分に、ヴィネグレット(気付け薬)を入れるジュエリーです。
ヴィネグレットはフランス語で「Vinaigrette」で、日常的にこの単語は「酢(す)」を意味するのですが、ジュエリー用語においては「気付け薬入れを入れるために作られたアンティークジュエリー」を意味します。
当時はコルセットにより気を失うことが多かった女性が、意中の人の目を引く為に卒倒する仕草をして、側にいた男性がヴィネグレット(気付け薬入れ)を使って快方しました。
こうしたヴィネグレットロケットの中に気付け薬をしみこませたガーゼなどを忍ばせていました。
そして恋が育まれます(本当に具合が悪かったというより、両者とも暗黙の了解で芝居を楽しんでいます)。
19世紀の貴族ならではの遊び心から生まれたジュエリーです。
下記は当店扱いの19世紀のヴィングレットペンダントです。
下記はイギリス製の銀製のヴィネグレットです。
ヴィネグレットは19世紀初期-中期に上流階級社会でのみ流行した物なのです。
そのためアンティークジュエリーにおいてもその知名度のわりに、数はとても少ないジュエリーです。
貴族のためだけに作られたものであるため、アンティークジュエリーにおいても例外なく造りが良く、特に内蓋など透かしが魅力的なものが多いです。
下記はマザーオブパールを用いたヴィネグレット(気付け薬入れ)です。
蓋が2重に開くようになっています。
同じく香水関係で、ヴィネグレットではないボトルタイプのジュエリーも作られました。
下記は中に香水を入れて楽しむためのパフュームボトルペンダントです。
19世紀初頭のフランス製です。
こちらも香水を中に入れるパフュームボトルです。
エナメルが施されています。
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