フランスアンティークの十八番、天使のメダル
フランスのアンティークジュエリーで度々見つけることのできる天使のメダル(メダイユ)。
金細工だけで天使の柔らかな表情を描いているこのようなメダルは、まさに手作業を惜しまなかったアンティークジュエリーならではの醍醐味です。
頬杖をついて、首をかしげて微笑んでいる天使。
天使の特徴であるふっくらとした頬や腕、ふわふわとした髪や愛くるしい表情が、美しいメダルです。
全体はマットな質感です。
ゴールドがつや消しされているからなのですが、つや消しも手のかかる作業で小さなメダルに途方もない時間が掛けられていることが分かります。
珍しい幾何学的な形のメダル
天使のメダルは19世紀後期から20世紀初頭にかけて製作されたものが多いです。
長い年月の間、あまり流行を問わず作られてきたモチーフであるため、正確な年代の特定が難しいことも多いジュエリーですがこのメダルに関しては分かりやすいです。
このようなジオメトリックな幾何学的なシルエットのメダルが製作されたのは1930年頃です。
7角形の変形のようなジオメトリックなデザインです。
天使の丸みを帯びたシルエットに対して、シャープなラインの組み合わせが新鮮です。
1930年頃のフランス製。
18カラットゴールド。
注:チェーンは付いていません。
小さな写真をクリックすると大きな写真が切り替わります。
天使(エンジェル)やキューピッドはアンティークジュエリーで長年好まれて題材にされてきたモチーフです。
その愛らしい姿を時には彫刻で、時にはエナメルで描いてきました。
下記は天使のエナメル彩です。
フルートを手にした愛らしい天使が、エンジ色のエナメルを背景に活き活きと描かれています。
天使(エンジェル)とキューピッド(Cupid)の違い
天使(エンジェル)とキューピッド(Cupid)の違いをご存知でしょうか?
似ていますが厳密に言うと異なります。
エンジェルは、キリスト教で神の使い=天使。
弓矢は持ちません。
「Cupido(キューピッド)」はローマ神話における「愛の神」で、弓矢を持ちます。
どちらがモチーフになっているか弓矢を持っているか否かを見れば分かり易いです。
例えば下記は弓矢を持っていますので、キューピッドがモチーフになっていることが分かります。
ヨーロッパでは「バレンタイン=キューピッド」を思い浮かべる方も多いようです。
下記は弓矢を持っていないので天使です。
エンジェルやキューピッドのジュエリーと言いますと愛らしく甘いジュエリーを思い浮かべるかもしれませんが、フランスのアンティークジュエリーではキューピッドや天使は意外に写実的です。
可愛すぎることなくジュエリーのデザインとしても美しく仕上げられたものが多いです。
下記は当店で販売済みの、才智に満ちた天使のジュエリーです。
天使が首をかしげて、膝をついて星を眺めています。
エンジェルやキューピッドをモチーフにしたアンティークジュエリーは幸福を呼びそうということもあり世界中のコレクターに探されています。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。