中心のダイヤモンドはは何と0.5カラット、左右の石も大粒です
20世紀初頭のイギリス製。
こちらはシェルシュミディとしては珍しく、ロンドンで仕入れた数少ないジュエリーの一つです。
指輪がずらっと並んだ中で、この指輪のダイヤモンドが燦々と煌いており目に入りました。
細身のフレームと繊細なデザインから、「フランス製だろう」と思い手にしたのですが、意外なことにイギリス製。
やはり20世紀初頭のこの時代は、イギリスのジュエリーとフランスのジュエリー、かなり似ているものもあります。
見れば見るほどあまりにダイヤモンドが美しく、引き込まれます。
3石ともかなりの大きさがあり、中心が直径5ミリ、その左右が直径4ミリです。
ミリ単位でお話をするとピンと来ないかもしれませんが、中心のダイヤモンドは0.5カラットほど、本当に贅沢な大きさです。
そしてこうした3石が並ぶダイヤモンドで、左右の石までこれだけ大粒な物を使うことは珍しいです。
(通常は脇石はもっと大きくサイズダウンします)。
コストをあまり考慮しない、面白いジュエリーの作り方をするのは、やはり古の時代ならでは。
こんなに美しく豊かなリングがさらりと作っていたなんて、今の現代に生きる私たちとしては少しジェラシーを感じてしまいますね。
ボリュームのあるダイヤモンドと細く繊細な指輪
ボリュームがあるだけでなく、非常に透明で石の底から力強い煌きを発する美しいダイヤモンド。
20世紀初頭の頃のアンティークダイヤモンドは史上最強です。
「アンティークのダイヤモンドって何で美しいのでしょうか?」、時々聞かれるのですが、それは現代のダイヤモンドとは質が全く異なるるものだからです。
ダイヤモンドの輝きを生かすべく、ダイヤモンドは周囲を囲まず控えめなゴールドの爪だけで留めています。
更に台座部分は透かしになっており、側面から見たときに美しいだけでなく、光をより取り込むことでダイヤモンドがより煌くのです。
正面から見ると、ダイヤモンドがまるで宙に浮かんでいるように見えます。
(それに対して側面はボリュームのありしっかりとした作りで堅牢さが出ています)。
ボリュームのあるダイヤモンドと極限まで細くしたセッティングがこの時代ならではの洗練です。
フレームも細く、シャープで美しいラインです。
地金は18金。
指輪サイズは10.5号(有料でサイズ直し可)。
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アンティークジュエリーの王様と言えばやはり「アンティークダイヤモンドリング」です。
一言でアンティークダイヤモンドと言っても年代や国場所等によって実に様々なダイヤモンドリングが作られました。
年月と共に見て行きましょう。
1)まずは17世紀末まで遡るダイヤモンドリング。
この時代のダイヤモンドのカッティングは、テーブルカットが主流です。
2)次に少し年代があがり、18世紀後期のリングです。
18世紀のダイヤモンドはテーブルカットにされることもありましたが、ローズカットのことも多いです。
このリングのダイヤモンドは、ローズカットにされています。
3)こちらも同時代、やはり18世紀後期のリングです。
このリングではダイヤモンドはテーブルカットになっています。
4)少し年代があがって1800年頃のリング。
こちらのリングは南仏のものです。
5)イギリス、ジョージアン王朝時代後期(1820-1830年頃)のリング。
大きめのローズカットダイヤモンドです。
6)第二帝政期(1860年頃)のダイヤモンドリング。
ブルーエナメルも効果的に用いられています。
7)19世紀後期(1880年頃)ローズカットのダイヤモンドリング(フランス)。
8)アールヌーボーの特徴が出たダイヤモンドリング。
9)イギリスで言うところのエドワーディアン(1910年頃)のダイヤモンドリング。
プラチナ細工が美しいです。
10)アールデコのデザインと技術が秀逸な個性的なリング。
11)ヴィンテージと呼ぶべき、1940年代のリング。
国や地方によって特徴的なリングが見つかるのも、ダイヤモンドリングの面白さです。
11)下記は南仏アルルの作品。
12)下記はオランダの典型的なダイヤモンドリング。
ダイヤモンドはもちろんダッチローズカットです。
いかがでしょう?
一言でアンティークダイヤモンドと言いましても、ダイヤモンドのカッティングに始まり地金の違いやデザインのバリエーション等々、ダイヤモンドリングを見ればアンティークジュエリーのバラエティの豊かさを感じていただけたことと思います。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
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シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。