ひとつでいろいろな表情を作れるネックレス19世紀末のフランスでは、お揃いのチェーン留めがついたロングチェーンが流行しました。
このネックレスはその当時(1880-90年頃)作られたもので、チェーンもチェーン留めもオリジナルのまま残った貴重なものです。
チェーン留めを留める位置とネックレスを何重に巻くかを組み合わせることで、ネックレスをことで、たった一つのチェーンでいろいろなアレンジが可能。
昔のフランスらしい、何ともおしゃれなネックレスです。
人気の高いアールヌーヴォー様式のチェーン留めチェーン留め部分の図柄は、アールヌーヴォー期の特徴が良く出た花柄です。
このネックレスが流行した19世紀末は、ちょうどアールヌーヴォーたけなわの頃だったのです。
日本でも人気の高いアールヌーヴォー様式は、その生き生きとした図柄が魅力。
チェーン留めは小さいアイテムだからこそ、表現力豊かなものが映えます。
チェーンもチェーン留めめも両方とも銀製。
チェーン留めの大きさは、直径2センチ弱です。
注:チェーン本体の留め具部分のバネが緩んでいるので、留め具を使うことができません。
ただし長いネックレスで、留め具を使わずとも首にかけることができるので、実用に支障はありません。
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アンティークジュエリーの中でもいつもとても問い合わせを多くアイテムにロングチェーンネックレスがあります。
このような特に150センチを超えてくるようなロングネックレスは、フランス語ではよくソートワール(sautoir)と呼ばれます。
時代や様式によりあらゆるデザインで作られたソートワール。
南仏プロヴァンスでは、ソートワールの「連の多さ」は社会的ステータスを表すと考えられていました。
そしてチェーンに十字架やメダル(メダイヨン)、時には時計を通したのです。
時計を通すときはあらかじめ胸の辺りにそれ用の小さなポケットも作られました。
下記は1900年頃の絵葉書で描かれた「アルルの女性たち」。
当時のソートワールの装いが分かる一枚です。
アンティークソートワールは金銀やプラチナで作られ、豪華なものにはダイヤモンドや真珠、オパールなどが挟まれたものもあります。
下記は当店で販売済みの19世紀後期のソートワールですが、間にオパールが挟まれています。
シェルシュミディでもこれまで金細工が秀逸な王政復古の時代のソートワール、1880-1990年頃のゴールドのフィリグリーのソートワール、1920年代のアールデコロングネックレスなど様々なロングチェーンをご紹介してきましたが、いつも出すたびにすぐに売り切れてしまいます。
現代の装いにも1重でロングで使ったり、2重、3重にしたり使い勝手がよく、しかもエレガントなジュエリーであるからでしょう。
下記は王政復古時代のソートワールで、留め具部分の手をモチーフにした金細工はセンチメンタルジュエリーでもあります。
下記はフィリグリー金細工のゴールドチェーンです。
またソートワールはゴールド製のものが多いですが、銀製でも下記のように秀逸な素晴らしい作りのアンティークソートワールがあります。
このように凝った留めに具メッセージが込められたものも存在します。
珍しい素材では象牙(アイボリー)のソートワールも過去に数点扱いました。
いつも需要が供給に対して逼迫しているアンティークジュエリーでもっとご紹介したいのですが、ソートワールは相続の時に半分にされてしまったりとオリジナルの長さを保っているものが年々少なくなってきています。
例えば2人娘がいた場合に長いネックレスを半分にして、ブレスレットにしてしまうというようにです。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。