評価の高まる50年代ジュエリー
この指輪は当店で通常扱う指輪より後の時代、1950年代の作品です。
アンティークと言うよりヴィンテージと呼ぶべき時代のリングですが、この時代の一部のハイクラスのジュエリーは近年欧米で大変人気があり、近年は私も気に入ったものは仕入れるようにしています。
50年代のジュエリーは、1940年代に比べても更に大きくダイナミックに変化します。
地金としては1937年頃までフランスではホワイトのジュエリー(プラチナあるいはホワイトゴールド)が流行しますがそれ以降は肉厚のイエローゴールドが好まれます。
この指輪もその例に漏れずイエローゴールドを豊かに使った作品です。
19世紀ジュエリーでは肉厚なゴールドはつや消しなどが施されていたり古色での仕上げになっていることが多いですが、この時代のイエローゴールドは表面全体を鮮やかに磨き上げらたものが多いです。
デザインも簡略化されているものの、ジュエリー製作としては非常に手が込んでいて高い技術が見られるのが、この時代のジュエリーの魅力です。
カボションカットブルーサファイヤ
中心の青石はブルーサファイヤで、カボションカットにされています。
その両隣がダイヤモンド。
縦にメッシュがはいったイエローゴールドの地金を背景に、宝石は円形でセットされていて、その対比がユニークです。
手にするとずっしりと重く、通常のアンティーク指輪の2倍ほどの重みがあるのも実にこの時代らしいです。
大きく重厚に作られたフィフティーズのジュエリー。
身に着けた時に特別な存在感は、やはりこの時代特有のものです。
ボリュームがあり現代のお洋服との相性も抜群です。
指輪サイズは13号(有料でサイズダウンのみ可)。
スリットの入ったフレームのため、サイズアップはできません。
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どこまでが「アンティーク」でどこからが「ヴィンテージ」なのか?
アンティークやヴィンテージという言葉はよく耳にしますね。
ではどこまでを「アンティークジュエリー」と呼び、どこからを「ヴィンテージジュエリー」と呼ぶのでしょうか?
「アンティークは100年以上たったもの」という定説はありますが、今日ではジュエリーに関しては1930年代のアールデコまでを含んで「アンティークジュエリー」と呼ぶのが一般的です。
1930年代と言いますと厳密に言えば100年を経ていないですが、ジュエリーの素材や製造過程、デザインがその時代特有のものか、量産を目的としたジュエリーか否かがアンティークとヴィンテージを分けるひとつの基準で、それが1930年代で分かれると考えられています。
それでは1940年以降のジュエリーに価値がないかというとそういう訳ではありません。
特に1940年代のジュエリーには戦火の迫る中、その時代にしかない特徴的なデザインで高く評価されています。
下記は1940年代を代表する指輪デザイン「タンクリング」です。
1940年代というと、第二次世界大戦を思い浮かべる人が多いようです。
ですので40年代ジェエリーというと、「戦争中にジュエリーなんて作っていたのですか?」と質問をされることがあります。
40年代ジュエリー(フォーティーズスタイル)とは正確に言うと、1939-1943年当たりに作られたジュエリーを指します。
1940年代はリングで特に特徴的なジュエリーが作られましたが、ピアスも大ぶりで磨き上げられたゴールドが鮮やかな華やかな作品が作られました。
1940年代のカクテルジュエリーと戦後エステートジュエリーに関して更に詳しい情報は1940年代のカクテルジュエリーと戦後エステートジュエリーをご参照ください。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。