明るく済んだアンティークペリドット
1900年頃のスイス製。
ペリドットはアンティークジュエリーにおいて古くから珍重されてきた宝石ですが、ペリドットを使ったアンティークジュエリーは非常に数が少ないです。
エメラルドにしろ、デマントイトガーネットにしろ、「緑色」の宝石がどれは採掘が少ないものばかりです。
この指輪のペリドットは明るいオリーブグリーン。
指輪自体は小ぶりですが、ペリドットは5ミリx6ミリと意外に大きく色も輝きも素晴らしいです。
小ぶりの指輪こそ、丁寧な細工のものをお薦めします!
真ん中にペリドット、その左右に2つずつ天然真珠を配したシンプルデザイン。
横長で浅めなので、とても使いやすい指輪です。
他のジュエリーとの重ねづけもとてもしやすいでしょう。
小粒な指輪ほど、丁寧な細工によって味が出ます。
ペリドットの周囲にも、ペリドットより小さな真珠の周りにも丁寧なミルグレインが施されています。
こんな1ミリもないゴールドの縁にミル打ちを施すなんて、非人間的な技です。
宝石全体を円筒状にゴールドでくるんでいて、横から見ても、現在には見ないちょっと面白い形をしています。
こうした指輪デザインは、なぜかスイスの指輪によく見かけます。
ゴールドは10Kですが、18Kに近いとても明るいイエローゴールドです。
指輪サイズは12号(有料でサイズ直し可)
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オリーブグリーンの艶やかなペリドット。
ジュエリーの歴史の中でも、最も古い歴史を持つ石の一つです。
ペリドットとは宝石名で、鉱物名はオリビン(Olivine)。
オリビンは、「オリーブ色」から来ています。
古代エジプト人はペリドットが恐怖を取り除き、平和や喜びを授ける石と信じていたそうです。
またローマ人はその石が夜暗くなっても、まだ見ることができ、色が暗くならなかったので、「イブニングエメラルド」と呼びました。
以降、西洋のアンティークジュエリーにおいて珍重されてきたペリドットは、その後中世の十字軍の時代には「守り石」にもされてきました。
ぺリドットがもっとも隆盛したのは、19世紀後期(イギリスで言うところのヴィクトリアン時代後期)からアーツアンドクラフツ、アールヌーボー、20世紀初頭(イギリスで言うところのエドワーディアン)です。
特にぺリドットを愛したのがイギリスのエドワード7世(アルバートエドワード)。
フランスではルネラリックなども好んでこの時代に重用した宝石です。
ペリドットは鉄の成分がその石の構造上不可欠で、その鉄が明るく黄色がかった緑色を造りだします。
滑らかな黄緑色が魅力的なペリドットは、「イブニングエメラルド」の異名を持っています。
それはなぜかというとペリドットが持つ、複屈折という特徴のため、ほの暗い照明の下で、驚くほど高い輝きを発するからです。
複屈折とは簡単に言ってしまえば、宝石に入った光が一筋の光として出て行くのではなく、二重の光となって出て行く性質のことです。
そのためペリドットを見ると、反対側の稜線が明らかに2重になって見えます。
同じような複屈折の特徴を持つ宝石にルビー、サファイア、エメラルドがありますが、屈折率が高いペリドットのほうが顕著にこの複屈折の特徴が出るのです。
ぺリドットは8月の誕生石の一つであり、石言葉は「夫婦の幸福」です。
結婚16周年目に贈る宝石でもあります。
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