ロックに使えるドーム状のオパールのボンブリング
1920年頃、アールデコの時代のオパール指輪です。
ボンブリングは、1920年代にとても人気のあったデザインの指輪で、砲弾の頭部のような形から、ボンブリングという名前が付けられています。
ドームの形をした銀の台座にたくさんのオパールが散りばめられています。
アールデコらしい斬新なデザインの指輪です。
オパールのジュエリーは現在ではなぜか「おばさんっぽいデザイン」のジュエリーしかないですね。
しかしセンスの良いオパールジュエリーが見つかりやすい、アンティークジュエリーにおいてさえ、これほどモダンでかっこよくつけれるオパールのジュエリーは少ないもの。
いつの時代に作られたジュエリーでも本当に優れたものは、年月を経てもどこかモダンで新鮮な雰囲気があるもの。
この指輪は、とてもシェルシュミディらしい作品だと思います。
「オパールxマルカジットx銀」の異色の組み合わせ
オパールは中心の乳白のオパールが直径5ミリ強。
合計27個のオパールが使われていますが、それぞれの色が微妙に異なり、美しいグラデーションです。
石によってはかなり強い青色の遊色効果がでたり、緑色っぽい色が出ます。
外周にぎっしり敷き詰められたマルカジットは、そんな色とりどりのオパールの遊色を殺さず、落ち着いた雰囲気を出しています。
地金は銀。
指輪サイズは14号(サイズ直しはご相談ください)。
注:よく見ますと時計の4時の方向のオパールの右端の一部が僅かに欠けています(8番目のお写真をご参照ください)。
後年欠けたのか元々そうだったのか見分けがつかないです。
というのもオパールの遊色効果もあり、自然光ではまったくそのように見えないからです(いくつかのお写真をご覧ください、どこも欠けていないように見えると思います)。
実際、私も場所を確認して一度目を離すと、なかなか見つけられなくなります。
特定の光源で特定の角度から気をつけて見た時に確認できる程度の、肉眼では気づかないレベルのものです。
大きさは1-2ミリ程度で深さは非常に浅いです。
小さな写真をクリックすると大きな写真が切り替わります。
ボンブリング(bomb ring)とは、ベゼルが丸みを帯びてふっくらとしたデザインのリングを指します。
フランス語ではドームリングとも呼ばれます(ベゼルの形がドーム状だからです)。
ボンブリングというユニークな名称は「砲弾の頭部のような」という意味から来ています。
1920-1930年代のアールデコ期にとても人気のあった指輪デザインです。
下記は当店扱いのプラチナとホワイトゴールドのボンブリング。
丸みを帯びたベゼルに、精緻な透かしが施されています。
アールデコの特にプラチナを用いたドームリングにはこのような、見事な透かしが施されたものがあります。
上記はプラチナの透かしでエレガントなドームリングでしたが、ボリュームのあるふっくらとしたデザインを生かした、コロンとした愛らしいリングも作られています。
例えば下記は当店で販売済みのボンブリング。
先ほどのボンブリングとほぼ同時代に作られています。
「星」は特にアールデコ期に作られたボンブリングで度々モチーフにされました。
またボンブリングの中には膨らみが控えめなものもあります。
下記は当店で販売済みのやはり1930年代のボンブリングですが、ふっくらと膨らんではいますがショルダーがなく、より広範囲になだらかに膨らんでいるデザインです。
ボンブリングといえば圧倒的にダイヤモンドを宝石として用いたものが多いですが、下記のような例外もございます。
やはりアールデコ期のボンブリング、ダイヤモンドの代わりに用いられているのはカボションカットのオパールです。
当店にて販売済み。
下記はもっと後年の1940-1950年代のボンブリングです。
ルビーを用いた艶やかなボンブリングです。
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