モチーフは傘の下の恋人たち
アンティークのメダルでは時々とてもロマンチックなコンセプトのものを見つけることができます。
このチャームペンダントも、一目でその素敵な世界観に引き込まれました。
恋人が一つの傘の下で寄り添っています。
男性と女性、支えあうように傘を持ち、後ろを見ると男性が女性の肩に手をまわしているポーズになっています。
男女全体のシルエット、そして傘に至るすべてがゴールドで描かれています。
ゴールドだけでこのように一目で心をとらえるロマンチックな描写がされていることに驚かされます。
スカートのひだ、腕のふくらみ、通った鼻筋
アンティークのペンダントやメダルでも、人物の全体像を描いたケースは珍しいです。
その分、一つずつのパーツは小さくなりますが、このペンダントではスカートのひだや傘を握る手、腕に膨らみにいたるまで、写実的に描かれています。
傘が開いた状態を、ゴールドという硬い素材でこのようにふわっと見せるのは技術的に難易度の高いことです。
ペンダントの大きさは縦幅(ペンダント通しを含まず)が2センチ。
その小さな面積の中でこれほど一つのロマンチックな情景を描いているところが素晴らしいです。
立体的なので正面からだけでなく、後ろや側面からも見ごたえがあります。
20世紀初頭のフランス製。
18カラットゴールド。
注:チェーンはついていません。
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チャーム(charm)とは腕輪・鎖などにつけて身につける飾りものを指します。
ラテン語の「歌(carmen)」から派生した言葉でフランス語ではシャルムと言います。
チャームという英語の意味は簡単なようで分かりづらいですが、
「人を喜ばせる、魅了するものや資質」、「ネックレスやブレスレットについいている小さな飾り」、「魔法の力が宿ると信じられている物や行動」といった意味があります。
ジュエリーの用語として使うときは、しあわせを叶えてくれそうな魔法の力を持ったお守りのような装身具、といった意味合いになります。
アンティークジュエリーでは実に様々な魅力的なチャームが作られました。
チャームはそれだけでペンダントになったり、 ブレスレットから吊り下げるてチャームブレスレットになったり、小さなチャームが指輪についた「チャームリング」と呼ばれるものも存在します。
細工に長けたアンティークジュエリーではチャームも実に凝った、多用なデザインのものが作られました。
順番に見ていくことにしましょう。
まずは動物編。
ウサギ。
猿。
定番のモチーフとしてハートのチャーム。
やはり定番の球体のボール。
花や葉もチャームのモチーフとして好まれました。
下記は薔薇のチャーム。
変わったものとしては、実用性も兼ねた笛。
運動系では、テニスラケット。
金細工を駆使したものが多いですが、下記はエナメルも秀逸な「手」のチャーム。
小さすぎて履けませんが、見事にリアルな靴。
カンテラ(ランタン)。
チャームをブレスレットに垂らしたスタイルも流行します。
様々なチャームの連なったブレスレット。
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