ローレルリース(月桂樹の花冠)がモチーフ
アンティークらしい透かしの美しいペンダントです。
楕円のフレームの内側に描かれているのは、ベルエポックの時代(イギリスではエドワーディアンの)にジュエリーモチーフとして好まれた「ローレルリース(月桂樹の花冠)」。
葉っぱと花をモチーフに曲線を取り入れていますが、左右対称でシンメトリーで整然とした美しさです。
透かしもポイントです。
レースのような透かしが楕円形のモチーフの内側に幾重にも広がり、この時代ならではの洗練された美しさが出ています。
金細工にも長けています。
ゴールドの淵のあらゆる箇所にミルグレインが打たれています。
またところどころに粒金が施されていますが、ルーペでみないと小さなダイヤモンドがセットされているのではないかと見まごう程です。
揺れるダイヤモンド
中心のメインダイヤモンドが揺れる作りになっています。
メインダイヤモンドは透明感のある綺麗な石です。
大きさも3ミリ程あります。
このメインダイヤモンドのみオールドヨーロピアンカットになっています。
ガードルに厚みがあるダイヤモンドが魅力的です。
メインダイヤモンドの台座はバターカップ(きんぽうげ)の形になっていて、この形の台座は、この時代のフランスの指輪やピアスなどによく見られます。
メインダイヤモンド以外の、外枠の下部やペンダント通しの部分にセットされたダイヤモンドは、ローズカットになっています。
1920年頃のフランス製。
18カラットホワイトゴールド。
注:チェーンは付いていません。
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ローレルリース(laurel wreath)、月桂樹の花輪をモチーフにしたペンダントです。
月桂樹の枝と葉を重ね合わせた円形状のモチーフで、ギリシア神話では光明神アポロンが頭にローレルリースを冠としてかぶっていたとされています。
古くから勝利と名誉のシンボルとされてきました。
ローレルリースとベルエポック時代
ローレルリース(月桂樹の冠)はフランスではベルエポック時代(隣国イギリスではエドワーディアンの頃)に花綱(ガーランド模様)やリボン模様と共にジュエリーのモチーフに好まれて用いられるようになります。
ベルエポック時代の宝飾界で起こっていた動きとしては、18世紀ルイ16世時代のブルボン王朝時代への回顧がありました。
そこから伝統的で貴族的なジュエリーへのリバイバルが起こります。
ローレルリースは同時期にやはり一世風靡したガーランド模様と同様、古代ギリシャのリバイバルからジュエリーモチーフとして用いられるようになります。
下記も当店扱いのローレルリースのネックレス。
ガーランドもローレルリースも非常に短い期間しかジュエリーのモチーフにされなかったこともあり、現地でも大変探されていて高価なことが多いです。
まさに最後の貴族時代、ベルエポックを代表するジュエリーです。
同じベルエポック時代にやはりジュエリーモチーフとして一世風靡したベルエポック時代のジュエリーに関して更に詳しい情報は、ベルエポック時代のガーランド様式(花綱)のジュエリーをご参照ください。
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シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。