当店初、アメジストのエタニティリング
全周をずらりと同じ宝石が連なる、エタニティリング。
現在でも人気の高いエタニティリングですが、その起源はもちろんアンティーク指輪に遡ります。
アンティーク市場で見つかるエタニティリングの大部分はダイヤモンドですがペーストガラスやガーネット、トルコ石などこれまでも様々な色石のエタニティリングを扱ってきました。
しかしこの指輪を譲ってくださったディーラーさんも私も、アメジストのエタニティリングは初めて見ます。
プラチナxアメジストのエタニティリングは、とりわけ珍しいです。
特にこの指輪はプラチナ製です。
涼しげなプラチナと、紫色のアメジストでとりわけ涼しげなリングです。
そしてアメジストは1石ずつ、石の形にそって台座がかなり深く掘られていて、アメジストがかなり深く埋め込まれるようにセットされています。
宝石はそれぞれ四箇所で小さな爪でセットされていますが、爪は装飾的な意味合いが強く、石は象嵌のように深く埋め込まれています。
裏面の窓の正確さにも、アンティークのエタニティリングの作りの緻密さ、手間のかけられ方をお分かりいただけることでしょう。
手にするとかなり重量感もあり計測しますと、通常の指輪の2倍近い重みがあります。
裏面の窓の仕切りなども、指輪を表面から見たときの印象よりずいぶん重厚な作りになっていることに気づきます。
1920年頃のフランス製。
指輪サイズは13.5号です。
デザイン的にサイズ直しはすることができません。
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現在でも「エタニティーリング」と呼ばれて愛されている指輪デザインの歴史は古く、フランスでは18世紀のジュエリーに既にエタニティリングを見つけることが出来ます。
この指輪デザインのことをフランス語では「Alliance(結婚指輪=マリッジリング)」と呼びます。
この「alliance」という言葉は元々は、「同盟」とか「協定」といった意味のフランス語で、そこから転じて「結婚」、「結婚指輪」を指します。
下記は当店で販売済みの18世紀のエタニティリング。
緑石はペーストガラスです。
アンティークのエタニティーリングはダイヤモンドだけでありません。
古くは上記のようなペーストガラスも用いられましたし、下記はマルカジットを用いたエタニティリングです。(19世紀初頭)
エタニティリングはまた、20世紀初頭にアメリカ人に愛されオーダーされた指輪デザインです。
フランスのアンティークジュエリーでもこの頃に作られたエタニティーリングが数としてはもっとも多いです。
そのため、フランスでは「Alliance Americaine(アメリカの結婚指輪)」とも呼ぶことも多いです。
半周だけ宝石が巡らさせたものは、半分と言う意味の「Demi」が前について「Demi-alliance」と呼ばれています。
フルエタニティーダイヤモンドリング(フランス、20世紀初頭)。
セミエタニティーリング(フランス、20世紀初頭)。
ダイヤモンド以外の宝石もエタニティーリング(セミエタニティーリング)に用いられました。
下記はガーネットのフルエタニティリング(フランス、1840年頃)。
そしてフランスだけでなく、下記はロシア製作のトルコ石をあしらったエタニティーリング。
下記のように2つのまったく同じサイズのエタニティリングをあらかじめ重ねづけするように作ったリングも作られました。
これは今日では別々に着けることもでき、とても重宝ですね。
アンティークのエタニティリングは当店でもよくお問い合わせを頂きますが、そもそも数が少ないのに加えて、フルエタニティリングの場合はサイズ直しができないのが難しいところです。
指にぴったりの特にフルエタニティのアンティークリングで気に入られたものを見つけられたときは、迷わずにご購入をお薦めいたします!
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
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シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。