カボションカットブルーサファイヤ
コーンフラワーブルー(矢車草の花の青色)の色のサファイヤ。
直径3ミリ程とそこまで大きくはありませんが、典型的なセイロン産サファイヤの色です。
セイロン産サファイヤは、アンティークサファイヤの中でもカシミールサファイアに次いで希少です。
サファイヤはカボションカットにされています。
エピソード欄にも書きましたが、多数のカット面で光の反射に頼らない分、資質の良い宝石が必要になります。
左右はダイヤモンド。
ブルーサファイヤもダイヤモンドもコレットセットと言って、筒状にセットされています。
爪がなくどこを触れても丸みがあり、使いやすいリングです。
オランダ製のアンティークリング
英仏に次いで最も多くのアンティークジュエリーを輩出したのは、おそらくオランダです。
オランダはダイヤモンド製造の中継地でもあり、特にダイヤモンドのジュエリーが19世紀多く作られました。
こちらのリングは内側にしっかりとオランダ製の刻印があります。
「584」は千分率で14カラットゴールドを意味します。
オランダのアンティークジュエリーではゴールドは一般的に14カラットで作られました。
(フランスは時代を問わず基本的に18カラット。イギリスは時代により9カラット、15カラット、18カラットと国によって用いられるゴールドのカラットが異なりました)。
工房印までしっかり入っているのは希少です。
20世紀初頭のオランダ製。
14カラットゴールド。
指輪サイズは14.5号(有料でサイズ直し可)。
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唐突ですが、宝石の価値っていったい何でしょうか?
昔からダイヤモンドやサファイアなどの宝石は、多くの人を惹き付けてけてきた魅力があります。
その一つの基準は、宝石は「希少価値」があるから貴重といえます。
しかし多くの人間がその価値を理解して、それを手に入れる手段を手に入れ始めるのとすればするほど、上質の宝石は枯渇が進んでしまうのです。
現在ではほとんどの宝石は、天然のままではなく、加熱処理や放射線を当てるなどの人工処理が施されています。
「天然宝石」と唄っていながら、天然のままの状態の宝石はとても少ないです。
アンティークジュエリーに使われている石は、まだ上質の石が豊富にあった時代だけに、今のような高度な人工処理などする必要はありませんでした。
下記のピアスのガーネットは、カボションカットがなされていますね。
カボションカットとは宝石のカット法の一つで、紀元前からあるカット方法です。
石を丸い山形に整えて研磨し、光の反射ではなく石そのものの光沢、つやと美しさを活かすカット技法です。
多数の面をカットしたファセットカットにはない、アンティークジュエリーならではの魅力があります。
語源ははラテン語の頭(カボ)からきています、
翡翠などの半透明な宝石やトルコ石などの不透明な宝石に施すことが多いですが、透明な石に対してもスター効果、遊色効果、などの光学的効果を求めて施されることがあります。
下記は当店で販売済みの翡翠の指輪で、やはり翡翠はカボションカットにされています。
オパールは半透明の遊色効果を持つ石ですので、カボションカットが好まれる代表的な宝石のひとつです。
下記はカボションカットされたオパールの指輪です。
光の反射に頼らない分、資質の良い宝石が必要になります。
アンティークジュエリーではブルーサファイアなどの透明石でカボションカットにされたものも数は少ないですが見つけることができます。
下記のリングでは、カボションカットされたアメジストが用いられています。
下記はエメラルドのカボションカットです。
下記は珍しいローズクォーツのカボションカットです。
カボションカットされた宝石はなるべく小さな爪でセットして、全方位から宝石を見ることができるようなセッティングが施されることが多いです。
しかしカボションに出来る宝石はそれが透明石であればなお更、きわめて質の良い宝石が必要になります。
現在では人口処理なしのままではまず不可能です。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。