ブリストルグラスと呼ばれる高貴な青色ガラス
1820年頃のフランス製。
「ブリストルグラス」と呼ばれる、高貴な青色ガラスをベースにした指輪です。
当時このような青さをガラスで出すことは難しく、初めにこの色のガラスを生み出したイギリス、ブリストルの名前に由来して「ブリストルグラス」と呼ばれています。
海のように深遠な青が、光を浴びることでさらに奥行きを増し、見る者を離しません。
指輪全体もブリストルグラスもスクエアにカットされており、クールでカッコ良い指輪です。
ガラスの上に銀、そしてマルカジット
ブリストルグラスの上に銀の草花の台座を嵌めこみ、その銀の台座の上にマルカジットを配しています。
硬度が宝石ほどないガラスでこんなことをしているのですから(そしてそれが200年近く経た現在でも美しい状態を保つ丈夫さを持っているのですから)、その技術には驚くばかりです。
全体はスクエアで直線的、それとは対照的に内側のお花は有機的でしなやかです。
ダイヤモンドより鈍い輝きのマルカジットが、お花とブリストルグラスの外周にぎっしり敷き詰められています。
19世紀前半の指輪らしく、煌びやかすぎずに燭台の仄かな光の下で静かにその魅力を発揮します。
地金は銀。
指輪サイズは14号(サイズ直しはご相談ください)。
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ガラスは最も古い「宝石」のひとつです。
古くは紀元前3000年前のメソポタミアとコーカサスの遺跡から発見されています。
いわゆる貴石の代役としての役割も、少なくとも紀元前1500年前のエジプト文明の頃には既に確立されていました。
中世、カラーガラスは主に宗教的な目的に用いられました。
例えば聖骨箱や聖書に飾られました。
非宗教的な用途としては、例外的に子供のジュエリー、そして葬儀用のジュエリーにも使われました。
19世紀初期、イギリス及びフランスで人気のあった青ガラス。
当時こうした青色を硝子で表現するのが難しかったため、初めにその青色の硝子を生み出したイギリスの街の名前「ブリストル(Bristol)」を取って、「ブリストルグラス」と呼ばれるようになりました。
ロイヤルブルーエナメルと並んで、人気を博していました。
不透明なエナメルとはまた異なった奥行き、光の通り方が魅力です。
この指輪はマルカジットを使っていますが、ダイヤモンドが入れられたブリストルグラス指輪も多いです。
地金には銀を使い、比較的大ぶりで縦長の指輪デザインにされているものが多いです。
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