ペルピニャンガーネット アンティーククロス(十字架)小サイズ

ペルピニャンガーネットの十字架 先日のクロスに比べてひと回り小さなサイズです。
同じところから仕入れており、出自は同じと思われます。
ペルピニャンガーネットのアンティークジュエリーの大半がブローチということもあり、希少なペルピニャンガーネットの十字架。
シェルシュミディでも初めて仕入れますし、私もほとんど見たことがないです。
製作されたのは1910年頃。
この時代のパリはベルエポック時代の最中にあり、産業ブルジョワジーによる都市文化が花開いていましたが、パリから遠く離れたスペインの国境までわずかなペルピニャンの地域では、より昔ならの伝統的な風習や信仰が強かったと思われます。
身分の高い聖職者が所持していたのか、身分の高く信仰心の厚い貴婦人の持ち物であったかのか、想像の膨らむアンティークジュエリーです。 直径8ミリの大きなペルピニャンガーネットが6石 真円のペルピニャンガーネットはいずれも直径8ミリ程。
リングなどであれば一つでメインになれる贅沢な大きさのペルピニャンガーネットです。
縦に4石、横に3石、合計6石セットされています。
ペルピニャンガーネットには少し紫を帯びた石や、ピンクを帯びた石もありますが、ペルピニャンガーネットの王道はこの真っ赤な赤色です。
セッティングはイエローゴールドを豊かに用いたちょっと素朴なぽってりとしたクローズドセッティングです。
ガーネットにかかるいくつもの小さな爪は、ペルピニャンガーネットのアンティークジュエリーの典型で愛らしい装飾の一部です。
20世紀初頭のフランス製。
18カラットゴールド。
注:チェーンは付いていません。
動画も撮影しています。
ペルピニャンガーネット アンティーククロス(十字架)小サイズ

  • 幅:31mm 
    高さ:43mm 
    重量:5.3g
    商品の状態:良好
  • 販売価格:売り切れました。

ペルピニャンガーネット アンティーククロス(十字架)小サイズ

  • 全周をゴールドで包まれたぎっしりとしたペルピニャンガーネット特有の留め方
  • 横が3.1センチ、縦が4.3センチと先日のクロス程はないものの大きなクロスです
  • 厚みのあるドーム状のペルピニャンガーネットにファセットが細かく入っています
  • 光の反射と共に石の底部から真っ赤な色が差し刻々と移り変わっていきます
  • フランス18金の刻印あり。ペンダントペンダント通し部分は後付けのようです
  • ペルピニャンガーネット アンティーククロス(十字架)小サイズ
  • ペルピニャンガーネット アンティーククロス(十字架)小サイズ
  • ペルピニャンガーネット アンティーククロス(十字架)小サイズ
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ペルピニャンガーネット アンティーククロス(十字架)小サイズ

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アンティークエピソード

ペルピニャンガーネットとフランス南西部のアンティークジュエリー

イギリスのでもフランスでもアンティークジュエリーでもに使われているガーネットの大半がボヘミア産。
ボヘミアンガーネットはちょっと黒っぽい赤色をしており、アンティークガーネットと言うとそのイメージを強くお持ちの方も多いのはないでしょか?
しかしペルピニャンガーネットの用いられたアンティークジュエリーを見れば、そのイメージは払拭されるはずです。

ペルピニャンガーネットとは、フランス南西部ペルピニャン地方で産出されていた希少な美しいガーネットのことです。
カタランの文化歴史を象徴する宝石で、その歴史は1750年に遡ります。
ペルピニャンガーネットが採掘されたのは、18世紀半ばから1920年代にかけてです。
鉱山からガーネットが採掘されることはもうありません。
ペルピニャンガーネットは、深いピンクがかった赤ワイン色をしており、同じサイズのルビー以上の価値があると言われるずば抜けた宝石です。
昔から数は少なく、フランスアンティークジュエリーにしか(しかもそのほんのごく一部)存在しません。

フランス現地でもやはりアンティークでしか手に入らないペルピニャンガーネットは、まさに幻の石です。
まさにフランスのアンティークジュエリーに限定された美しいアンティークガーネットです。
下記は当店で数年前に販売済みのペルピニャンガーネットのピアスですが、いまだに多くお問い合わせを頂きます。

ペルピニャンガーネットのピアス(アンティーク、ベルエポック)ス

ペルピニャンガーネットのセッティングは、この地方独自のもので、「ペルピニャンセッティング」と呼んだりします。
石の下をゴールドで閉じます。

ペルピニャンガーネットアンティークブレスレット(18金ゴールド)

ガーネットそのもののカッティングも独特で、石が閉じられているので見にくいですが下は平らで、上にたくさんのファセットをつけています。
パピヨンと呼ばれるヴェルメイユの破片をガーネットとゴールドの間にいれて、美しい反射を起こすこともあります。

ペルピニャンガーネットは、真っ赤のものから、ピンク帯びた赤、ワイン色がかった赤と複数の色があります。
いずれの色もボヘミアンガーネットよりずっと明るい色調の赤が特徴的です。
下記のリングでは、真っ赤なペルピニャンガーネットとピンクを帯びたガーネットの両方が用いられていますが、どちらもボヘミアンがーネットにはない明るい色調です。

ペルピニャンガーネットアンティーク指輪(ダブルクローバー 三つ葉 )

ペルピニャンガーネットが生まれたペルピニャンという街はフランス南西部の都市です。
ペルピニャンの歴史は極めて古く、ローマ時代から人が定住していたといわれています。
中世になってペルピニャンの街の建設が始まり、1276年から1344年までは、マヨルカ王国の王国の首都として栄えます。
時代の中でマヨルカ王国に組み込まれたりバルセロナ伯領となったり、過酷な歴史を生きつつも、いつの時代もペルピニャンは複数の文化が入り乱れる工芸品の中心地でした。
ジュエリーもパリを中心としたジュエリーとはまた異なる味わいのジュエリーが作られました。

一つにはこの地域は鉱物的に非常に豊かな地域であったからです。
古くは銀、ゴールド(共に閉山しています)、そして宝石ではガーネットが産出され、この地域においてジュエリーは一大産業でした。
そしてその主役がガーネットでした。
ペルピニャンガーネットの一部はスペインに運ばれかの地でジュエリーにされたものもありました。
これはやはりスペイン国境の約20キロに位置する地理的要因も大きかったことでしょう。

「ペルピニャンガーネット」と言う呼称は産地による呼称であり、いわゆる鉱物名ではありません。
産地を取って「カシミールサファイヤ」と呼ぶのと同じロジックです。

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