透明だからこそ意味がある、クリスタルのロケットペンダント
2枚の円形のクリスタルを合わせて、その間に写真等を入れることができるロケットペンダント。
素材は2枚のクリスタルとゴールド枠とねじで、クリスタルを2枚重ねてゴールドの枠にはめてゴールドのねじを回すことによって、開閉ができます。
1900年頃のフランスのアンティーク作られたジュエリーで、これまで数は少ないですが何度か目にしました。
通常のロケットと異なり、中が透明なところがポイントで写真の他、四葉や押し花などを入れることが多いようです。
年月を経ても透明できれいなクリスタル。
それぞれのクリスタルの厚みが1ミリ程です。
一緒にアップしました同時期の六角形のクリスタルロケットと同様、ねじも締めきるった後もガラス部分に多少遊びがでます。
なぜかこのタイプの2つのクリスタルを重ねるロケットはいずれも同じぐらい遊びの部分があります。
ゴールドのフレームに固定されていますので、少し遊びがあってもクリスタルのフレームが外れたりすることはありません。
シンプルな楕円のシルエット
先にご紹介しましたのは六角形のクリスタルロケットペンダントでしたが、こちらは真円です。
直径が2.4センチ程。
このタイプのロケットペンダントはこのような真円のものが一番スタンダードですが、かつてクリスタルに色のついたものも見たことがあります。
2つのクリスタルを合わせてゴールドの枠に収め、くるくるとねじを回す。
分解すると、2つのクリスタル、枠、ねじの三種類に分解できます。
それが100年を経た今でも分解したり、組み合わせたりできるのですから、ゴールド枠やねじの作りも秀逸です。
ロケットペンダントのようにその構造上、負荷のかかるジュエリーこそアンティークジュエリーの良さが活きます。
1900年頃のフランス製。
18カラットゴールド。
注:チェーンは付いていません。
小さな写真をクリックすると大きな写真が切り替わります。
アンティークロケットペンダントは最も人気の高いアンティークジュエリーの一つです。
その歴史は中世のヨーロッパまで遡ります。
この頃は宗教的意味合いが強く、聖像などを収めたりするものでした。
下記は当店扱いの何と18世紀の非常に古い時代のロケットペンダント、何と「鉄」でできています。
ジュエリーとして美しいロケットが出始めるのは、主に19世紀。
19世紀初頭に、イギリスやフランスを中心に大切な人の髪や形見の品などを入れる物としてロケットペンダントが普及します。
宝石をちりばめたものや細工の凝ったものなど、美しいロケットが作られます。
下記はオニキスで作られたロケットペンダント(19世紀)。
下記は1900年頃のフランス製のロケットペンダント。
ブルーエナメルと真珠とダイヤモンド、そして葉をモチーフにしたアールヌーボーらしい構図の美しいロケットです。
イギリス・ヴィクトリア時代(19世紀中ごろ)のロケットには積極的に愛のメッセージが込められているのが特徴です。
下記はヴィクトリア&アルバート美術館所蔵の1840年頃、イギリスヴィクトリア時代中期のロケットペンダントです。
ハートの形に南京錠、その鍵が描かれています。
その心は「私の心(ハート)の鍵はあなたが握っている」です。
使われている宝石にも愛のメッセージが込められています。
ルビー、エメラルド、ガーネット、アメジスト、ルビー、ダイヤモンドでその頭文字をとって「Regard」。
(c) Victoria & Albert Museum, London
下記もやはりハートをモチーフにした、こちらはフランスべルエポック時代に作られたロケットペンダント。
前述のヴィクトリアンのハートペンダントほどの重たさはなく、都会的で洗練されたロケットです。
ロケットのモチーフには時に、珍しい題材も選ばれました。
下記は当店で販売済みの、お酒のボトルをモチーフにしたロケットペンダントです。
下記はサンジャック貝(帆立貝)がモチーフのロケットペンダント。
アンティークロケットでは金細工に優れたロケットが多いですが、金細工やエナメル細工が施されたロケットもアンティークジュエリーならではの醍醐味です。
下記はアールヌーボーの金細工が美しいロケットペンダント。
ギロシェエナメルのロケットペンダント。
ロケットジュエリーの大半はイエローゴールドで作られていますが中には例外もあります。
下記は銀製のロケットペンダント。
またアンティークロケットペンダントも非常に人気があり、常に品薄状態なのですが、それ以上に見つけにくいのが、ロケットリングです。
ペンダントに比べても細工を施す面積が少ない指輪で、このような細工を施すのは非常に大変なことで、作られた数も極めて少ないのです。
下記は当店で販売済みのバラをモチーフにしたロケットリング。
このロケットリングのように無色のガラスの場合、何も入れない状態で着けても美しいですし、押し花のように小さな葉などを入れてもよいと思います。
下記は当店にて販売済みのイギリス・ヴィクトリアンのアンティークロケットリング。
この手の比較的小さなロケットリングは、故人の髪を入れるためのものでした。
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