何とテニスラケットがモチーフのペンダント
魅力的なアンティークジュエリーの一つに、一風変わったモチーフをテーマにしたチャームペンダントがあります。
これまで(人の)手や花や動物、靴、笛など様々なチャームペンダントを扱ってきましたが、テニスラケットのチャームペンダントは初めて入手します。
「テニス」のヨーロッパでの歴史は実はとても古いです。
複数の人間が1つの球を互いに打ち合うという形式の球技の起源は、紀元前にまで遡ることができ、本格的なテニスの前身は16世紀以降。
特に貴族の中で本格的に流行するのは、18世紀から19世紀にかけてで、あの有名なウィンブルドンテニスは19世紀後期に始まっています。
このペンダントが製作されたのは19世紀後期の頃のフランスです。
チャームペンダントの中でも珍しいモチーフのものは、プレミアがつきます。
金細工でネット、真珠がボール
地金はすべて18カラットゴールドと、贅を尽くしたテニスラケット。
特に見どころなのがラケットのネット部分です。
ゴールドのメッシュ編みになっています。
ラケットの内側に、このような形でゴールドのメッシュを施すことは難しく、どのようにして製作したのでしょう。
ボールはなんと真珠。
ラケットの裏面からゴールドの針を突き刺して留めています。
テニスボールだと思うとすぐにどこかに行ってしまいそうなイメージがありますが、こちらのペンダントでは取れにくいのでご安心を。
このようなミニチュアの手の凝ったチャームはアンティークジュエリーの十八番です。
テニス好きな方に、これ以上のプレゼントはございません。
注:チェーンは付いていません。
小さな写真をクリックすると大きな写真が切り替わります。
チャーム(charm)とは腕輪・鎖などにつけて身につける飾りものを指します。
ラテン語の「歌(carmen)」から派生した言葉でフランス語ではシャルムと言います。
チャームという英語の意味は簡単なようで分かりづらいですが、
「人を喜ばせる、魅了するものや資質」、「ネックレスやブレスレットについいている小さな飾り」、「魔法の力が宿ると信じられている物や行動」といった意味があります。
ジュエリーの用語として使うときは、しあわせを叶えてくれそうな魔法の力を持ったお守りのような装身具、といった意味合いになります。
アンティークジュエリーでは実に様々な魅力的なチャームが作られました。
チャームはそれだけでペンダントになったり、 ブレスレットから吊り下げるてチャームブレスレットになったり、小さなチャームが指輪についた「チャームリング」と呼ばれるものも存在します。
細工に長けたアンティークジュエリーではチャームも実に凝った、多用なデザインのものが作られました。
順番に見ていくことにしましょう。
まずは動物編。
ウサギ。
猿。
定番のモチーフとしてハートのチャーム。
やはり定番の球体のボール。
花や葉もチャームのモチーフとして好まれました。
下記は薔薇のチャーム。
変わったものとしては、実用性も兼ねた笛。
金細工を駆使したものが多いですが、下記はエナメルも秀逸な「手」のチャーム。
小さすぎて履けませんが、見事にリアルな靴。
チャームをブレスレットに垂らしたスタイルも流行します。
下記は1960年代のシャネルのチャームブレスレット。
様々なチャームの連なったブレスレット。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。