オールドヨーロピアンカットとローズカットの競演
ダイヤモンド尽くしのペンダント。
真ん中の直径4.5ミリほどの大粒のダイヤモンドはオールドヨーロピアンカットにされています。
そしてそれ以外のすべてのダイヤモンドがローズカットにされています。
「オールドヨーロピアンカットxローズカット」、2種類のアンティークダイヤモンドのカッティングを一度に楽しめるペンダントです。
デザインはアールデコらしい、ジオメトリックな幾何学模様。
真ん中の雫のように垂れるドロップを、六角形の外枠で囲んでいます。
ジオメトリックなシルエットはペンダント通しの部分も続いています。
六角形のフレームというのは、アンティークジュエリーでもあまり見かけないオリジナリティのあるデザインです。
この部分とペンダント通しには、ローズカットダイヤモンドが埋め込まれるように深くセットされていて、さながらダイヤモンドのタペストリーのようです。
いずれのダイヤモンドもクオリティが高く、脇石のダイヤモンドも粒が大きい、贅を尽くしたダイヤモンドのジュエリーです。
ゴールドバックプラチナ
アールデコ期の一流のセッティングと細工も魅力的です。
全体はホワイトゴールドバックで、表面がプラチナになっています。
イエローゴールドバックのプラチナは1910年頃のエドワーディアン(フランスで言うところ述べるエポック時代)のジュエリーで比較的よく見られますが、白い金属同士であるホワイトゴールドとプラチナの組み合わせは珍しいです。
1930年頃、ホワイトジュエリーが流行したころの良質な作品です。
ペンダントの側面にフランス18金の刻印とプラチナの刻印の両方が押されています。
六角形の枠の内側と外側、ペンダント通しの側面にはレースのようなプラチナワークとミルグレインが広がります。
ジオメトリックなクールなアールデコのデザインと、レースのように繊細なプラチナワークの両方が堪能できるペンダントです。
1920-1930年頃のフランス製。
注:チェーンは付いていません。
動画も撮影しています。
オールドヨーロピアンカットダイヤモンド ペンダントトップ
小さな写真をクリックすると大きな写真が切り替わります。
オールドヨーロピアンカットとは、現在のブリリアンカットの原型と言われるカッティングです。
そのカッティングの特徴はアウトラインが丸く、原則的にシンメトリーでテーブルは八角形で小さめです。
オールドマインカットと同様、、ブリリアンカットに比べてテーブル(上部の平らな部分)が小さく、それに続く斜めの部分(クラウン)に厚みがあるのが特徴です。
オールドマインカットとオールドヨーロピアンカットの違いは、オールドヨーロピアンカットの方が円形でよりシンメトリーであること。
クラウンはオールドマインカットよりは浅くなり、テーブルもオールドマインカットよりは大きくなります。
しかし現代のブリリアンカットと比べますと、オールドヨーロピアンカットもクラウンが高くガードルが厚いです。
キューレットもオールドマインカット同様、大きいです。
逆に言いますと現代のブリリアンカットは、クラウンが更に浅くなりアッパーパビリオンが短くなり、テーブル面が大きくなったと言えます。
クラウンに高さがありガードル面積が大きいのでダイナミックなシンチレーションが出るのが、オールドヨーロピアンカットならではの魅力です。
下記は当店扱いのオールドヨーロピアンカットダイヤモンドのクローバーリング。
燦々と煌き、大きさ以上の迫力が出ています。
アンティークのダイヤモンドがさまざまな角度から見たときの煌きに驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ブリリアントカットは数学的に計算されたカットなので、正面から静止して見る分には美しいのですが、ジュエリーは身に着けると当然動きます。
動いたときの美しい輝きという意味でもやはり、オールドヨーロピアンカットに軍配があがります。
オールドヨーロピアンカットはオールドマインカットと同様、正面から見たときに石の中心が穴が開いているように見えます。
もちろん穴があいているわけではなく、キューレットを削り落とすカッティングであったため正面から見るとそう見えます。
オールドヨーロピアンカットより前に出てくるカッティングにオールドマインカット(クッションシェイプカット)については、アンティークダイヤモンドのカットクッションシェイプ(オールドマインカット)ダイヤモンドとはとはをご参照ください。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。