真珠が3石、ダイヤモンドが3石の珍しいトリロジーリング
その美しいデザインに惹かれて入手した指輪です。
フランスベルエポック時代、1900年頃に作られたと推定できる指輪で。
ベルエポック時代のジュエリーは19世紀からの伝統を受け継いで貴族的でありながらも、洗練されていきます。
この指輪は21世紀に住む私たちから見ても、垢抜けていますね。
指輪のデザイン自体は、1900年頃に流行したクロスオーバーの一種で、上下に3石の宝石を配したトリロジーリングです。
真珠の本当の価値は、美しいかどうかです
円らかな石の内側から秘めた力を発するような真珠は、誰が見ても美しいです。
多くのディーラーさんはこれを天然真珠として売ることと思いますが、これは典型的な初期の頃の良質な養殖真珠だと私は判断します。
艶のあるクリーム色の艶やかな真珠です。
横から見ますと、真珠全体を見ることができるようにセットされていることが分かります。
真珠を裏側から針を指しています。
1900-1920年頃の良質な真珠のジュエリーで、よく見られるセッティングです。
真珠の周りに爪や台座などの遮りがない分、真珠の美しさが引き立ちます。
その分、どこから見ても完璧に美しい真珠でないとできないセッティング技法ともいえます。
指輪自体は大きくありませんが、ダイヤモンドもドキッとするほど大きくそして綺麗です。
3石のダイヤモンドのいずれもオールドマインカットされていて、表からも裏のキューレットが切り落とされているのが見えます。
そのことからも、古い時代の指輪であることが分かります。
私はこのオールドマインカット(クッションシェイプダイヤモンド)が個人的に大好きです。
同じくアンティークジュエリーでよく見られるローズカットよりボリュームがあり(実際、大きめの良質なダイヤモンドはオールドマインカットにされることが多かったのです)、そしてブリリアンカットにはないダイナミックな光の拡散があります。
力強さを感じることのできる、透明で綺麗なダイヤモンドが用いられていることが分かります。
18金ゴールド。
指輪サイズは14号。
有料でサイズ直し可能ですが、フレームの途中までスリットが入っているため、大きなお直しの場合はあらかじめご相談ください。
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アンティークジュエリーの王様と言えばやはり「アンティークダイヤモンドリング」です。
一言でアンティークダイヤモンドと言っても年代や国場所等によって実に様々なダイヤモンドリングが作られました。
年月と共に見て行きましょう。
1)まずは17世紀末まで遡るダイヤモンドリング。
この時代のダイヤモンドのカッティングは、テーブルカットが主流です。
2)次に少し年代があがり、18世紀後期のリングです。
18世紀のダイヤモンドはテーブルカットにされることもありましたが、ローズカットのことも多いです。
このリングのダイヤモンドは、ローズカットにされています。
3)こちらも同時代、やはり18世紀後期のリングです。
このリングではダイヤモンドはテーブルカットになっています。
4)少し年代があがって1800年頃のリング。
こちらのリングは南仏のものです。
5)イギリス、ジョージアン王朝時代後期(1820-1830年頃)のリング。
大きめのローズカットダイヤモンドです。
6)第二帝政期(1860年頃)のダイヤモンドリング。
ブルーエナメルも効果的に用いられています。
7)19世紀後期(1880年頃)ローズカットのダイヤモンドリング(フランス)。
8)アールヌーボーの特徴が出たダイヤモンドリング。
9)イギリスで言うところのエドワーディアン(1910年頃)のダイヤモンドリング。
プラチナ細工が美しいです。
10)アールデコのデザインと技術が秀逸な個性的なリング。
11)ヴィンテージと呼ぶべき、1940年代のリング。
国や地方によって特徴的なリングが見つかるのも、ダイヤモンドリングの面白さです。
11)下記は南仏アルルの作品。
12)下記はオランダの典型的なダイヤモンドリング。
ダイヤモンドはもちろんダッチローズカットです。
いかがでしょう?
一言でアンティークダイヤモンドと言いましても、ダイヤモンドのカッティングに始まり地金の違いやデザインのバリエーション等々、ダイヤモンドリングを見ればアンティークジュエリーのバラエティの豊かさを感じていただけたことと思います。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
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