アンティークガーネットリング(フランス産ガーネット、王政復古)

一粒のガーネットが心に残る指輪 1820年頃のフランス製。 深い赤色のガーネットを一石だけセッティングした、潔い美しさ。
濃く、明るい赤色のガーネットで、このガーネットは当時のボヘミアンガーネットではなく、フランス現地で採れたフランス産ガーネットです。
(当時南フランスのほうで、ガーネットが採れて、ボヘミアンガーネットより色調が明るいのです)。
指輪自体は小ぶりですが、ガーネットは5ミリ近くと大粒です。
ダイヤモンドのようにローズカットにされています。
ファセットをとても細かく入れたローズカットで、様々な角度からの光の反射が楽しめます。
ガーネットは銀の台座に覆うようにマウントセットされていて、裏側はクローズドされており、裏面には18Kゴールドが塗られています。
王政復古時代ならではの華奢なフレームが繊細な美しさ フレームは18Kゴールドで、1ミリととても細いです。
この指輪が作られた王政復古時代の指輪によく見られる独特の細身のフレームです。
細いのにとてもしっかりとしていて、歪みなどもないしっかりとした作りです。
いわゆるシャンク(腕)がなく、直接指輪のフェイス部分につながっているところも特徴的です。
ガーネットの1つ石、そして直線的なフレームとミニマリズムに貫かれた潔い美しさがあります。
フレームはシンプルなようで、フォルムが丸くなっていたり、またガーネットの銀の台座に細いスリットが入っていたり、ガーネットの石には細かなファセットが入れられていたり。
「シンプルな美しさ」を出すために、実はとても細やかな手作業が施されており、それが年月を経ても陳腐にならない美しさの理由です。
指輪サイズは16.5号(有料でサイズ直し可)。

  • 幅:5mm 
    高さ:5mm 
    重量:0.8g
    商品の状態:良好
  • 販売価格:売り切れました。

アンティークガーネットリング(フランス産ガーネット、王政復古)

  • 潔い1石ガーネットが真摯な美しさ。ガーネット周りが銀なのも渋くて良いです
  • こうした細身のフレームの指輪は重ねづけもしやすく使い勝手が最高です
  • 銀の台座に6箇所スリットのように銀細工が入っていてワンポイントになってます
  • ガーネットは厚みもしっかりあり、細かいファセットの完成度の高いローズカットに
  • 丸みがかったフレームは、触れた時の感触が気持ちよく綺麗に着けれます
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アンティークガーネットリング(フランス産ガーネット、王政復古)

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アンティークエピソード

アンティークガーネットとその種類(アルマンディン、パイロープ、ロードライト)

ガーネットは、アンティークジュエリーで最も重用されてきた宝石の一つです。
ガーネットには古くから色々な言い伝えがあります。
その中で最も古いのが、「ガーネットはノアの箱舟の灯として使われて、暗闇を照らした」という伝説。
ガーネットの深く赤い石は、古代から疫病に強い効力があると信じられてきました。
古代エジプト人及びローマ人は血液関係の病気の治療にガーネットを使ったそうです。
中世ヨーロッパではガーネットを持つと友情に恵まれ、権力の座につくとされ、支配者層に好まれました。

ガーネットには暗闇でも見通せる、ガーネットを身につけることで洞察力が増すと信じられてきたのです。
ガーネットがジュエリーの表舞台に出はじめたのは18世紀初頭からです。
下記は18世紀のガーネットを用いたフランス、ヴァンデ地方の指輪です。

アンティークガーネットの指輪(18世紀地方ジュエリー、ヴァンデ地方)

アンティークジュエリーにおいて、ガーネットほど様々なジュエリーに用いられてきた色石はありません。
硬度が6.5-7.5と比較的高くカラーバリエーションも豊かなガーネットはある時は指輪、ピアス、ブレスレット、そしてカメオやインタリオなどにもされてきました。
(デマントイドガーネットの硬度がおよそ6.5、ロードライトガーネットの硬度が7.5です)

