アイボリー(象牙)のネックレス、こちらが最後の一点です
ビーズ状にカットされたアイボリーをつなげた、シンプルなデザインのアイボリーネックレス。
「アンティクアイボリー」と言いますとカーブドアイボリー、特に薔薇や手をモチーフにした繊細でロマンチックな細工のアンティークジュエリーを思い浮かばれる方が多いかもしれませんが、1900年-20世紀初頭のフランスではこのような比較的シンプルなデザインのネックレスも作られました。
日常的に最もアイボリーを取り入れてやすいのは、こうしたネックレスでしょう。
今ではワシントン条約により新たに作られたアイボリーを加工することはほぼ不可能ですから、年月を経て貴重な素材にもなってきています。
当店では2年ほど前に、縁あってこのような象牙のジュエリーを数点まとめて仕入れましたが、ネックレスはこれが最後の一点になります。
ねじって開け閉めすることができる留め具
アイボリーの珠は柔らか味があり、年月を経た艶が気持ちよです。
状態も色も良いです。
僅かにクリームを帯びたホワイトですので黒など濃い色合いのお洋服とあわせると、格別美しさが引き立ちます。
ネックレスの長さは40センチと少し短めです。
アイボリー自体も最も大きい珠で1.1センチ程ですので、浅めに着けていただくタイプのネックレスです。
アイボリーのオフホワイトが、肌を綺麗に見せてくれます。
留め具のところは、左右を逆方向に捻ることで開閉する仕組みになっています。
100年程経てもとても状態がよく、良い状態で閉まります。
20世紀初頭のフランス製。
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象牙(ぞうげ)とはゾウの長大に発達した切歯のことです。
硬すぎず柔らかすぎず、古くからジュエリーや工芸品に愛用されてきた素材です。
西洋では無色のジュエリーが流行したこともあり、素晴らしいジュエリーの数々が作られました。
下記はイギリス、ヴィクトリア・アルバート美術館貯蔵。
カーブドアイボリーで描かれた風景のフレームが、18世紀のゴールド指輪のベゼルにセットされています。
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c Victoria and Albert Museum
象牙(アイボリー)は当時、インド、スリランカ、アフリカからヨーロッパに輸入されました。
先にご紹介したのはイギリスの作品ですが、カーブドアイボリー(象牙の彫刻)は特に大陸ヨーロッパで発展しました。
特に有名なのが南ドイツです。
エアバッハ (Erbach)の街には1781年に、カーブドアイボリーのための学校と工房が作られています。
それ以外ではスイスとフランスがアイボリーのジュエリーの製作の中心でした。
下記は当店で販売済みのカーブドアイボリーのネックレス(フランス製)。
象牙はジュエリー以外も古くから、多くの装飾品に用いられています。
下記はとても古い時代、18世紀の扇ですが骨組に象牙が使われています。
下記は数年前にササビーズロンドンの出展された象牙を用いた時計。
ベルエポック時代に活躍したリュシアン・ファリーズ(Lucien Falize)の作品です。
c 2016 Sotheby’s
1989年よりゾウの保護のために象牙の販売は、ワシントン条約によって制限されています。
しかし制限の対象になっているのはこれから作られるアイボリーであり、アンティークジュエリーのように過去に作られた象牙の加工製品は禁止対象ではありません。
しかしフランスでは実際に売買をするためには証明書を提出することが義務付けられており、それが非常に大変で更に費用もかかる作業だそうです。
象牙のアンティークジュエリーはもちろん貴重品ですが、それでもダイヤモンドなどに比べてそこまで1点ずつが高価なわけではないですから、業者としては割に合わない作業です。
それで一時的に(2016年現在)行き場のなくしたアンティークの象牙のアンティークジュエリーが出てきていて、比較的リーズナブルに数点のアイボリーのアンティークネックレスを仕入れることができました。
下記は何と152センチもある象牙のロングチェーンネックレスです。
下記は珍しいアイボリーの指輪。
しかしながらこれから象牙を用いたジュエリーは作ることができません。
アンティークの良質な象牙のジュエリーも少なくなってきています。
以上を踏まえますと長期的には確実にまたあがっていき、これまで以上に更に非常に品薄になるでしょう。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。