これほど大きなペルピニャンガーネットは見たことがありません
希少なペルピニャンガーネットのアンティークジュエリーの中でも特に、リングは珍しいです。
そして真ん中のペルピニャンガーネットの大きさ。
リングに限らず過去に扱った作品を振り返ってみましたが、これほど1石が大きなペルピニャンガーネットは当店でも初めて扱います。
メインのペルピニャンガーネットはスクエアです。
ペルピニャンガーネットのカッティングは正円やオーバル(楕円形)など基本的に円形のものが多いです。
ハイクラスなペンダントネックレスで一度、ひし形のものを扱いましたがスクエアというのがまた珍しいです。
しかも横が8ミリ、縦が1.4センチ弱という大きさ。
今後これほど大粒のハイクラスなペルピニャンガーネットに出会えるのかといったら、私も自信がないです。
フランスのマルシェで見るクランベリーのような艶やかな赤色です。
石の底からぐっと明るい赤色が差し、大きさがあるだけに一層鮮やかです。
随所に見られるペルピニャンセッティング
メインのスクエアの石を、正円のペルピニャンガーネットでぐるりと囲った、クラスターリングの一種です。
リング自体も大ぶりです。
南フランスでは当時、特にまだ指輪を手袋の上からする習慣が残っていました。
どのような貴婦人の持ち主であったか、想像が膨らみます。
セッティングは典型的なペルピニャンガーネットのセッティングです。
裏側はクローズド。
リングのベゼル(フェイス部分)をゴールドのワイヤーで裏面で固定したちょっと原始的な方法もペルピニャンガーネットジュエリーでよく見ます。
緩みなどがなく状態も良いです。
メイン石の台座下には彫金で2本線のような模様が入っていますが、これもブローチなどでも見られる典型的な模様です。
大きな石を支えるべく、大きなリングです。
重量もずっしりとあり、通常のアンティークリングの2倍以上の重さがあります。
1900年頃のフランス製。
18カラットゴールド。
指輪サイズは13号(有料でサイズ直し可)。
動画も撮影しています。
ペルピニャンガーネットアンティーク指輪(スクエア)
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イギリスのでもフランスでもアンティークジュエリーでもに使われているガーネットの大半がボヘミア産。
ボヘミアンガーネットはちょっと黒っぽい赤色をしており、アンティークガーネットと言うとそのイメージを強くお持ちの方も多いのはないでしょか?
しかしペルピニャンガーネットの用いられたアンティークジュエリーを見れば、そのイメージは払拭されるはずです。
ペルピニャンガーネットとは、フランス南西部ペルピニャン地方で産出されていた希少な美しいガーネットのことです。
カタランの文化歴史を象徴する宝石で、その歴史は1750年に遡ります。
ペルピニャンガーネットが採掘されたのは、18世紀半ばから1920年代にかけてです。
鉱山からガーネットが採掘されることはもうありません。
ペルピニャンガーネットは、深いピンクがかった赤ワイン色をしており、同じサイズのルビー以上の価値があると言われるずば抜けた宝石です。
昔から数は少なく、フランスアンティークジュエリーにしか(しかもそのほんのごく一部)存在しません。
フランス現地でもやはりアンティークでしか手に入らないペルピニャンガーネットは、まさに幻の石です。
まさにフランスのアンティークジュエリーに限定された美しいアンティークガーネットです。
下記は当店で数年前に販売済みのペルピニャンガーネットのピアスですが、いまだに多くお問い合わせを頂きます。
ペルピニャンガーネットのセッティングは、この地方独自のもので、「ペルピニャンセッティング」と呼んだりします。
石の下をゴールドで閉じます。
ガーネットそのもののカッティングも独特で、石が閉じられているので見にくいですが下は平らで、上にたくさんのファセットをつけています。
パピヨンと呼ばれるヴェルメイユの破片をガーネットとゴールドの間にいれて、美しい反射を起こすこともあります。
ペルピニャンガーネットは、真っ赤のものから、ピンク帯びた赤、ワイン色がかった赤と複数の色があります。
いずれの色もボヘミアンガーネットよりずっと明るい色調の赤が特徴的です。
下記のリングでは、真っ赤なペルピニャンガーネットとピンクを帯びたガーネットの両方が用いられていますが、どちらもボヘミアンがーネットにはない明るい色調です。
ペルピニャンガーネットが生まれたペルピニャンという街はフランス南西部の都市です。
ペルピニャンの歴史は極めて古く、ローマ時代から人が定住していたといわれています。
中世になってペルピニャンの街の建設が始まり、1276年から1344年までは、マヨルカ王国の王国の首都として栄えます。
時代の中でマヨルカ王国に組み込まれたりバルセロナ伯領となったり、過酷な歴史を生きつつも、いつの時代もペルピニャンは複数の文化が入り乱れる工芸品の中心地でした。
ジュエリーもパリを中心としたジュエリーとはまた異なる味わいのジュエリーが作られました。
一つにはこの地域は鉱物的に非常に豊かな地域であったからです。
古くは銀、ゴールド(共に閉山しています)、そして宝石ではガーネットが産出され、この地域においてジュエリーは一大産業でした。
そしてその主役がガーネットでした。
ペルピニャンガーネットの一部はスペインに運ばれかの地でジュエリーにされたものもありました。
これはやはりスペイン国境の約20キロに位置する地理的要因も大きかったことでしょう。
「ペルピニャンガーネット」と言う呼称は産地による呼称であり、いわゆる鉱物名ではありません。
産地を取って「カシミールサファイヤ」と呼ぶのと同じロジックです。
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シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。