真珠ではなくパートドヴェールです
ニュアンスのある美しいシルバーチェーン。
数か所にセットされた白い石は、一見真珠のように見えますがパートドヴェール(吹きガラス)です。
吹きガラスは、「もっとも上質なフェイクパール」として敬意をこめて「ローマの真珠」と呼ばれることがあります。
製造も難しくアンティークジュエリーならではの技法です。
秀逸な吹きガラスのジュエリーは驚くほどの価格がつけられることもあります。
球体のパートドヴェールが用いられています。
合計8珠あり、1珠だけ取れてしまっていますのでご了承ください。
柔らかなハンドメイドの繊細なチェーン
細身で明らかにハンドメイドであることが分かるチェーンも見どころです。
触れると柔らかい、繊細な編みのチェーンです。
楕円パーツを方向を違えながら編み込んだジャズロン編みです。
銀製のチェーンはもっと重さのある太めのチェーンが多いですが、細身で繊細なところが魅力です。
素肌の上にきれいに着けて頂けるタイプのチェーンです。
長さは42.5センチ。
19世紀後期の推定フランス製。
銀製。
動画は下記をクリックしてご覧ください。
アンティークシルバーチェーン(吹きガラス)
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ガラスは最も古い「宝石」のひとつです。
古くは紀元前3000年前のメソポタミアとコーカサスの遺跡から発見されています。
いわゆる貴石の代役としての役割も、少なくとも紀元前1500年前のエジプト文明の頃には既に確立されていました。
中世、カラーガラスは主に宗教的な目的に用いられました。
例えば聖骨箱や聖書に飾られました。
非宗教的な用途としては、例外的に子供のジュエリー、そして葬儀用のジュエリーにも使われました。
吹きガラスとは、ガラス工芸の技術のひとつで、高温溶融されたガラスを、吹き竿に巻き取って、息を吹き込んで成形するガラス工芸技法のことです。
その起源は紀元前1世紀まで遡ります。
東地中海沿岸のフェニキア人が発明しました。
吹きガラス製法は古代ローマの時代からほとんど変わっていません。
イギリスやフランスでは18世紀に、ロココスタイルの仕上げとして登場した吹きガラスが登場します。
「もっとも上質なフェイクパール」として敬意をこめて「ローマの真珠」と呼ばれることがあります。
下記は当店扱いの吹きガラスのイヤリング。
艶があり上質のパールに見まごいます。
下記は海外資料より抜粋。
「18世紀ロココ様式の吹きガラスのピアス」です。
吹きガラスの表面に、魚の鱗から取った光沢材をコーティングして、独特の光沢を出したそうです。
そしてこの吹きガラス技法が再び脚光を浴びるのが、19世紀末になってからです。
この時代、アールヌーボーの作家など数多くの宝飾家が再び「ガラス」とという素材に注目をして、ガラス素材の高級ジュエリーを生み出します。
アールヌーヴォージュエリーは、素材の本質的な価値ではなく、芸術的、デザイン的な視点にたった素材選びを行いました。
以前はハイジュエリーには用いられることのなかったガラスを加工して、ガラスならではの繊細なニュアンスの色を体現。
えもいわれぬ美しいガラスジュエリーの数々がこの時代、作り出されました。
そして20世紀初頭には、著名なガラス工芸家のルネラリックが、吹きガラス技法を駆使して、数々の香水ビンを作り伝説となります。
アンティークのガラスジュエリー「ムラノガラス」
アンティークのガラスジュエリー「サフィレット(Saphiret)とボヘミアの変色ガラス」
アンティークのガラスジュエリー 「ペーストジュエリー(鉛ガラス)、ストラス、アランソンのダイヤモンド」
アンティークのガラスジュエリー「ブリストルグラス」
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