見つかったのが奇跡!ペルピニャンガーネットのリング
ご要望の非常に多いペルピニャンガーネットのアンティークジュエリーを今回は先日のブローチを含めまして仕入れることができました。
しかもリングです!
ペルピニャンガーネットの8割はブローチです。
2009年から紹介しているペルピニャンガーネットのジュエリーですが、その中でも指輪を紹介できたのは片手で数えるほどです。
一つの大きなメイン石を、小さな石で囲ったクラスターリング。
特に真ん中の大きなガーネットがいわゆるペルピニャンガーネットが明るい赤ワイン色で、典型的な
ペルピニャンガーネットの色です。
8つの脇石もペルピニャンガーネットではありすが、こちらは少しピンク紫を帯びた色です。
ですがこの色もペルピニャンガーネットで比較的見る色です。
紫っぽいだけの色のガーネットは他のガーネットでも見ますが、ピンクを帯びた紫であるところがポイントです。
8石とも色が揃っているのも良いです。
素朴なセッティングのペルピニャンガーネットのジュエリー
セッティングにもペルピニャンガーネットの特徴がよく出ています。
ペルピニャン地方はフランス南西部にあります。
地理的にパリを中心としたフランス中央部よりずっとスペインに近いということもあり、パリを中心とする宝飾技術とは一線を画しています。
よく言えば素朴、比較的原始的なセッティングがされているのがペルピニャンガーネットのアンティークジュエリーの特徴で、それが味わいです。
ペルピニャンガーネットは必ずクローズドセッティングで、それは指輪でも変わりません。
同じ18カラットゴールドでも、明るいローズゴールドを用いているのも特徴的で、ペルピニャンガーネットの色によく合っています。
フランス南西部、ミディ・ピレネー地方の大地は赤くその大地の豊かさを感じさせる色合いでもあります。
ペルピニャンガーネットでしかもリングのご紹介なんて今後もあるかどうか、私も分からないです。
19世紀のフランス製。
18カラットゴールド。
フランスアンティークジュエリーでよく見る刻印である鷲の頭より古い、馬の刻印が入っているところも魅力的。
指輪サイズは12号(有料でサイズ直し可)。
動画も撮影しています。
ペルピニャンガーネット アンティーククラスターリング
小さな写真をクリックすると大きな写真が切り替わります。
イギリスのでもフランスでもアンティークジュエリーでもに使われているガーネットの大半がボヘミア産。
ボヘミアンガーネットはちょっと黒っぽい赤色をしており、アンティークガーネットと言うとそのイメージを強くお持ちの方も多いのはないでしょか?
しかしペルピニャンガーネットの用いられたアンティークジュエリーを見れば、そのイメージは払拭されるはずです。
ペルピニャンガーネットとは、フランス南西部ペルピニャン地方で産出されていた希少な美しいガーネットのことです。
カタランの文化歴史を象徴する宝石で、その歴史は1750年に遡ります。
ペルピニャンガーネットが採掘されたのは、18世紀半ばから1920年代にかけてです。
鉱山からガーネットが採掘されることはもうありません。
ペルピニャンガーネットは、深いピンクがかった赤ワイン色をしており、同じサイズのルビー以上の価値があると言われるずば抜けた宝石です。
昔から数は少なく、フランスアンティークジュエリーにしか(しかもそのほんのごく一部)存在しません。
フランス現地でもやはりアンティークでしか手に入らないペルピニャンガーネットは、まさに幻の石です。
まさにフランスのアンティークジュエリーに限定された美しいアンティークガーネットです。
下記は当店で数年前に販売済みのペルピニャンガーネットのピアスですが、いまだに多くお問い合わせを頂きます。
ペルピニャンガーネットのセッティングは、この地方独自のもので、「ペルピニャンセッティング」と呼んだりします。
石の下をゴールドで閉じます。
ガーネットそのもののカッティングも独特で、石が閉じられているので見にくいですが下は平らで、上にたくさんのファセットをつけています。
パピヨンと呼ばれるヴェルメイユの破片をガーネットとゴールドの間にいれて、美しい反射を起こすこともあります。
ペルピニャンガーネットは、真っ赤のものから、ピンク帯びた赤、ワイン色がかった赤と複数の色があります。
いずれの色もボヘミアンガーネットよりずっと明るい色調の赤が特徴的です。
下記のリングでは、真っ赤なペルピニャンガーネットとピンクを帯びたガーネットの両方が用いられていますが、どちらもボヘミアンがーネットにはない明るい色調です。
ペルピニャンガーネットが生まれたペルピニャンという街はフランス南西部の都市です。
ペルピニャンの歴史は極めて古く、ローマ時代から人が定住していたといわれています。
中世になってペルピニャンの街の建設が始まり、1276年から1344年までは、マヨルカ王国の王国の首都として栄えます。
時代の中でマヨルカ王国に組み込まれたりバルセロナ伯領となったり、過酷な歴史を生きつつも、いつの時代もペルピニャンは複数の文化が入り乱れる工芸品の中心地でした。
ジュエリーもパリを中心としたジュエリーとはまた異なる味わいのジュエリーが作られました。
一つにはこの地域は鉱物的に非常に豊かな地域であったからです。
古くは銀、ゴールド(共に閉山しています)、そして宝石ではガーネットが産出され、この地域においてジュエリーは一大産業でした。
そしてその主役がガーネットでした。
ペルピニャンガーネットの一部はスペインに運ばれかの地でジュエリーにされたものもありました。
これはやはりスペイン国境の約20キロに位置する地理的要因も大きかったことでしょう。
「ペルピニャンガーネット」と言う呼称は産地による呼称であり、いわゆる鉱物名ではありません。
産地を取って「カシミールサファイヤ」と呼ぶのと同じロジックです。
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アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。