アイデア、作りとも珍しいフランスのゴールドシール栗鼠(リス)の形を金の印章(ファブ)のペンダントトップ。
19世紀後期のフランス製です。
巷に流通するほとんどのゴールドシールがイギリス製であるということもあり、このゴールドシールはいろんな点で変わった希少性の高いものです。
まず金の品位が18K(通常、特にイギリス製のシールは9Kがほとんど)と高めの品位の金塊でできているため、小ぶりの割りにずっしりとした重さがあること。
そしてリスという珍しいモチーフ。
愛くるしい目から背中の模様、尻尾までゴールドの塊と思えないほど写実的に描かれています。
ロマンチックな愛の言葉が記されたファブシール部分も見所が多く、「plus loin plus serre(離れれば離れるほど(心は)近くに)」というロマンティックな愛の言葉と、約束の輪っ子のような紐を持つ二つの手が陰刻で彫られています。
このゴールドシールは、なんとセンチメンタルジュエリーでもあるのです。
シール部分はコーネリアン。
透明度の高いキレイなコーネリアンが使われています。
モチーフ、作り、アイデアとすべてが珍しく秀逸な、とても貴重なシーリングジュエリーです。
フランスの金の刻印あり。
注:チェーンはついていません。
小さな写真をクリックすると大きな写真が切り替わります。
アンティークジュエリーの中でコレクターにとても人気があるアイテムのひとつに、シール(印章)があります。
もともとは頭文字や紋章を封印のために蝋(ろう)に押して用いた印章のことです。
宝飾史上最も古いシールは紀元前2000年頃にまで遡ります。
「シグネットリング」と呼ばれる者を時の権力者たちは、用いました。
刻んだのは名前のモノグラムや紋章、その人に関連する何らかのシンボルです。
こうしたシグネットリングは手紙に封をするときに送り主が分かるように、本当にその人物からの文書であることが分かるための真偽を証明する役割がありました。
下記はイギリス、ヴィクトリアアルバート美術館に所蔵されている紀元前1400-1500年頃の古代エジプトのシグネットリングです。
(c)Victoria & Albert Museum
シール(印象)はインタリオ(陰刻)の高度な技術と、華麗な金細工の装飾が魅力です。
古代からリングとして作られたシールですが、アンティークジュエリーの市場で一般的に見つかるのはに、19世紀前半-中期のイギリスで作られたものが多いです。
フランスのアンティークジュエリーでも数は少ないですが19世紀に、ロマンティックな言葉が刻まれたシールペンダントや指輪が作られます。
愛の言葉が刻まれたものもあります。
下記の当店で販売済みのシールには
「plus loin plus serre(離れれば離れるほど(心は)近くに)」というロマンティックな愛の言葉と、約束の輪っ子のような紐を持つ二つの手が陰刻で彫られています。
シール(印章)は数が少ないアンティークジュエリーですのでなかなか出会えないのですが、刻まれた文字を判読したりと楽しみが多いアンティークジュエリーの一つです。
またやはり印章が施されたジュエリーにフォブ(シール)もあります。
フォブとは懐中時計の鎖に着ける装飾品です。
フォブ(fob):懐中時計の鎖につける装飾品
シール(seal):印章
シグネットリング(Signet ring):その歴史は古代まで遡る、指輪の形になったシール。
イギリスでは特にジョージアンの時代に、高価な懐中時計にあわせて立派なフォブが製作されました。
この時代の懐中時計ですので、フォブも元々男性のために作られた装身具ですが、元々懐中時計のチェーンを通していた金の輪ににチェーンを通せば、女性用のペンダントトップとして簡単に使うことができます。
フォブは宝石(コーネリアン等)が嵌められていることが多く、そこに紋章などをインタリオで彫ります。
シールは指す対象が広い言葉で、アンティークでも例えば下記のようなデスクシールも含みます。
印章のジュエリーで特にリングにはなぜか、何も刻まれていないまま残ったものもあります。
実感として、シグネットリングの数はかなり多いです。
いずれイニシャル等を刻む予定で作られたもの、工房の方であらかじめ作られたものなどが在庫として残ったのではないかと思われます。
いろいろな背景を想像できるのも、シグネットジュエリーの魅力です。
アンティークエピソード集のページでは、様々なアンティークに関するエピソードをご覧いただけます。
アンティークリング、アンティークネックレス、アンティークピアス、アンティークブレスレット等、希少なヨーロッパのアンティークジュエリーを随時100点以上揃えています。
シェルシュミディで取り扱うアンティークジュエリーは、全てオーナーが直接フランス、イギリスを主としたヨーロッパで買い付けてきたものです。