ブルーサファイヤ アールデコダイヤモンドリング(ゴールドとプラチナ)

1カラット以上の艶やかなブルーサファイヤ アンティークジュエリーでブルーサファイヤを用いたジュエリーは案外少ないもの。
特にリングはお探しの方が多いのでいつも丹念に探していますが、なかなか出てこないです。
懇意にしているディーラーさんから、アールデコ期のブルーサファイヤのリングを数点まとめて譲り受けましたので、ここのところ同時代の何点かサファイヤのリングをご紹介できておりました。
こちらがその最後の一点です。。
オーバルカットの艶やかな青色のブルーサファイヤ。
アンティークサファイヤはもう少し濃いめの青色の石が多いですが、珍しく明度の高い青色のサファイヤです。
大きさが横6ミリx縦7.5ミリほどで、優に1カラット以上あります。
希少な、透明感のある美しいブルーサファイヤが印象的なリングです。 プラチナとゴールドの刻印、両方が押されています 面白いのは、フランスの18カラットゴールドの刻印である「鷲の頭」と、フランスのプラチナの刻印である「犬の頭」の両方が並んで押されている点です。
これは全体が18カラットホワイトゴールドで出来ていて、宝石をセットしているベゼルの上辺部分がプラチナを用いているからです。
20世紀初頭のジュエリーではこの「ゴールドバックのプラチナセッティング」はよくあるパターンではあるのですが、特にフランスではメインの地金の刻印しか押されていないケースが多く、両方の刻印が丁寧に押されているのは尚更良いです。
艶やかなブルーサファイヤの周りは、ダイヤモンドがらせん状に2周セットされています。
ダイヤモンドとダイヤモンドの間に、プラチナの粒金細工があしらわれた、華やかなセッティングです。
この螺旋のダイヤモンドの台座の外周には細やかなミルグレインが打たれていて、こちらも20世紀初頭の典型的なプラチナセッティングです。
1920-1930年頃のフランス製。
指輪サイズは13.5号(有料でサイズ直し可)。

  • 幅:11mm 
    高さ:13mm 
    重量:3g
    商品の状態:良好
  • 販売価格:売り切れました。

ブルーサファイヤ アールデコダイヤモンドリング(ゴールドとプラチナ)

  • 明度と透明度に優れた鮮やかなブルーサファイヤ、状態もよく圧巻の石です
  • 指輪のべゼルが1.1センチ、1.3センチ。楕円形で着けやすい大きさと形です
  • サファイヤを囲うダイヤモンドが二重構造になっているところが華やかです
  • 1周目のダイヤモンドと2周目のダイヤモンドには僅かな高低差がつけられてます
  • ゴールドとプラチナのダブルホールマーク。それ以外に工房印まで入ってます
  • ブルーサファイヤ アールデコダイヤモンドリング(ゴールドとプラチナ)
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ブルーサファイヤ アールデコダイヤモンドリング(ゴールドとプラチナ)

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アンティークエピソード

ブルーサファイヤ(サファイア)のアンティークジュエリー

ブルーサファイヤとコランダム
アンティークジュエリーの貴石の中で、もっとも高い価値がありもっとも人気があるの宝石の一つがブルーサファイヤ。
9月の誕生石であるサファイアは、ルビーと同じくコランダム系の鉱物の変種です。

ブルーサファイヤ指輪アールヌーボー(1890年頃 18カラットゴールド)

赤いコランダム(鉱物名)をルビーと呼び、その他はすべての色名を冠してサファイアと呼んでいます(宝石名)。
色によってピンクサファイア、ブラックサファイア、ブルーサファイアなどと呼びます。
鉱物名がコランダム、宝石名がサファイアになります。
サファイヤと言う人もサファイアと言う人も両方いて、両方正しいです。
アンティークジュエリーで使われているコランダム(サファイア)には、ブルーサファイアとルビー。
そしてピンクサファイア、ブラウンサファイアなど中間色のサファイアもわずかですが存在します。

良いサファイヤとは
良質なブルーサファイヤの特徴は、主に下記になります。
1)透明感があること。
2)色は、深く澄んだ青色やわずかに紫色味を帯びた中明度の青色がもっとも良い。
3)深み
濃い青色ほどよいものとされています。
ブルーサファイヤの加熱処理
現在産出されるブルーサファイヤのほとんどは、日常的に超高温での加熱が行われているので本来の色合いを示すものは少ないです。

ちなみにこの超高温での加熱(1500度ぐらい)によるサファイヤの色の調整が始まったのは1960年頃からであると言われています。
現代ブルーサファイヤに行われている人工的なトリートメントとしては、超高温での熱加工、加熱だけでは変わらないサファイヤに外部からの拡散加熱処理を施すという技術があります。

