立体的な凝った編みのチェーン
アンティークチェーンでも珍しいあまり見ない編み方のチェーンです。
アンティークチェーンの大半は1900年前後に製作されたものが多いですが、それより少し前の19世紀後期頃のチェーンです。
パーツを立体的に組み合わせて編んでいくことで、立体的なシルエットが生まれています。
パーツとパーツの間に透かしがあり、表面積が大きくなった立体感のあるチェーンです。
ルーペで見ても難しい立体的な構造になっています。
透かしの入った繊細さを感じることのできるチェーンで、身に着けた時も肌馴染みが良く美しく映えます。
金細工の美しい留め具部分
留め具部分も美しく、いかにもアンティークらしい作りです。
筒状の留め具のあらゆる面に、2種類の模様の金細工が施されています。
このような六角柱の留め具はこの時代のアンティークチェーンの留め具によく見られます。
手が凝っていて、そして100年以上経た今もきっちりクラスプを入れることができる高い機能性も魅力です。
ゴールドの色も温かみのある明るい色も特徴的です。
古代を思わせるようなこのような色のゴールドのジュエリーは、古代様式のリバイバルが隆盛していた19世紀後期の英仏のジュエリーで見られます。
19世紀後期のフランス製。
チェーンの長さは43.5センチ。
18カラットゴールド。
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アンティークチェーンと現在のチェーンはまったく別物と言ってよいほど価値が異なります。
アンティークチェーンは基本的にはハンドメイドです。
20世紀に入りますと部分的にマシンメイドされたものなども出てきますが、それでもハンドメイドでの作業が入っています。
オールハンドメイドのチェーンは簡単に言えば、一つ一つのゴールド(あるいは銀やプラチナ)の輪を叩きながら形成し、溶接作業でつなぎ合わせてチェーンを作っています。
下記は当店で販売済み、19世紀前半-半ばまでのゴールドチェーン。
細かなパーツの一つずつがハンドメイドで作られているのが、写真からも伝わってくると思います。
よく見ると微妙にパーツが同一ではないのです。
それに対して現在のチェーンはすべての作業が機械化されています。
機械の先から編みこまれたチェーンが出てきます。
これによって丈夫さも美しさも着け心地も変わってくるのです。
機械による作業では均一的にしか金属が流れませんので、金属独特のしなり等に対応しきれません。
金属は叩くことで強度を出ますから(分子に強度が出るため)、機械化されたチェーンでは力のかかるところでチェーンが切れやすいのは当然と言えます。
一方のハンドメイドのチェーンは接合部分が作りこまれていると丈夫なのはもちろん、自然にチェーンが流れて装着した時も綺麗なラインを描いてくれます。
すべての網目が一様になった現代のチェーンは光があったときも均一的に輝き、特にイエローゴールドのものはギラギラしてしまって上品とは言えませんが、1つ1つのパーツが手作業で仕上げられたアンティークチェーンは、それぞれが完全に均一ではなく、光が当たった時も一様にはギラギラと光らずもっと鈍い輝きになります。
それが品の良い落ち着きをもたらしています。
下記も当店扱いのこちらは19世紀半ば頃のアンティークチェーン。
光の当たり方が一様でないのが分かると思います。
当店にご連絡を下さるお客様でアンティークチェーンをお探しの方は非常に多いです。
特に多いのが下記のようなフィリグリー細工のチェーン。
また下記のようなプラチナのアンティークチェーンは製作された期間が非常に短く(1910-1920年代)、その分お探しの方も多いですし非常に見つけずらいアイテムです。
また先日、「アンティークチェーンの価格」についてお電話でご質問を受けました。
近年、円安傾向にありますね。
「円安を受けてアンティークチェーンの価格も2-3割上がってしまうのでは?」と言ったご質問でした。
価格に関してはもちろん高騰していますが、チェーンはまず価格というより非常に見つけずらくなってきています。
まず出てこないのです。
そして希少になってきているために、為替の問題だけでなくユーロ建てでも非常に値段があがってきてしまっています。
アンティークジュエリー全体にこうした傾向はありますが、アンティークチェーンは特にその傾向が強いです。
もちろん良いものをなるべくリーズナブルに仕入れられるよう頑張りますし幸運に恵まれることもありますが、一般的な状況は上記の通りです。
また「ちょうど良いチェーンの長さの計り方」についてもご質問を頂きました。
HPに○センチと記載がされていても、装着時のイメージが湧きにくく困ってらっしゃる方も多いと思います。
そんな時にお薦めなのが、糸を使った計測方法です。
糸をそのチェーンの長さに切っていただいて、首にぐるりとかけて頂きます。
お手持ちのチェーンをあわせられたいということでしたら、ペンダントも是非その糸にかけてみてください。
ご紹介をするのも申し訳ないほど原始的な方法なのですが、やってみるとやはり視覚的にイメージがつかめます。
ペンダントトップは垂れる部分がありますので、少し短めのほうが綺麗だったりと色々と発見があると思います。
もちろんブレスなどにも応用ができますが、チェーンは特に細いものなので、糸とのイメージの違いが起こりにくく特に有効です。
侮れない方法ですので、ぜひ一度お試しください。
繊細なイメージの強いアンティークチェーンかもしれませんが、実はお手入れも可能です。
特に宝石のついていない、18金のゴールドチェーン(YGでもWG)、また高カラットのプラチナチェーンについては、下記のような洗い方が出来ます。
「食器用の中性洗剤で洗う」です。
チェーンをぬるま湯につけてから、いわゆる家庭用な中性洗剤で、指のはらで丁寧に該当箇所を軽くこすります。
それからまたぬるま湯で丁寧に洗い流してください。
それからティッシュや布などでざっくり拭いて、ドライヤーなどでよく乾かしてください。
繊細な作りなのにそんなことをして大丈夫?と思われるかもしれませんが、18金ですので大丈夫です。
ポイントは丁寧にゆっくり洗うことと、よく乾かすことです。
また上記は非常に負担の少ない洗い方で、市販のジュエリークリーナーよりも負担は少ないです。
工房の方いわく、日常の中でつく汚れは主に皮脂の汚れ(油汚れ)であることが多いので、上記の方法は有効だそうです。
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