ブルーサファイヤアンティークリング(カボションカット アールヌーボー)

希少なブルーサファイヤ、しかもカボションカット ブルーサファイヤはアンティークジュエリーでも最も探されている宝石の一つで、しかしながら数としては実はかなり少ない宝石です。
特にブルーサファイヤの指輪はお探しの方が多いです。
このような一つ石のブルーサファイヤのリングは、私自身個人的にもとても好みです。
アンティークのブルーサファイヤのリングは、周囲を小さなダイヤモンドで囲んだタイプのものが多いので、こうしたシンプルにブルーサファイヤを活かしたリングは珍しいです。
透明感ある、深く澄みながらも色調は明るい青色のサファイヤ。
しかもカボションカットにされています。
ひっかかりがなく、触れた感じもコロンとして心地が良いリング。
サファイヤに代表されるコランダムは硬度9で、ダイヤモンドに続いて硬度が高いため、実は欧米では婚約指輪に選ぶ方も多いです。
それだけ日常生活で気を使わずに身に着けることのできる強さもあります。 ベゼルとショルダーの金細工 ブルーサファイヤの美し差を引き立てているのは、ベゼル(指輪のフェイス部分)とショルダー部分にぎっしりと施された金細工です。
有機的な美しい草花の模様が彫金で施されていて、いろいろな角度から見たときに見応えがあります。
アールヌーボーの典型的な金細工です。
ゴールドがイエローゴールド一色だけなところも、ブルーサファイヤの青色としっくり調和しています。
14カラットゴールド。
西ヨーロッパ製。
指輪サイズは15.5号(有料でサイズ直し可)。

  • 重量:3g
    商品の状態:良好
  • 販売価格:売り切れました。

ブルーサファイヤアンティークリング(カボションカット アールヌーボー)

  • 濃い色ながら明るい色調の青、サファイヤの大きさは横が6ミリ、縦が9ミリ程
  • サファイヤの青とイエローゴールドの2色のミニマムな色彩が使いやすいです
  • 台座周りは裏面にかかるまで金細工がぎっしりと施されています
  • カボションカットのサファイヤは驚くほど厚みもあり色も深みがあります
  • 工房印「GK」と約14ctゴールドであることを示す「585」の刻印が押されてます
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アンティークエピソード

ブルーサファイヤ(サファイア)のアンティークジュエリー

ブルーサファイヤとコランダム
アンティークジュエリーの貴石の中で、もっとも高い価値がありもっとも人気があるの宝石の一つがブルーサファイヤ。
9月の誕生石であるサファイアは、ルビーと同じくコランダム系の鉱物の変種です。

ブルーサファイヤ指輪アールヌーボー(1890年頃 18カラットゴールド)

赤いコランダム(鉱物名)をルビーと呼び、その他はすべての色名を冠してサファイアと呼んでいます(宝石名)。
色によってピンクサファイア、ブラックサファイア、ブルーサファイアなどと呼びます。
鉱物名がコランダム、宝石名がサファイアになります。
サファイヤと言う人もサファイアと言う人も両方いて、両方正しいです。
アンティークジュエリーで使われているコランダム(サファイア)には、ブルーサファイアとルビー。
そしてピンクサファイア、ブラウンサファイアなど中間色のサファイアもわずかですが存在します。

良いサファイヤとは
良質なブルーサファイヤの特徴は、主に下記になります。
1)透明感があること。
2)色は、深く澄んだ青色やわずかに紫色味を帯びた中明度の青色がもっとも良い。
3)深み
濃い青色ほどよいものとされています。
ブルーサファイヤの加熱処理
現在産出されるブルーサファイヤのほとんどは、日常的に超高温での加熱が行われているので本来の色合いを示すものは少ないです。

ちなみにこの超高温での加熱(1500度ぐらい)によるサファイヤの色の調整が始まったのは1960年頃からであると言われています。
現代ブルーサファイヤに行われている人工的なトリートメントとしては、超高温での熱加工、加熱だけでは変わらないサファイヤに外部からの拡散加熱処理を施すという技術があります。

下記は当店で販売済みの「コーンフラワーブルー(矢車草の花の青色)色」のブルーサファイヤです。
現代のような超高温での加熱が行われていなかった当時のサファイヤは、宝石本来の色を見ることができます。

