天然パールアンティークリング(カラー真珠)

色の調和がユニークな真珠の指輪 独創的な真珠のリングです。
その理由は、真珠の色にあります。
中心がオフホワイトの真珠で、その左右がグレイッシュな真珠、両端がクリーム色と様々な色の真珠が一つのリングの中で共存しています。
真ん中の真珠はいわゆる「ボタンパール」と呼ばれる、真ん中が少し扁平の真珠です。
アンティークジュエリーで時々見かけるこのボタンパールは、お餅のようないびつな形が味わいで分かりやすく天然パールと分かるのも魅力です。
異彩を放っているのは、メインの左右にあるグレイッシュなニュアンスカラーの真珠です。
両方とも色の濃さは異なりますが、ピンクを帯びたグレイッシュカラーで、「何色」と言ってよいか分からないほどです。
こうした微妙な色は、やはり天然パールならではです。
それも左右の色の濃さがかなり異なるところも面白いです。
いずれのパールも見事な艶があり、それぞれの色が共鳴した美しいリングです。 ダイヤモンドの台座にも注目してください アンティークジュエリーでよく見る真珠とダイヤモンドの組み合わせのジュエリー。
主役はあくまで真珠でこのリングももちろん例外ではありませんが、このリングのダイヤモンドの使い方は面白いです。
真珠の隙間と隙間を縫うように8か所にセットされたダイヤモンド。
ダイヤモンドの台座は、真珠とは異なる箇所から筒状に伸びていて、側面から見たときはこのダイヤモンドの台座がデザイン上のアクセントになっています。
ダイヤモンドはすべてローズカットにされていて、台座に埋め込まれるように深くセットされています。
以前にも似たタイプの指輪を扱ったことがありますが、希少なデザインのアンティークリングです。
年代としてもかなり古く、19世紀後期というより中期に近いです。
18カラットゴールド。
フランス製。
指輪サイズは14.5号(有料でサイズ直し可)。

  • 高さ:5.5mm 
    重量:2.2g
    商品の状態:良好
  • 販売価格:売り切れました。

天然パールアンティークリング(カラー真珠)

  • 特に中心の真珠の形が扁平で愛嬌がああります。中心の真珠の直径が4ミリ強
  • 横長で細身。指いっぱいに真珠が広がる、着けやすいデザインです
  • ずちぐはぐなようで調和の取れた天然カラーパールの組み合わせがユニーク
  • ダイヤモンドも小粒ながら手の凝ったセッティングで装飾のポイントです
  • 真珠はクローズドセッティング、残念ながら刻印はナシ。年代的にかなり古いです
  • 天然パールアンティークリング(カラー真珠)
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アンティークエピソード

アンティーク=天然真珠(ナチュラルパール)は大きな間違い

アンティークジュエリーに詳しい方でしたら「昔は養殖の技術がなかったのだから、アンティークジュエリーで使われている真珠は全て天然真珠ですよ」といったことを聞かれたことがあるでしょう。
これはアンティークジュエリーの業界のセール文句になっているようですが必ずしも正しくはありません。
アンティークジュエリーに使われている真珠の多くが天然真珠です。
しかし全てが天然真珠ではありません。

上記の「アンティーク真珠=全て天然」説はヨーロッパで養殖真珠が本格的に市場に出始めるのは、一般的に1920年代頃からと言われていますからそれに基づいた論拠ということになります。
しかし養殖真珠はそれ以前にヨーロッパに存在し、一説には1880年頃から存在していたと言われています。
実際に1900年頃のヨーロッパのアンティークジュエリーから一部に使われています。
例えば下記をご覧ください。

こちらはフランスの有名なジュエリー専門のオークション会社のカタログからの抜粋です。
クリスティーズをはじめ世界の著名なオークション会社の競売では、真珠に関して天然か養殖か明記します。
この「真珠とダイヤモンドの指輪」は「1900年頃に製作されたと」推定されていますが、ジュエリーの説明文のところに「Perles de culture(養殖真珠)」と言う記載があります。


同じカタログから別の事例をご紹介いたしましょう。
こちらは花綱模様の美しい典型的なベルエポック時代のダイヤモンドと真珠のペンダントです。
こちらは1910年頃の推定と先ほどの作品より僅かに後年になりますが、こちらは「une perle en pampille(天然真珠の房飾り)」と記載があります。
天然真珠になります。



天然真珠の評価がもっとも高かったのは、20世紀の初頭です。
1900-1920年頃は非常に美しい天然真珠のジュエリーが作られた時代であるのと同時に、初期の頃の養殖真珠がジュエリーに使われはじめた時代でもあります。

この時代に天然真珠として最大に近い大きさの最高級の天然真珠を使ったロングネックレスは、現在の貨幣価値に換算して約10億円で取引されたと言う記録が残っています。

養殖真珠が多く市場に出回るようになったのは、1920年頃からです。
1940年代にはもう養殖真珠が凌駕していき戦後は言うに及びませんので、美しい天然真珠が用いられたアンティークジュエリーを探すのであればやはり1930年代頃までというべきでしょう。

「養殖真珠」といっても本当の初期の頃(20世紀初頭)の養殖真珠は真珠層が厚くとても出来がいいです。
例えば下記は、1920年前後に英国で製作された養殖真珠のネックレス。
真珠の粒は0.8センチ程です。

1920年養殖真珠

現代の養殖真珠とは雲泥のレベルの差があり、それはそれで近年では高額に取引をされています。
天然真珠への評価が高まる昨今では、初期の頃の養殖真珠はヨーロッパのオークション等で非常に高価な値段がついてきています。
養殖真珠へのイメージが大きく変わるのではないでしょうか?

アンティーク真珠に関して更に詳しい情報は、アンティーク真珠についてをご参考ください。

アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。

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