1750年パズルリング

実に興味深い、18世紀のジュエリーの中でもとりわけ古い18世紀半ばの1750年にまで遡る指輪です。
何と指輪の中に1750年とか書かれています。
「パズルリング」と呼ばれて、アンティークジュエリーでも「early times」に作られたタイプのジュエリーの一つとしてこのようなパズルリングは文献でも出てきます。
片側が18カラットゴールドで、片側が銀製。
写真でゴールドの輪の方に丸い凸部、銀の輪の方に同じ大きさの穴が見えると思います。
これをあわせて閉じて着けることができるようになった仕掛けのリングです。
こちらのリングはプロほど好きなリングなので、仕入れをしてそのまま手に着けていたら皆に(皆さんディーラー)うらやましがられました(笑)

リングの内側に書かれている文字は少し読みにくいのではっきりしないところがありますが。
銀の方:M A CHIMAY(パリの南西部の街の名前のよう) 26 8 1715 (1715年8月26日)
ゴールドの方:VICTOR RIQUET(男性の名前) CARAMAN(女性の名前)
こうしたパズルリングは結婚の記念に作られたものですので、この日この街で二人が結婚したということでしょう。

指輪サイズ9号(サイズ直し不可)。

追記
数人の方から、日常的に使うことができるか?といったご質問を頂いております。
もともとこうした結婚指輪は日常的に身に着けるように作られたものですので基本的に問題ございませんが、その場合は、ほとんど着けっぱなしといったお使い方が望ましいです。
と言いますのもこちらのリングは2つのリングをあわせて1つのリングとして着ける仕組みになっていますが、2つのリングを合わせる穴と凸部の状態は良いもののとても古い時代のシンプルな作りです。
頻繁にリングをばらしてまた一緒にして・・・といった作業を繰り替えされすより、ずっとその状態のまま指にされているといった感じになると思います。

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18世紀のアンティークジュエリーについて

アンティークジュエリーの中でも現在市場に流通するアンティークジュエリーの多くは、19世紀後期以降のものです。
18世紀のアンティークジュエリーというのは、イギリスのアンティークジュエリーでもフランスのアンティークジュエリーであってもきわめて流通量が少ないもの。
どれくらい少ないかというと、現地のアンティークショップに行っても、ほとんどのお店にも一点もないのが普通です。
実際、当ショップでも18世紀のジュエリーは数えられるぐらいしか扱っていません。
出てくることは稀で、高いお金を払おうが払うまいが、滅多に見つけられないのが18世紀アンティークジュエリーなのです。

下記は当店で販売済みの1750年製作のパズルリング。

1750年パズルリング

フランスの18世紀ジュエリーはその大半がフランス革命(1789-1799)に入る前に作られていますから、まさに250年以上前に作られた歴史的遺産です。
ブルボン王家の最盛期から、フランス革命によって王政が滅びた激動のフランス18世紀。
歴史的に見てもとても面白い時代ですし、ご存知のとおり文化的に素晴らしく洗練されて成熟した文化が生まれて、そしてその多くがフランス革命によってフランス国外へ流出してしまいます。

「光の時代」
装飾芸術のフランス語の文献ではよく18世紀は「Siecle des lumieres(光の時代)」と表現されます。
18世紀はライトとライトネス。
蝋燭(ろうそく)が普及して蝋燭の明かりの下で過ごす時間が増えたことが、ジュエリーに大きな変化をもたらします。
この時代にイギリスやフランスでカントリーハウスも増えたこともあいまり(映画「マリーアントワネット」でも描かれていますね)、昼用のジュエリーと夜用のジュエリーがはっきり分かれるようになります。
このようにして17世紀までのヨーロッパで主流であったエナメルを多用したジュエリーから、ダイヤモンドを中心にする宝石のジュエリーへと大きな変革が訪れます。

ロココ様式ではダイヤモンドのみならず彩り豊かなジュエリー、そして大きめの宝石をセットすることが好まれました。
18世紀にエメラルドやサファイヤ、ルビーなど色のついた宝石がそれ以前の時代に比べて多くジュエリーのセットされるようになります。

下記は当店で販売済みの18世紀のエメラルドリング。
指輪はこの時代、裏がクローズドになっているのが一般的です。

j00969-1.jpg

宝石以外では、良質な無色の鉛ガラスや色つきのガラスペーストが当時の貴族たちに好まれ、ガラスとは思えないほど美しくセットされたジュエリーが見られます。
こうしたジュエリーはガラスとは言え、非常に高額に取引されていますし気高く美しいジュエリーです。

18世紀ペーストガラスネックレス(銀とスティール)

こうした本物の18世紀のジュエリーは、数十年前ならともかく現在パリのアンティークショップを回っても見かけることがほとんどありません。
当店でもこれまで仕入れることのできた18世紀のジュエリーは多くは、懇意にしているディーラーの個人コレクションを売ってもらったものです。
今後、この時代のこうしたジュエリーはますます希少にご紹介しずらくなっていきそうです。

18世紀ジュエリーに関して更に詳しい情報は、18世紀アンティークジュエリーの特徴と魅力をご参照ください。

アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。

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