なんと17世紀末にまで遡るリングです
これまで仕入れたジュエリーの中で、指輪としてはもっとも古い時代まで遡る指輪です。
製作されたのは17世紀の末から1700年頃にかけて。
これまで18世紀のテーブルカットダイヤモンドの指輪は数点扱ってきましたが、ぎりぎりですが17世紀末とはいえ17世紀まで遡る指輪は当店としても初めて仕入れることができました。
バロック様式の只中にあった17世紀。
ドーム状になった銀の台座がなど、台座を中心とした独特のセッティングが18世紀と大きく異なり、整然としたラインが特徴的です。
古の時代のテーブルカットダイヤモンド
ダイヤモンドはテーブルカットです。
テーブルカットはご存知の方も多いと思いますが、基本的には18世紀までのダイヤモンドに見られます。
指輪自体は華奢ですが、テーブルカットダイヤモンドは大きさがあり、見えている箇所だけで横が3.5ミリ、縦が2.5ミリ程です。
銀の台座にすっぽり包まれるようにセットされていますので、石全体はもう少し大きさがあります。
厚みもしっかりあり、特に横から見たときはその直線的なラインとダイヤモンドの凄みにぐっときます。
触れると見た目以上に軽量なのも、この時代ならではです。
年月を経た独特の迫力の中にも、バロック様式ならではの一抹の可憐さが感じられます。
他のジュエリーにない、この時代の特有の雰囲気が漂いう味わいあるリングです。
指輪サイズは14号(有料でサイズ直し可)。
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ダイヤモンドは紀元前6世紀から宝飾品として用いられていたのではないかと言われています。
しかし現存している最古のダイヤモンドは古代ローマの時代のものです。
この頃はダイヤモンドと言っても、この世で最も硬い物質であるダイヤモンドをカットする技術はありませんでした。
古代のダイヤモンドは原石のままで、八面体の結晶の形のまま使われています。
カッティングによって八面体になったのではなく、ほとんど原石の形のままセットされたのですが、こうした八面体のダイヤモンドは「ポイントカット」と呼ばれるようになります。
ダイヤモンドのカッティングが最初に生まれるのは、13世紀のことです。
ここで最もシンプルなファセットカットが生み出されます。
これが「テーブルカット」と呼ばれています。
テーブルカットはポイントカットのてっぺんと底をカットして、ダイヤモンドのダストでダイヤモンドを磨いたものです。
このテーブルカットは、中東ないしヴェネチアで考案されたものと考えられています。
下記は当店でもこれまで唯一扱う17世紀のテーブルカットダイヤモンドのリング。
下記は18世紀のテーブルカットダイヤモンドリング。
下記もやはり18世紀のフランスのダイヤモンドネックレス。
南仏の作品です。
基本的には18世紀までのダイヤモンドにしか見られませんが、19世紀のジュエリーにも時々部分的に見かけることがあります。
これは、当時ダイヤモンドの数は絶対的に少なく、19世紀よりもっと古い年代のダイヤモンド・ジュエリーから外されて石を使っているからなのです。
テーブルカットダイヤモンドは、ダイヤモンドの極みというべき贅沢なカットです。
なぜなら傷やインクルージョンが非常に目立つカットで、当時はそうした内包物を人工的に消すことはしていませんでしたから、きわめて上質なダイヤモンドに限ってしかできないものだからです。
またファセットが少ない分、ブリリアンカットそしてローズカットと比べても、ダイヤ特有のファイヤーが出にくいです。
それでも尚、ジュエリーとしてテーブルカットにできるダイヤモンドとは最高級のものでなければならなかったのです。
またこの時代は、19世紀と比べてもダイヤモンドが想像も出来ないぐらい希少で貴重なものでした。
テーブルカットのダイヤモンドを手に入れることが出来た人と言うのは、当時の相当な権力者であることは間違いありません。
テーブルカットダイヤモンドは一見地味に見えますが、光を受けたり身に着けて動いた時に強い輝きを放ちます。
オリジナルのテーブルカットのアンティークダイヤモンドは数が極めて少ないので出てくること自体、奇跡的と言えます。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。