中心の石がクォーツキャッツアイ、両側の2石がクリソベリルです
とても珍しいリングです。
特徴的なアップルグリーンの神秘的な色の石。
一見3石同じ宝石に見えますが、真ん中の石だけがクォーツ(キャッツアイ)で、両側の2石が幻の宝石クリソベリル(キャッツアイ)です。
真ん中の石だけ少し淡い色で、透明に近い色をしています。
2石のクリソベリルも片方がもう片方より少し緑色が強く出ています。
3石の微妙な色の差異のグラデーションが幻想的な他にない世界観を出しています。
クォーツもクリソベリルも共に(合計3石とも)猫眼効果といって、まるで猫の目(キャッツ・アイ)のような光の線が石の中央部に光の加減で現れます。
それもそれぞれが別の方角にキャッツアイを発します。
3石のリングがキャッツアイを発していて、そしてそれらの宝石がすべて同じではないというところが表情豊かで面白いです。
内側の刻印から1819年に製作されたことが分かります
その石座やショルダーからも如実にイギリスジョージアンの特徴が出ているリングですが、刻印からもそれを読み取れるところが嬉しいです。
内側にイニシャルと思われる英文字(すべてを読み切れないですがDPという文字が入っています)に加えて1819と彫られています。
石はクローズドになっていて、これもジョージアン時代らしい特徴です。
石底が閉じていて下から光が入らない状態でこれだけくっきりと猫眼効果が見えるところからも、とても良い石が用いられていることが分かります。
ショルダーの部分や石と石の間の粒金細工も手が掛けられていて、ジョージアンのリングらしい味わいです。
このような特徴あるジョージアンのリングは最近なかなか見つけることができず、またこれだけ珍しい宝石が用いられているところも希少です。
アンティークジュエリーのコアなファンの方に注目して頂きたいリングです。
重さもかなりしっかりあり、大きさのある3石の宝石をしっかり支える強さもあるリングです。
15カラットゴールド。
指輪サイズは13.5号。
裏側の広範囲に刻印が入っているため、サイズ直しはしない方が良いです。
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アンティークジュエリーでも数はとても少ないけれど、出会えると嬉しい宝石にクリソベリルがあります。
クリソベリルという宝石はその名前からエメラルドやアクアマリンが属すベリル系の宝石であると言う誤解を生むかもしれませんが、ベリル系の宝石ではありません。
「クリソベリル(Chrysoberyl)」と言う宝石名はギリシア語で「golden beryl」から来ています。
最も煌きの高い宝石の一つで、硬度としてはダイヤモンドとコランダムについで高いです。
名前が似ているのは両方に「ベリリウム」が含まれているからでしょう。
クリソベリルと鉱物的に同じ宝石は、アレキサンドライトとクリソベリルキャッツアイです。
クリソベリルでもっともよく見られる色は、透明なグリーンレモン色ですが、淡い黄色のクリソベリル(クリソライト)からアップルグリーン、ハニー色と呼ばれる少しブラウンを帯びた色まで、色の幅があります。
クリソベリルはブラジルあるいはスリランカで採掘され、それがヨーロッパにもたらされイギリスではヴィクトリア時代、エドワーディアン時代に流行します。
19世紀に英国王子がプロシアの王女にクリソベリルキャッツアイの指輪を贈ったことで、イギリスはじめヨーロッパ各国でも一躍人気の宝石となりました。
下記はイギリスのヴィクトリア期のリングです。
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クリソベリルとポルトガル
クリソベリルが比較的、は18世紀のポルトガルのアンティークジュエリーに見られることが多いです。
ブラジルがポルトガルの勢力圏であったことと関係しています。
フランスやイギリスのアンティークジュエリーでクリソベリルが見られるケースは数としては少ないため、それもあり価格が高価になりがちです。
以前ロンドンで全周にかなり大きなクリソベリルがセットされたネックレスを見たのですが(お値段ももちろんとても高価でした)、それが目に焼きついて離れないです。
カリスマ性のある希少石クリソベリル
クリソベリルは大きな力を持つと信じられていました。
エネルギーバランスを保ち、瞑想を促すと言われています。
目の問題を解決する、「evil eye」から守ってくれると古くから信じられてきました。
アラブ世界では身に着けていると、戦いの場で相手から見えなくなると信じられているそうです。
キャッツアイ効果(シャトヤンシー)
クリソベリルには「シャトヤンシー(キャッツアイ効果、猫眼効果)」と呼ばれる光の帯が見られることがあります。
まるで猫の目(キャッツ・アイ)のように、光の線が現れます。
キャッツアイ効果は、光の反射・屈折によるものです。
タイガーアイやホークスアイなどでも見られるキャッツアイですが、.クリソベリル自体が、鉱物として稀少です。
その中でさらにキャッツアイが見られるものとなりますと一層希少性が高いです。
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シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。