希少な香水関係のアンティークジュエリー
ヴィネグレット及びパフュームボトルのアンティークジュエリーは、いかにも貴族的な習慣から生まれた趣きのあるアンティークジュエリーです。
知名度が高いためにアンティークジュエリーの文献などでよく引用されていますが、限定された用途で作られたジュエリー。
実際に市場で見つけることのできる「香り関係のアンティークジュエリー」は驚くほど少ないです。
こちらは中に香水を入れるパフュームボトルタイプのアンティークジュエリーです。
蓋は今もスムーズに開けることのできて、その時にパチっと気持ちの良い音をたててくれます。
そして開いたところでがたつきもなくきっちり固定してくれるところも素晴らしいです。
両面に施されたエナメル
表裏の両面にエナメルが施されています。
両方とも「狩り(ハンティング)」をテーマにした絵柄です。
多色のエナメルはまるで絵画を見ているようです。
絵柄部分の上には緑色の、下にはいわゆるオレンジを帯びた赤系色のエナメルが施されていて、この部分はギロシェエナメルになっています。
蓋部分はフランスのエナメル彩画で特によく見る、鮮やかなブルーのエナメルが施されています。
蓋部分のエナメルに僅かにエナメルが剥げてしまっている箇所があります(4番目のお写真をご参考ください)。
全体は18カラットゴールドでできていて、丸みを帯びたパフュームボトルに縁取りや彫金が施されています。
やはりこうした香り関係のアンティークジュエリーは、貴族のためだけに作られたものだけあって作りの良い作品が多いです。
チェーン通しもついているのでこのままチェーンを通してペンダントのように使えます。
注:チェーンは付いていません。
19世紀後期のフランス製。
小さな写真をクリックすると大きな写真が切り替わります。
ヴィネグレットとは、中の布の部分に、ヴィネグレット(気付け薬)を入れるジュエリーです。
ヴィネグレットはフランス語で「Vinaigrette」で、日常的にこの単語は「酢(す)」を意味するのですが、ジュエリー用語においては「気付け薬入れを入れるために作られたアンティークジュエリー」を意味します。
当時はコルセットにより気を失うことが多かった女性が、意中の人の目を引く為に卒倒する仕草をして、側にいた男性がヴィネグレット(気付け薬入れ)を使って快方しました。
こうしたヴィネグレットロケットの中に気付け薬をしみこませたガーゼなどを忍ばせていました。
そして恋が育まれます(本当に具合が悪かったというより、両者とも暗黙の了解で芝居を楽しんでいます)。
19世紀の貴族ならではの遊び心から生まれたジュエリーです。
下記は当店扱いの19世紀のヴィングレットペンダントです。
下記はイギリス製の銀製のヴィネグレットです。
ヴィネグレットは19世紀初期-中期に上流階級社会でのみ流行した物なのです。
そのためアンティークジュエリーにおいてもその知名度のわりに、数はとても少ないジュエリーです。
貴族のためだけに作られたものであるため、アンティークジュエリーにおいても例外なく造りが良く、特に内蓋など透かしが魅力的なものが多いです。
下記はマザーオブパールを用いたヴィネグレット(気付け薬入れ)です。
蓋が2重に開くようになっています。
同じく香水関係で、ヴィネグレットではないボトルタイプのジュエリーも作られました。
下記は中に香水を入れて楽しむためのパフュームボトルペンダントです。
19世紀初頭のフランス製です。
こちらも香水を中に入れるパフュームボトルです。
エナメルが施されています。
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シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。