永遠のエレガンス、シュバリエリング
アンティークジュエリーと言いますと、お花などをモチーフにした比較的フェミニンな可愛らしいシルエットの指輪(ジュエリー)を思い浮かべる方も多いかもしれません。
ですがシュバリエリングの起源は、男性のリングでした。
社会的階層を示す存在であったシュバリエリング。
その後、より装飾品としての面を持つ女性のシュバリエリングも作られるようになります。
しかし女性用に作られたシュバリエリングもその名の通り「騎士的」です。
どこかマニッシュな雰囲気が残うシュバリエリングは、現代の活発な女性像にもよく合います。
シェルシュミディとしては今後も女性がかっこよく着けることのできるアンティークシュバリエリングを力を入れてご紹介していきたいです。
刻まれたモノグラム
シュバリエリングは伝統的にイニシャルが刻まれることが多かったのですが、こちらのリングも例外でありません。
所有者のイニシャルであったと思われる「J」「C」「S」の三文字がモノグラムで刻まれています。
ショルダー部分には古代様式模様の彫金が見られますが、これは当時流行していた19世紀の古代様式の模倣です。
ゴールドの色も通常のハイカラットゴールドより純金に近い古代の金色に近いゴールド色です。
ベゼルの裏面に三角形のおそらくピラミッドの模様が描かれています。
推定:19世紀後期のおそらくイギリス製。
ハイカラットゴールド(15-18カラット)。
指輪サイズは10.5号(有料でサイズ直し可能)。
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シュバリエ(Chevalier)リングは、神秘的なアンティークリングです。
そのまま訳せば「騎士の指輪」という意味になります。
シュバリエリングはその名前が示す通り、元々は男性が着けるためのリングです。
その歴史は4000年前、古代エジプトにまで遡ります。
古代エジプトのシュバリエリングはゴールド(イエローゴールドのみ)で作られ、ベゼルにヒエログリフ文字が刻まれました。
現代では男性も結婚リングなど男性用のジュエリーは決して特別なものではありませんが、当時リングを身に着けるおとのできる男性は非常に限られた層の男性でした。
シュバリエリングは、その持ち主の社会的階層も示すジュエリーでした。
他のアンティークジュエリー以上にシュバリエリングが「強いシンボル」を象徴しているのはそのような経緯のためです。
シュバリエリングが宝飾史に再び現れるのはそのずいぶん先のこと、中世になってからです。
そして中世の後また表舞台から消えて、その後にまた着けられるようになるの18世紀になってからです。
18世紀になってからは、金細工が施されたりエナメルや宝石が用いられたよりファッショナブルなシュバリエリングが作られます。
この頃のシュバリエリングは、特定の社会階級の象徴としての意味を持つ場合もあれば、ただ単純に装飾品として用いられることもあります。
シュバリエリングのベゼルには家紋やイニシャルが彫られることが多かったです。
はこのリングのようにイニシャル(モノグラムで刻んだものが多く見られます)あるい紋章が刻まれたことが多いです。
また下記は馬蹄(ホースシュー)が宝石によって描かれたシュバリエリングです。
縁起の良いもの、幸運をもたらすものの象徴であったホースシューはやはりシュバリエリングで時々見られるモチーフです。
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