下記は当店で販売済みの「コーンフラワーブルー(矢車草の花の青色)色」のブルーサファイヤです。
現代のような超高温での加熱が行われていなかった当時のサファイヤは、宝石本来の色を見ることができます。

コーンフラワーブルーサファイヤ アンティーク指輪(矢車草色 ダイヤモンド)
サファイヤの産地
ブルーサファイヤと言いますと、時々産地についてお客様からお問い合わせを頂きます。
最高級のブルーサファイヤの産地として知られるのは、カシミアです。
ただしカシミールサファイヤは1887年には鉱山が枯渇してしまっていて、アンティークジュエリーでもカシミアさんのブルーサファイヤはまずお目にかかることがありません。
うっとりするような、鮮やかなベルベット調のブルーの色彩は、カシミア地域のサファイヤにしか見られません。
カシミール以外では、セイロンあるいはビルマのものが使われました。
深みのある美しいロイヤルブルーカラーの良質なセイロンサファイアは、サファイアの最高峰である「カシミール産のブルーサファイア」に引けをとらない美しさ。
下記の2点は当店で販売済みのセイロンサファイヤのリングです。

アンティークブルーサファイヤ指輪(セイロン産、ダイヤモンド、アールデコ)

カボションカットサファイヤ プラチナアールデコリング
しかしセイロンサファイヤもとても数は少なく、多くのアンティークジュエリーで使われている特に19世紀までのブルーサファイヤの多くがビルマ産です。
そしてビルマ産ルビーも非常に美しいです。
下記は19世紀後期のビルマ産ブルーサファイヤのブローチです。

19世紀ビルマ産サファイヤ

現代のブルーサファイヤの産地
ちなみに現代ではタイ産のブルーサファイアが多く出回っていますが、アンティークジュエリーにおいてタイ産のサファイヤが使われることはないです。
良質で天然無加工の美しいブルーサファイアを入手したいのなら、アンティークジュエリーの中で、お探しになることをお薦めいたします。

歴史的に有名なブルーサファイヤのジュエリー
フランスアンティークジュエリーにおいてブルーサファイヤと言えばナポレオンの妻、ジョゼフィーヌが有名です。
ナポレオンがドイツ征服に成功したとき、ジョセフィーヌのために手に入れたものに「カール大帝の守護石のサファイア」があります。
(寺院側は敬意を称して見せるだけのつもりだったのですが、ジョゼフィーヌが所望してしまい、やむをえなく寺院側は渡したという話です)。
ジョゼフィーヌはこの宝石の歴史的価値を知らず、単純に宝石好きの夫がさぞ喜ぶだろうと考えてサファイアを所望したということですが、実は「持つ者を必ず皇帝にする」と信じられていた素晴らしい秘宝でした。

カール大帝の父、ピピンがイタリア半島をローマ教皇領として法王に謙譲した時法王からお礼にもらったという歴史的にも超一級の由緒あるものでした。
そんな素晴らしい秘宝をナポレオンは簡単に妻のジョゼフィーヌに渡すのですが、それには理由があったと言われています。
妻の浮気をおさめるためです。
ジョゼフィーヌは大変な浮気性で、サファイアは古来より浮気を封じ込めると信じられていたのです。

そのせいか、ジョゼフィーヌのジュエリーには非常に豪華なブルーサファイヤのジュエリーをいくつも所有していました。
下記は、1806年にHenri Francois Riesenerが描いたジョゼフィーヌの自画像。
胸元にブルーサファイヤとダイヤモンドのネックレスが煌きます。

ジョゼフィーヌのサファイヤ
ジョゼフィーヌのサファイヤ2

ブルーサファイヤのエンゲージメントリング
また日本では婚約指輪と言うとダイヤモンドの印象がとても強いですが、ヨーロッパやアメリカではダイヤモンドに次いでブルーサファイヤを婚約指輪にする人も多いです。

イギリス、ウィリアム王子がケイト皇太子妃に贈ったのがやはりブルーサファイヤの指輪でした。
元々はウィリアム王子の亡き母、ダイアナ元皇太子妃のご婚約指輪だったサファイアのご婚約指輪です。
アンティークというほどは古くははありませんが、真新しいブランドの指輪などを贈るのではなく、一家の伝統が刻まれた指輪を受け継いでいくというのはやはりイギリス皇室らしい選択ですね。
ヨーロッパでは、結婚する際に花嫁がブルーの物を身に付けていくと幸せになれるという言い伝えもあるそうです。

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