描かれた文字はSouvenir(想い出)
ベゼルに描かれた文字は「Souvenir」。
フランス語で「想い出」という意味です。
「お土産品」を差す言葉でもあります。
おそらく何かの思い出の品として、入手されたリングなのでしょう。
ベゼルの部分はゴールドの色をしていますが、これはヴェルメイユと言って銀の上にゴールドを塗ったいわゆるシルバーギルドです。
全体は銀製です。
指輪のフェイス部分はお花の形をしていて、ショルダーが葉っぱの形です。
ショルダー部分は銀製ながらとても凝っています。
葉っぱから螺旋模様、粒細工へと続きます。
小さめサイズのピンキーリング
指輪サイズは6号。
銀製なのでサイズ直しはできません。
オリジナルでもともとこのサイズでしょうから、元々子供のために作られたリングだと思います。
アンティークジュエリーでは、このような元々子供のために作られたジュエリーも一切手抜きが見られません。
宗教的な意味合いもあり、両家の子女のために惜しみないジュエリーが作られました。
今はピンキーリングとしてぴったりの人も少なくなさそうなサイズ感です。
19世紀後期のフランス製。
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フランスアンティークでは、こうした子供用のアンティークジュエリーも時々見つけることがあります。
もちろん当時の王侯貴族(ベルエポック時代以降はブルジョワ階級を含む)の良家の子女のために作られたジュエリーです。
こうした少女のために作られたアンティークジュエリーに、金細工や小さめの本物の宝石がセットされた小ぶりのピアス、尺の短めな金細工のネックレス、小さなバングルやブレスレットなどを見つけることができます。
下記は当店で販売済みの子供用のアンティークピアス。
これらはプルミエール・コミュニオン(初めて聖体拝領をうけること)の時に身に着けるために作られたと思われます。
他のものより明らかに小さい子供サイズの何かを見つけたときは、聖体拝領関連のものであることが多いです。
初聖体拝領(La premiere communion)は だいたい7〜8歳の頃に行われることが多いです。
下記はやはり「初聖体拝領」に作られたと思われる、子供用のアンティークバングル。
当然いずれもサイズが小さいですから、現代の日本女性が着けられる際は何かしら工夫の必要なものが多いです。
例えば短めのネックレスを2重にしてブレスレットとして使うと言ったことが考えら得ます。
小ぶりで非常に細工が細やかなこうした子供用のアンティークジュエリーは小さいからこそなお更可愛さが増し、愛しくなるジュエリーです。
現代の日本ではいくら裕福でも子供に本物のジュエリーを持たせる習慣はないですね。
しかしフランスでは現代でも案外、子供に本物を持たせます。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
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シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。