ローズカットダイヤモンドのエタニティリング
現在でも指輪のデザインとして人気のある「エタニティーリング」。
発祥は1900年頃に遡ります。
アンティークのエタニティリングの大半は、ダイヤモンドがオールドヨーロピアンカットですがこちらのリングは珍しくすべてローズカットのダイヤモンドです。
10石のローズカットダイヤモンド。
それもシングルカットではない立体的なダッチローズカットにされています。
石も透明感がありいずれの石も状態が良くきれいな希少なエタニティリングです。
18カラットゴールドとプラチナの両方の刻印が押されています
アンティークエタニティリングは20世紀初頭のアメリカで作られたものが多いのですが、こちらはフランス製です。
そしてフランスの18カラットゴールドとプラチナの刻印、加えて工房印までが入った希少なエタニティリングです。
なぜ二つの地金の刻印が入っているかと言いますと、フレーム部分が18カラットホワイトゴールド、ダイヤモンド周りがプラチナになっているからです。
プラチナの薄く伸びる性質を活かした、繊細なミルグレイン。
そしてダイヤモンドとダイヤモンドの間に粒細工を施し、ベゼル全体が燦々と光を浴びていろいろな方向に煌めいています。
指輪全体ではなく、全体の半分ぐらいのハーフエタニティーになっています。
そのためサイズ直しも可能です。
1910年頃のフランス製。
指輪サイズは12号(有料でサイズ直し可)。
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現在でも「エタニティーリング」と呼ばれて愛されている指輪デザインの歴史は古く、フランスでは18世紀のジュエリーに既にエタニティリングを見つけることが出来ます。
この指輪デザインのことをフランス語では「Alliance(結婚指輪=マリッジリング)」と呼びます。
この「alliance」という言葉は元々は、「同盟」とか「協定」といった意味のフランス語で、そこから転じて「結婚」、「結婚指輪」を指します。
下記は当店で販売済みの18世紀のエタニティリング。
緑石はペーストガラスです。
アンティークのエタニティーリングはダイヤモンドだけでありません。
古くは上記のようなペーストガラスも用いられましたし、下記はマルカジットを用いたエタニティリングです。(19世紀初頭)
エタニティリングはまた、20世紀初頭にアメリカ人に愛されオーダーされた指輪デザインです。
フランスのアンティークジュエリーでもこの頃に作られたエタニティーリングが数としてはもっとも多いです。
そのため、フランスでは「Alliance Americaine(アメリカの結婚指輪)」とも呼ぶことも多いです。
半周だけ宝石が巡らさせたものは、半分と言う意味の「Demi」が前について「Demi-alliance」と呼ばれています。
フルエタニティーダイヤモンドリング(フランス、20世紀初頭)。
セミエタニティーリング(フランス、20世紀初頭)。
ダイヤモンド以外の宝石もエタニティーリング(セミエタニティーリング)に用いられました。
下記はガーネットのフルエタニティリング(フランス、1840年頃)。
そしてフランスだけでなく、下記はロシア製作のトルコ石をあしらったエタニティーリング。
下記のように2つのまったく同じサイズのエタニティリングをあらかじめ重ねづけするように作ったリングも作られました。
これは今日では別々に着けることもでき、とても重宝ですね。
アンティークのエタニティリングは当店でもよくお問い合わせを頂きますが、そもそも数が少ないのに加えて、フルエタニティリングの場合はサイズ直しができないのが難しいところです。
指にぴったりの特にフルエタニティのアンティークリングで気に入られたものを見つけられたときは、迷わずにご購入をお薦めいたします!
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
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シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。