マザーオブパールで出来たヴィネグレット
非常に珍しいアンティークジュエリーです。
ロケットのように見えますが、香りを忍び込ませるために作られたヴィネグレットです。
中にヴィネグレット(気付け薬)を垂らした布を入れて、香りをかぐわせるために作られた当時の貴婦人のためのアイテムです。
ヴィネグレット自体、アンティークジュエリーで滅多に出てこないものなのですが、このヴィネグレット(気付け薬入れ)は何とマザーオブパールで出来ているのです。
白い部分全体がマザーオブパール(真珠母貝)です。
白蝶貝のマザーオブパールです。
二重に開くヴィネグレット入れ
非常に精巧な作りです。
開け方はまず裏面から横向きにフレームを開きます。
そしてそれから香りを通すための穴の開いた蓋を、下から上へと開くことですべてを開くことができます。
閉じる時は反対の順序で行います。
これだけデリケートな作りでありながら、今もきっちり両方の扉をしっかりと開閉することができます。
ナポレオン1世(第一帝政)期のジュエリーです。
非常に古い時代にしか用いられなかった雄鶏(おんどり)の刻印が押されているのは、希少です。
18カラットゴールド。
注:チェーンは付いていません。
動画も撮影しています。
マザーオブパール アンティークヴィネグレット(気付け薬入れ)
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ヴィネグレットとは、中の布の部分に、ヴィネグレット(気付け薬)を入れるジュエリーです。
ヴィネグレットはフランス語で「Vinaigrette」で、日常的にこの単語は「酢(す)」を意味するのですが、ジュエリー用語においては「気付け薬入れを入れるために作られたアンティークジュエリー」を意味します。
当時はコルセットにより気を失うことが多かった女性が、意中の人の目を引く為に卒倒する仕草をして、側にいた男性がヴィネグレット(気付け薬入れ)を使って快方しました。
こうしたヴィネグレットロケットの中に気付け薬をしみこませたガーゼなどを忍ばせていました。
そして恋が育まれます(本当に具合が悪かったというより、両者とも暗黙の了解で芝居を楽しんでいます)。
19世紀の貴族ならではの遊び心から生まれたジュエリーです。
下記は当店扱いの19世紀のヴィングレットペンダントです。
下記はイギリス製の銀製のヴィネグレットです。
ヴィネグレットは19世紀初期-中期に上流階級社会でのみ流行した物なのです。
そのためアンティークジュエリーにおいてもその知名度のわりに、数はとても少ないジュエリーです。
貴族のためだけに作られたものであるため、アンティークジュエリーにおいても例外なく造りが良く、特に内蓋など透かしが魅力的なものが多いです。
下記はマザーオブパールを用いたヴィネグレット(気付け薬入れ)です。
蓋が2重に開くようになっています。
同じく香水関係で、ヴィネグレットではないボトルタイプのジュエリーも作られました。
下記は中に香水を入れて楽しむためのパフュームボトルペンダントです。
19世紀初頭のフランス製です。
こちらも香水を中に入れるパフュームボトルです。
エナメルが施されています。
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