コーンフラワーブルーサファイヤ アンティーク指輪(矢車草色 ダイヤモンド)
サファイヤの産地
ブルーサファイヤと言いますと、時々産地についてお客様からお問い合わせを頂きます。
最高級のブルーサファイヤの産地として知られるのは、カシミアです。
ただしカシミールサファイヤは1887年には鉱山が枯渇してしまっていて、アンティークジュエリーでもカシミアさんのブルーサファイヤはまずお目にかかることがありません。
うっとりするような、鮮やかなベルベット調のブルーの色彩は、カシミア地域のサファイヤにしか見られません。
カシミール以外では、セイロンあるいはビルマのものが使われました。
深みのある美しいロイヤルブルーカラーの良質なセイロンサファイアは、サファイアの最高峰である「カシミール産のブルーサファイア」に引けをとらない美しさ。
下記の2点は当店で販売済みのセイロンサファイヤのリングです。

アンティークブルーサファイヤ指輪(セイロン産、ダイヤモンド、アールデコ)

カボションカットサファイヤ プラチナアールデコリング
しかしセイロンサファイヤもとても数は少なく、多くのアンティークジュエリーで使われている特に19世紀までのブルーサファイヤの多くがビルマ産です。
そしてビルマ産ルビーも非常に美しいです。
下記は19世紀後期のビルマ産ブルーサファイヤのブローチです。

19世紀ビルマ産サファイヤ

現代のブルーサファイヤの産地
ちなみに現代ではタイ産のブルーサファイアが多く出回っていますが、アンティークジュエリーにおいてタイ産のサファイヤが使われることはないです。
良質で天然無加工の美しいブルーサファイアを入手したいのなら、アンティークジュエリーの中で、お探しになることをお薦めいたします。

歴史的に有名なブルーサファイヤのジュエリー
フランスアンティークジュエリーにおいてブルーサファイヤと言えばナポレオンの妻、ジョゼフィーヌが有名です。
ナポレオンがドイツ征服に成功したとき、ジョセフィーヌのために手に入れたものに「カール大帝の守護石のサファイア」があります。
(寺院側は敬意を称して見せるだけのつもりだったのですが、ジョゼフィーヌが所望してしまい、やむをえなく寺院側は渡したという話です)。
ジョゼフィーヌはこの宝石の歴史的価値を知らず、単純に宝石好きの夫がさぞ喜ぶだろうと考えてサファイアを所望したということですが、実は「持つ者を必ず皇帝にする」と信じられていた素晴らしい秘宝でした。

カール大帝の父、ピピンがイタリア半島をローマ教皇領として法王に謙譲した時法王からお礼にもらったという歴史的にも超一級の由緒あるものでした。
そんな素晴らしい秘宝をナポレオンは簡単に妻のジョゼフィーヌに渡すのですが、それには理由があったと言われています。
妻の浮気をおさめるためです。
ジョゼフィーヌは大変な浮気性で、サファイアは古来より浮気を封じ込めると信じられていたのです。

そのせいか、ジョゼフィーヌのジュエリーには非常に豪華なブルーサファイヤのジュエリーをいくつも所有していました。
下記は、1806年にHenri Francois Riesenerが描いたジョゼフィーヌの自画像。
胸元にブルーサファイヤとダイヤモンドのネックレスが煌きます。

ジョゼフィーヌのサファイヤ
ジョゼフィーヌのサファイヤ2

ブルーサファイヤのエンゲージメントリング
また日本では婚約指輪と言うとダイヤモンドの印象がとても強いですが、ヨーロッパやアメリカではダイヤモンドに次いでブルーサファイヤを婚約指輪にする人も多いです。

イギリス、ウィリアム王子がケイト皇太子妃に贈ったのがやはりブルーサファイヤの指輪でした。
元々はウィリアム王子の亡き母、ダイアナ元皇太子妃のご婚約指輪だったサファイアのご婚約指輪です。
アンティークというほどは古くははありませんが、真新しいブランドの指輪などを贈るのではなく、一家の伝統が刻まれた指輪を受け継いでいくというのはやはりイギリス皇室らしい選択ですね。
ヨーロッパでは、結婚する際に花嫁がブルーの物を身に付けていくと幸せになれるという言い伝えもあるそうです。

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