古色の美しいアンティークゴールドチェーン
19世紀半ば(1850年頃ぐらいまで)のフランス製です。
今回の買い付けでとても面白かったのは、このアンティークチェーンをフランス出仕入れてからロンドンでも相当類似するゴールドチェーンを見つけて、両方とも仕入れたことです。
こちらはフランス製でフランスの18金の刻印があり、ロンドンで仕入れたほうは15金で15金の刻印があります。
でも刻印がなければ非常に編み方も似ている同年代のチェーンですので、なかなか見分けがつかないです。
ゴールドの色もこちらのチェーンの方は18KTでありながら敢えてイエローゴールドの輝きを抑えた古色にしているので、ぱっと見た感じではむしろこちらの方がカラットが低く見えたぐらいです。
ゴールドをよって編みこんだこの独特の編み方は、19世紀の中でも相当に古い19世紀半ば(1850年頃)までの編み方になります。
短めなのでリーズナブル、ブレスレットにして頂くのがお薦めです
これだけオーセンティックで編みの美しいチェーンですが、お値打ちなのはずばり短めだからです。
33センチですので小柄な女性でしたら一応着けていただける長さにはなりますが、それにしてもかなりキュッとした感じになります。
お薦めはブレスレットにすることで、2重にして腕に巻いていただくと少し余裕が出来て美しい長さです。
古代色のような美しいゴールドの色と、細すぎない堅牢さもある編み方ですので、特に大きめのジュエリーが着けにくい夏場などにお薦めです。
チェーン通し部分が円筒状になっていて、細身のペンダントでも通しやすいチェーンですので、小さめのペンダントトップを通してそのままブレスレットのチャームにして頂くのも良いと思います。
18金ゴールド。
注:写真のペンダントトップは付属していません。
小さな写真をクリックすると大きな写真が切り替わります。
アンティークチェーンと現在のチェーンはまったく別物と言ってよいほど価値が異なります。
アンティークチェーンは基本的にはハンドメイドです。
20世紀に入りますと部分的にマシンメイドされたものなども出てきますが、それでもハンドメイドでの作業が入っています。
オールハンドメイドのチェーンは簡単に言えば、一つ一つのゴールド(あるいは銀やプラチナ)の輪を叩きながら形成し、溶接作業でつなぎ合わせてチェーンを作っています。
下記は当店で販売済み、19世紀前半-半ばまでのゴールドチェーン。
細かなパーツの一つずつがハンドメイドで作られているのが、写真からも伝わってくると思います。
よく見ると微妙にパーツが同一ではないのです。
それに対して現在のチェーンはすべての作業が機械化されています。
機械の先から編みこまれたチェーンが出てきます。
これによって丈夫さも美しさも着け心地も変わってくるのです。
機械による作業では均一的にしか金属が流れませんので、金属独特のしなり等に対応しきれません。
金属は叩くことで強度を出ますから(分子に強度が出るため)、機械化されたチェーンでは力のかかるところでチェーンが切れやすいのは当然と言えます。
一方のハンドメイドのチェーンは接合部分が作りこまれていると丈夫なのはもちろん、自然にチェーンが流れて装着した時も綺麗なラインを描いてくれます。
すべての網目が一様になった現代のチェーンは光があったときも均一的に輝き、特にイエローゴールドのものはギラギラしてしまって上品とは言えませんが、1つ1つのパーツが手作業で仕上げられたアンティークチェーンは、それぞれが完全に均一ではなく、光が当たった時も一様にはギラギラと光らずもっと鈍い輝きになります。
それが品の良い落ち着きをもたらしています。
下記も当店扱いのこちらは19世紀半ば頃のアンティークチェーン。
光の当たり方が一様でないのが分かると思います。
当店にご連絡を下さるお客様でアンティークチェーンをお探しの方は非常に多いです。
特に多いのが下記のようなフィリグリー細工のチェーン。
また下記のようなプラチナのアンティークチェーンは製作された期間が非常に短く(1910-1920年代)、その分お探しの方も多いですし非常に見つけずらいアイテムです。
また先日、「アンティークチェーンの価格」についてお電話でご質問を受けました。
近年、円安傾向にありますね。
「円安を受けてアンティークチェーンの価格も2-3割上がってしまうのでは?」と言ったご質問でした。
価格に関してはもちろん高騰していますが、チェーンはまず価格というより非常に見つけずらくなってきています。
まず出てこないのです。
そして希少になってきているために、為替の問題だけでなくユーロ建てでも非常に値段があがってきてしまっています。
アンティークジュエリー全体にこうした傾向はありますが、アンティークチェーンは特にその傾向が強いです。
もちろん良いものをなるべくリーズナブルに仕入れられるよう頑張りますし幸運に恵まれることもありますが、一般的な状況は上記の通りです。
また「ちょうど良いチェーンの長さの計り方」についてもご質問を頂きました。
HPに○センチと記載がされていても、装着時のイメージが湧きにくく困ってらっしゃる方も多いと思います。
そんな時にお薦めなのが、糸を使った計測方法です。
糸をそのチェーンの長さに切っていただいて、首にぐるりとかけて頂きます。
お手持ちのチェーンをあわせられたいということでしたら、ペンダントも是非その糸にかけてみてください。
ご紹介をするのも申し訳ないほど原始的な方法なのですが、やってみるとやはり視覚的にイメージがつかめます。
ペンダントトップは垂れる部分がありますので、少し短めのほうが綺麗だったりと色々と発見があると思います。
もちろんブレスなどにも応用ができますが、チェーンは特に細いものなので、糸とのイメージの違いが起こりにくく特に有効です。
侮れない方法ですので、ぜひ一度お試しください。
繊細なイメージの強いアンティークチェーンかもしれませんが、実はお手入れも可能です。
特に宝石のついていない、18金のゴールドチェーン(YGでもWG)、また高カラットのプラチナチェーンについては、下記のような洗い方が出来ます。
「食器用の中性洗剤で洗う」です。
チェーンをぬるま湯につけてから、いわゆる家庭用な中性洗剤で、指のはらで丁寧に該当箇所を軽くこすります。
それからまたぬるま湯で丁寧に洗い流してください。
それからティッシュや布などでざっくり拭いて、ドライヤーなどでよく乾かしてください。
繊細な作りなのにそんなことをして大丈夫?と思われるかもしれませんが、18金ですので大丈夫です。
ポイントは丁寧にゆっくり洗うことと、よく乾かすことです。
また上記は非常に負担の少ない洗い方で、市販のジュエリークリーナーよりも負担は少ないです。
工房の方いわく、日常の中でつく汚れは主に皮脂の汚れ(油汚れ)であることが多いので、上記の方法は有効だそうです。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。