宝石としては十分な硬度がありながらダイヤモンドやコランダムまでは硬くなく、彫り物も可能ということで、ガーネットは細工もののジュエリーにも重用されました。
下記はガーネットにインタリオが施された指輪です。

アンティークインタりオ指輪(ガーネット、天然真珠、イニシャル)

なぜガーネットと言う一つの宝石で硬度に幅があるのかと言えば、「ガーネット」と言う名称が複数の石のグループの総称で、その中に4つの異なるグループが存在するからです。
その4つとは下記になります。

1)ワインレッドに代表される「アルマンディンガーネット」
現在では、良質なアルマンダインガーネットは滅多に見ることがありません。

アンティークガーネットブレスレット(1900年頃、18Kゴールド)

2)ルビーに似た鮮やかな赤色の「パイロープガーネット」
パイロープとはギリシャ語で「火の目」という意味です。
チェコスロバキア西部(元オーストリア領)にあるボヘミア地方では中世よりこのような火の目のような深紅色のパイロープが採掘されていました。

アンティークガーネットネックレス(パイロープガーネット、ペンダントネックレス、ヴェルメイユ)

3)紫赤ー褐赤色の「ロードライトガーネット」
アンティークジュエリーで見られるガーネットの中で最も多いのがロードライトガーネットです。
ロードライトとは、「バラの花のような」という意味で、この意味の通り、やや紫がかった赤色をもつガーネットです。
バラに近い、紫がかった印象的な赤色のものが高い評価を受けています。
また、透明度も非常に重要視されています。
主な産出国は、タンザニア、マダガスカル、スリランカなどです。
特にスリランカ産は、バラの花を想わせる良質な石が産出されたことで知られています。

アンティークガーネット十字架ペンダント(クロス、ヴェルメイユ、南仏)

4)美しいオレンジ色の「スペサルティンガーネット」
この種のガーネットはアンティークジュエリーではほとんど見ることがありません。

現在では色の調整が行われていますから(アンティークガーネットで見られたような良質のガーネットが現在では枯渇しているため)、これほどカラーバリエーションがあるのはやはり昔の天然無加工だからです。

ピンク色のガーネット 18世紀には特にピンク色のガーネットが、19世紀には明るい赤色の華やかなガーネットがもてはやされました。
シックな色調が魅力的なピンク色のアンティークガーネットは、その大部分が18世紀のヨーロッパで採られました。
この時代であってもピンク色のガーネットはとても産出量が少なく、小さくカットされて大切に使われました。
柔らかいピンクの色は、当時の照明のろうそくの下で、ダイヤモンドの煌めきと同じような光り方をするものが好まれたそうです。

下記はジュエリー自体は19世紀初頭に作られていますが、その色調から判断してピンク色を帯びたガーネットの石そのものは、もっと古い時代のものと推定できます。

19世紀十字架クロスペンダント(ピンク紫ガーネット)

ガーネットの産地
ヨーロッパのガーネットの産地というと、ボヘミア(現在のチェコ共和国あたり)のイメージが強いと思いますが、フランスでもガーネットは産出されました。
中でも「ペルピニャンのガーネット」はその質の高さで有名で、色調の明るい赤色がその特徴です。

ペルピニャンガーネットのアンティークブローチ(バーブローチ、クローズド、1840年頃)
ペルピニャンは、ピレネー山脈ぞいの、フランス南西部の地中海沿岸の町です。
「ペルピニャンガーネット」については、より詳しく記したエピソードがございますのでご参照ください。

ペルピニャンガーネットとフランス南西部のアンティークジュエリー

現在市場に出回っているガーネットのほとんどはフランス産でもボヘミアのものでもなく、タイ産がほとんどです。

ガーネットと記念日
ヨーロッパには、そんなガーネットを記念日に贈る習慣もあります。
まず結婚18周年。
ガーネットの宝石言葉は「貞操」。
そこから変わらぬ愛を届けるという意味で、この習慣が生まれたのでしょう。
そして初めての記念日。
またヨーロッパでは、最初に子供に与える宝石としてガーネットが贈られることが昔から多いです。
これはガーネットの持つ勤勉な力、人生に忠実であってほしいという両親の願いからでしょう。

アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。

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