ビルマ産ルビーのエタニティリング
古い時代の珍しいタイプのエタニティ指輪です。
アンティークのエタニティリングで色石を用いたものは珍しいです。
赤色の石はルビー、その上下にダイヤモンドがそれぞれ4つの爪でセットされています。
ピンクを帯びた明るい赤色のルビーは自然光の下で、更に鮮明さを増します。
この指輪が製作された時代や色から判断して、当時のビルマ産ルビーです。
ルビーはひし形を横にしたような形をしており、両側面に細かなファセットが入れられています。
カット面が鋭角になりすぎないように丁寧に研磨されていて、それが更に年月を経ることで独特の丸みを帯びていて愛らしさが増してます。
王冠のようにも見える、珍しい造作の指輪です
イヤモンドとルビーの間に「くの字」を組み合わせたような銀の模様が入れられています。
おそらくこれは意味があり紋章か、あるいはこの指輪の作られた地域に伝わる何かを描いているのだと思います。
アンティークジュエリーの中でも非常に珍しい造作の指輪です。
あまり見かけないデザインであるためか、なじみのディーラーさんのところで仕入れましてそれを持ったまま他も回っていましたら、他のディーラーさんからも評判の高かった指輪です。
同じモチーフが全周に連なっていますが、リングの幅はルビーだけの箇所が2.5ミリ、銀のモチーフのあるところが8ミリ弱。
高さに強弱のあるその様子は机上においていますと、まるで王冠のようにも見えます。
そしてこちらの指輪は地金はなんと銀です。
思わぬ場所に刻印も押されていたりと、細部にいたるまで見所の詰まった指輪です。
19世紀中〜後期のフランス製。
指輪サイズは9.5-10号(サイズ直し不可)。
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現在でも「エタニティーリング」と呼ばれて愛されている指輪デザインの歴史は古く、フランスでは18世紀のジュエリーに既にエタニティリングを見つけることが出来ます。
この指輪デザインのことをフランス語では「Alliance(結婚指輪=マリッジリング)」と呼びます。
この「alliance」という言葉は元々は、「同盟」とか「協定」といった意味のフランス語で、そこから転じて「結婚」、「結婚指輪」を指します。
下記は当店で販売済みの18世紀のエタニティリング。
緑石はペーストガラスです。
アンティークのエタニティーリングはダイヤモンドだけでありません。
古くは上記のようなペーストガラスも用いられましたし、下記はマルカジットを用いたエタニティリングです。(19世紀初頭)
エタニティリングはまた、20世紀初頭にアメリカ人に愛されオーダーされた指輪デザインです。
フランスのアンティークジュエリーでもこの頃に作られたエタニティーリングが数としてはもっとも多いです。
そのため、フランスでは「Alliance Americaine(アメリカの結婚指輪)」とも呼ぶことも多いです。
半周だけ宝石が巡らさせたものは、半分と言う意味の「Demi」が前について「Demi-alliance」と呼ばれています。
フルエタニティーダイヤモンドリング(フランス、20世紀初頭)。
セミエタニティーリング(フランス、20世紀初頭)。
ダイヤモンド以外の宝石もエタニティーリング(セミエタニティーリング)に用いられました。
下記はガーネットのフルエタニティリング(フランス、1840年頃)。
そしてフランスだけでなく、下記はロシア製作のトルコ石をあしらったエタニティーリング。
下記のように2つのまったく同じサイズのエタニティリングをあらかじめ重ねづけするように作ったリングも作られました。
これは今日では別々に着けることもでき、とても重宝ですね。
アンティークのエタニティリングは当店でもよくお問い合わせを頂きますが、そもそも数が少ないのに加えて、フルエタニティリングの場合はサイズ直しができないのが難しいところです。
指にぴったりの特にフルエタニティのアンティークリングで気に入られたものを見つけられたときは、迷わずにご購入をお薦めいたします!
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シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。