尾の形が独創的な七面鳥がモチーフです
滅多に見つけることがない、個性的な動物モチーフのチャームを3点まとめて仕入れました。
ウサギ、ロバ、七面鳥です。
こちらは七面鳥(しちめんちょう)のチャームです。
七面鳥がジュエリーのモチーフになったケースは、アンティークジュエリーの場合少なからずあります。
七面鳥は異性の前で気取った態度をとることで知られているとか。
このチャームのちょっとすましたような表情にも、そんな七面鳥の特徴が見て取れます。
鳥の中でも特に尾の形が独創的な七面鳥。
しなりを効かせた尾の部分やリアリティあるくちばし、ふわりとした羽根。
その全てがゴールドで表現されています。
写真は拡大していますが、横幅が2.5センチ程の実に小さな作品で、重量も何と1グラムほどです。
小さく計量であるからこそ、これだけ手の込んだ仕事をするのは、大きさがあるもの以上に大変です。
小さいな面積の中に、驚くべき仕事をした作品が見つかるのが、アンティークジュエリーの魅力の一つです。
素晴らしい作りの止まり木
脚の下には止まり木が描かれています。
少し開いた嘴(くちばし)といい、しばしの休息を終えてもうじき飛び立とうとしている瞬間を描いたのでしょうか。
活き活きとした鳥の一瞬の動きを捉えた作品です。
ゴールドに段を付けることで、羽根のかさなりあう様を表現しています。
首の辺りのゴールドには縦に細かな線が入ってます。
18カラットゴールド。
他の2つの動物は刻印が入っていましたが、この七面鳥は特に重量も小さいということもあり刻印は入っていません。
19世紀後期のフランス製。
注:チェーンは付いていません。
小さな写真をクリックすると大きな写真が切り替わります。
アンティークジュエリーでは時々、そのモチーフとして動物が登場します。
こうした動物をモチーフにしたジュエリーは、センチメンタルジュエリーの一つです。
ヨーロッパでは愛する人、親しい人を「私の可愛い子猫ちゃん」「私のおてんばなお猿くん」等、動物にちなんだ呼び方をすることが昔から多くあります。
動物のジュエリーが19世紀の後期以降作られたのも、ヨーロッパでセンチメンタルジュエリーが流行した時期と重なります。
造形的に愛くるしい動物のシルエットを持つジュエリーは、ノベルティのように、愛する人への(特に男性から女性へ)プレゼント、記念品にされました。
よくモチーフとされたのは、犬、馬、猿、鹿、虎、狼,猫あたりです。
身近な動物たちが、贅沢で愛らしいジュエリーに仕上げられました。
下記は当店で販売済みの「狼」のペンダントトップ。
下記は当店扱いの「猿(モンキー)」のペンダントトップ。
猿(モンキー)」は東洋では「神聖な動物」とされており、ルネサンス時代以降にインドやエジプトからヨーロッパへ連れてこられ、当時の宮廷で珍重されていました。
イギリスやフランスで特に19世紀後期以降、猿をモチーフにした指輪やブローチ、ペンダントなどが度々作られました。
猿のボディをダイヤモンドで埋め尽くしたものなど、贅を尽くした作りのものも多いです。
下記は数年前にクリスティーズに出展された猿のブローチ。
ローズカットダイヤモンドとオールドヨーロピアンカットがパヴェセッティングされ、目にはピンクサファイヤが入っています。
1890年頃のフランス製。
(c) CHRISTIE'S 2017
下記はウサギをモチーフにしたチャームです。
下記は猫をモチーフにしたブローチです。
1950年前後は、肉厚のゴールドを用いた、旧来のアンティークジュエリーで描かれた動物とは一線を画す、とても明るいテイストのジュエリーが特にグランメゾンを中心に製作されました。
その中でもアイコン的な存在なのが、ヴァンクリーフアーペル社による猫やパンテールのジュエリーです。
下記は1950年代に製作されたヴァンクリーフアーペル社の猫のブローチで数年前にササビーズに出展されたジュエリーです。
目にはエメラルド、鼻にルビー、腹部にカボションカットされたオニキス。
この時代のこうした小動物のジュエリーは、鮮やかなイエローゴールドと宝石がしっかり使われているところがポイントです。
(c) Sotherby's
下記はまた鴨(かも)をモチーフにした指輪です。
一見蛇のように見えるのですが、鴨であるあたりがまた面白くフランスらしいです。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。