永遠に色褪せることのない薔薇
1880-1900年頃のフランス製。
古今東西を問わず、女性が最も贈られたいと願い花、薔薇。
普通の薔薇はいつかは枯れてしまいますが、「永遠の愛」の証だったののでしょうか
永遠に色褪せないゴールドででてきた薔薇のペンダントトップです。
幅1センチ程度の小さな面積の中に、ものすごく造形的に薔薇が作られています。
重さも1グラムに満たない、ものすごく繊細なジュエリー。
この小ささと繊細さが、日本女性の華奢さをより引き立ててくれるでしょう。
柔らかそうな花びらを、硬いゴールドで表現
特に薔薇の花びら部分が素晴らしいです。
あまりによくできているので触ったら柔らかいのではと思うほどです。
幾重もの花びらが中心に向かって密になっていく、その様は現在のドライフラワーなんかよりよほどリアルです。
地金は18Kゴールド。
注:チェーンは付いていません。
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花を主体にしたジュエリー
お花をモチーフにしたジュエリーは1820-30年頃から多く作られ始め(それ以前にも見られますが)、19世紀中ごろにその全盛を迎えます。
お花をモチーフにしたジュエリーが当時なぜそれほどまで流行したかというその理由については。
1)純粋にそのデザインが可愛かったこと
2)お花モチーフのジュエリーは身につけやすいジュエリーでもあったこと
3)ヨーロッパの王室貴族の間でガーデニングが同時期に流行したため
と言われています。
この頃にガーデニングに良く使われた花はパンジー、薔薇、フクシア、キク、ダーリア。
これらはつまるところ、アンティークジュエリーの花のモチーフにしばしばされた花です。
ユージェニーとフラワーモチーフのジュエリー
フランスでもこの影響を受け、19世紀後半には多くのお花をモチーフにしたジュエリーが作られます。
特にナポレオンの妻、ユージェニーが特に花をモチーフにしたジュエリーを好みました。
どんなお花がモチーフになったかと言いますと、「薔薇(しあわせな愛)」、そして「忘れな草」。
その他、「エーデルワイス」「ハイビスカス」「プルメリア」「パンジー」「オークの葉と実」「マーガレット(忠実な愛)」「プルメリア」「チューリップ」「ダーリア」「百合(花束で表現されることも多いです)」「すずらん」「アイリス」「デイジー(片思いの愛)」等々。
センチメンタルな忘れな草、フラワーバスケット(花籠)のジュエリーなども比較的よく見られます。
イギリスでは、イングランドのバラ、スコットランドのアザミ、アイルランドのシャムロック(クローバー)が度々、ジュエリーのモチーフにされてきました。
薔薇のアンティークジュエリー
フランスのアンティークジュエリーで薔薇ほど、ジュエリーのモチーフとして愛された花はないでしょう。
特にアールヌーヴォー期には、薔薇の花びらや蕾を細やかな金細工で装飾した、それは美しいゴールドネックレスが次々に作られました。
アールヌーヴォーの薔薇のネックレスは実に様々な金細工が駆使されました。
彫金を中心に仕上げたもの、レポゼで全体の形を作っているもの、フィリグリーが施されたもの等々。
1種類の金細工だけでなく、一つのネックレスに数種類の金細工が用いられているものも多いです。
そのネックレスが取った金細工手法により、一見同じように見えるネックレスの重量もまったく異なるところも面白いです。
金細工の最盛期であったということもあり、バラの花びらの立体感を生き生きと表現した作品が見られます。
下記は薔薇をモチーフにしたアールヌーボー期のロケットペンダント。
薔薇の種類
薔薇には実は2種類あるそうです、オールドローズとモダンローズです。
1867年以前の薔薇をオールドローズと呼ぶそうです。
19世紀末の時代に描かれたバラは、オールドローズだったのでしょうか、モダンローズだったのでしょうか。
かの王妃マリー・アントワネットも薔薇の愛好家であったことはあまりに有名な話ですね。
バラは長いフランスの宝飾史の中で、多くのジュエラーにインスピレーションを与えてきた花です。
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