エナメルで描かれたパンジー
エナメルで描かれたこのパンジーのペンダントほど、春にふさわしいジュエリーはないでしょう。
パンジーは古くからアンティークジュエリーのモチーフとして描かれてきた花です。
その語源はフランス語の「パンセ」、意味するのは「I think of you(あなたのことを想っている)」です。
薄緑、淡いピンク色がグラデーションで広がっています。
こうした微妙な差異を持った色を、少しずつ変化させなが描くことは、どんな美しい宝石でもできません。
まさにエナメル技法の出番です。
パンジーをモチーフにしたアンティークジュエリーは実際にエナメルで描かれたものが多いです。
このペンダントでは、花びらの位置によってピンク色が濃く出ているところと薄く出ているところ。
中心に向かって、黄緑色に近づいているところが見事に表現されています。
ギロシェエナメル技法で下地の金に施された線刻模様が「花脈」として浮かび上がっているのが、幻想的です。
造形も素晴らしい作品で、パンジーの花びらが2か所めくれた様子など、生命宿る植物のその一瞬の様を捉えています。
葉の部分も風でめくれたようにしなりがついていて、葉脈までもが見事に金細工で描かれています。
花弁の中心とペンダントの下部に天然パールが一つずつ、セットされています。
艶と照りがあり、形も天然パール個性的なシルエットです。
オリジナルボックス付き
ペンダントネックレスがぴったり収まるオリジナルのジュエリーボックスが残っているのも魅力です。
「W.D. Cooper Successor to London Branch of James Hardy& Co goldsmiths 235 Brompton Rd. S.W」とその出自が住所も含めて分かるのはロマンがありますね。
Bromton roadはロンドンのナイツブリッジ近くの通りの名前です。
James Hardy& Coの後継であるW.D. Cooperというゴールドスミスが製作したジュエリーであることが分かります。
ボックスだけでなくチェーンもオリジナルです。
チェーンは15カラットゴールドで長さは62.5センチ。
かなり長さのあるチェーンで、チェーンだけでもかなり価値がありますし、チェーン部分が取り外しもできるのも良いです。
19世紀中-後期のイギリス製。
15カラットゴールド。
注:重量は箱を含まない重さで表記しています。
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パンジーはフランス語の「考える」を意味する言葉「パンセ(penser pensee)」がその名前の由来です。
深く考え込む人の姿に似ていることにちなんで名付けられたそうです。
意味するのは「I think of you(あなたのことを想っている)」です。
パンジーは、19世紀になって作られた花で、ジュエリーのモチーフにされ始めるのも、この頃からです。
それまでの慣習や先入観から離れて知識や理性によって物事を考える「自由主義」のシンボルになります。
下記は当店で販売済みの、パンジーのアンティーク指輪。
19世紀初頭のものです。
パンジーの微妙な色のグラデーションを、エナメルで表現したものも多いです。
下記は当店扱いのギロシェエナメルで描かれたパンジーです。
薄緑、淡いピンク色がグラデーションがエナメルによって美しく表現されています。
パンジーの花言葉は「誠実な愛、信頼、忠実」。
19世紀前半から、中ー後期、そしてアーツアンドクラフト運動の中でも愛されて度々ジュエリーのモチーフにされてきました。
下記はとても珍しい、アメジストを彫りだすことでパンジーを描いた作品です。
下記はとても珍しい、アメジストを彫りだすことでパンジーを描いた作品です。
また下記では留め具部分に「pense a moi(私のことを想って)」の愛のメッセージが入っています。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。